【特別企画】折原一也が自宅の4Kレグザで実験
「4Kテレビは消費電力が高い」は誤解? 実測して分かった“消費電力の本当の読み方”
次に、夜間にも計測。映像メニューは同じく「おまかせ」で、蛍光灯をすべて点けた部屋で計測すると照度計が125ルクス、消費電力は概ね133W程度だった。照明を一部落として照度計37ルクスの状態(間接照明くらいの明るさ)となると、消費電力は124W程度まで下がった。照明をほぼ全暗の1ルクスまで落とした状態では消費電力は123W前後で、番組を変えながら確認すると最大値134W。音楽ライブ番組の暗いシーンでは105Wまで落ちる場面もあった。
これからすると、もちろんこれも再生する映像次第ではあるが、夜間の消費電力はカタログ値の26%〜34%の幅といったところだろう。
それでは、AVファンが最も気になるであろう、照明を落とした部屋での映画鑑賞はどうだろうか。BDレコーダーからHDMI入力で映画『トランセンデンス』のBDを再生しながら消費電力を測定してみた。なお、映像メニューは「映画プロ」を利用した(明るさセンサーの初期値はオフ)。
この場合の消費電力は、最低値が87Wでほとんどのシーンで90〜105Wくらい。最大値は、ほぼ真っ白な画面にロゴが表示される冒頭シーンの118Wだった。消費電力はカタログ値の22%〜29%と、暗室でじっくりと映画鑑賞をするのは”エコ”にも好ましいという結論が得られた。
■明るい部屋だとテレビはどれくらいの電力を消費する?
上記のような、それなりに暗い環境とは逆に、明るい外光の差し込む開放的なリビングではどれだけの消費電力になるのだろうか。筆者宅はビル街にあり、50Z10Xに直射日光が当たる環境ではないため、iPhoneのLEDライトを利用して、明るい状況を擬似的に再現して検証した。
まず、照度計で窓際の直射日光の照度を測定すると最大値で2,000ルクス程度(測定したのは曇り空で午後2時過ぎの日光)。そこで、レグザの「明るさセンサー」部分にiPhoneのライトを近づけ、センサーが2,000ルクス程度だと“勘違い”するよう調整。「窓際に設置して直射日光があたっている状況」を擬似的に再現した。この環境でワットチェッカーが示した数値は「324W」。仮に筆者宅の窓際にテレビを置いた場合、外光の射す時間は最大でこの程度の消費電力を使う事になるといえる。