タグが活かせるかどうかはコーデックで決まる
音楽ファンのための “ネットオーディオ” 完全ガイド【第3回】コーデックの基礎知識
それでは、実際にデジタルファイルとして音源を管理運用するにあたり、コーデックによって何が異なるのでしょうか。何に着目して使用するコーデックを選択すればよいのでしょうか。
お待たせしました、前回の連載でテーマとしてとりあげたタグ(第2回「タグについて理解しよう」)の登場です。
■各コーデックにおけるタグ
一般に、タグの使える形式と使えない形式がある、というように言われています。その最たるものが、「FLACではタグが使えるがWAVでは使えない」という認識でしょうか。
それを確認するために、上で紹介した5つのコーデックで音源を用意しました。
Tingvall Trioのアルバム『Vagen』をまずFLACでリッピングして、そこから「dBpoweramp Music Converter」を用いて、WAV・AIFF・ALAC・MP3のそれぞれに変換したファイルの中身を覗いてみます。なお、分かりやすくするために、それぞれアルバムタイトルの末尾には各コーデックの名前を入れています。
・FLAC
・WAV
・AIFF
・ALAC
・MP3
細かく見ればそれぞれ微妙な違いはありますが、WAVを含め、どのファイルにもきちんとアルバムアートを含めてタグが付加されています。すなわち、「WAVではタグが使えない」ということはないのです。
一方で、「タグが使える」ということと、「タグが付加されている」ということは区別する必要があります。一般にタグが使えると言われているFLACを使ったからと言って、ひとりでにタグが音源に備わるということはありません。どこかの時点で、何らかの形で「タグを付加する」という工程が必要になります。他のコーデックでも同様です。使用するコーデックが変わっても、タグの重要性は変わりません。
本連載のテーマである“音楽ファンのネットオーディオ”で何より重要になる「ライブラリ管理」を念頭にいれて考えれば、結局のところ、大切なのは「WAVか、FLACか」「コーデックに何を使うか」ではなく、「タグ」なのです。
■タグの扱いはソフトによっても異なる
では、すべてのコーデックでタグが等しく機能するかと言われれば、必ずしもそうではありません。以下の画像は各コーデックの音源がそれぞれのフォルダに入っている様子です。
各音源にタグがきちんとタグが付加されていることは既に確認しました。今度は、これらの音源を、再生ソフトの側から見るとどうなるのか、4つの場合で確認してみましょう。まずは、PCの再生ソフトとして有名どころ2つに用意した音源をインポートしてみます。
・PC用再生ソフト<1>iTunes
基本的にFLACはiTunesで扱えないのでさておき、AIFF・ALAC・MP3は問題ありませんが、WAVは正体不明と化しています。
音源の詳細を見ても、他のコーデックは問題ないのに対してWAVは正体不明のままです。なお、ここで表示されている曲名は、よくよく見ればタグではなく、iTunesが最後の手段として「ファイル名」をそのまま表示しているのだとわかります。
・PC用再生ソフト<2>MediaMonkey
特に手を加えない限りAIFFはMediaMonkeyで扱えないのでさておき、ALAC・FLAC・MP3は問題ありません。WAVもアーティスト名・アルバム名・曲名はきちんと表示されていますが、アルバムアートが表示されていません。
次のページでは、ネットワークオーディオにおいてはタグがどのように見えるのか、2つのサーバーソフトを使って試してみましょう。
お待たせしました、前回の連載でテーマとしてとりあげたタグ(第2回「タグについて理解しよう」)の登場です。
■各コーデックにおけるタグ
一般に、タグの使える形式と使えない形式がある、というように言われています。その最たるものが、「FLACではタグが使えるがWAVでは使えない」という認識でしょうか。
それを確認するために、上で紹介した5つのコーデックで音源を用意しました。
Tingvall Trioのアルバム『Vagen』をまずFLACでリッピングして、そこから「dBpoweramp Music Converter」を用いて、WAV・AIFF・ALAC・MP3のそれぞれに変換したファイルの中身を覗いてみます。なお、分かりやすくするために、それぞれアルバムタイトルの末尾には各コーデックの名前を入れています。
・FLAC
・WAV
・AIFF
・ALAC
・MP3
細かく見ればそれぞれ微妙な違いはありますが、WAVを含め、どのファイルにもきちんとアルバムアートを含めてタグが付加されています。すなわち、「WAVではタグが使えない」ということはないのです。
一方で、「タグが使える」ということと、「タグが付加されている」ということは区別する必要があります。一般にタグが使えると言われているFLACを使ったからと言って、ひとりでにタグが音源に備わるということはありません。どこかの時点で、何らかの形で「タグを付加する」という工程が必要になります。他のコーデックでも同様です。使用するコーデックが変わっても、タグの重要性は変わりません。
本連載のテーマである“音楽ファンのネットオーディオ”で何より重要になる「ライブラリ管理」を念頭にいれて考えれば、結局のところ、大切なのは「WAVか、FLACか」「コーデックに何を使うか」ではなく、「タグ」なのです。
■タグの扱いはソフトによっても異なる
では、すべてのコーデックでタグが等しく機能するかと言われれば、必ずしもそうではありません。以下の画像は各コーデックの音源がそれぞれのフォルダに入っている様子です。
各音源にタグがきちんとタグが付加されていることは既に確認しました。今度は、これらの音源を、再生ソフトの側から見るとどうなるのか、4つの場合で確認してみましょう。まずは、PCの再生ソフトとして有名どころ2つに用意した音源をインポートしてみます。
・PC用再生ソフト<1>iTunes
基本的にFLACはiTunesで扱えないのでさておき、AIFF・ALAC・MP3は問題ありませんが、WAVは正体不明と化しています。
音源の詳細を見ても、他のコーデックは問題ないのに対してWAVは正体不明のままです。なお、ここで表示されている曲名は、よくよく見ればタグではなく、iTunesが最後の手段として「ファイル名」をそのまま表示しているのだとわかります。
・PC用再生ソフト<2>MediaMonkey
特に手を加えない限りAIFFはMediaMonkeyで扱えないのでさておき、ALAC・FLAC・MP3は問題ありません。WAVもアーティスト名・アルバム名・曲名はきちんと表示されていますが、アルバムアートが表示されていません。
次のページでは、ネットワークオーディオにおいてはタグがどのように見えるのか、2つのサーバーソフトを使って試してみましょう。