タグが活かせるかどうかはコーデックで決まる
音楽ファンのための “ネットオーディオ” 完全ガイド【第3回】コーデックの基礎知識
■コーデックの選択は柔軟に
コーデックによって音が違う、という議論があります。有名どころは「WAVはFLACより高音質」という議論でしょうか。「FLACはロスレスと言っても再生に際してデコードという処理が必要となり、それが何らかの影響を機器に及ぼし、結果としてWAVとの音質差が生じる」というものです。
本連載の目的は音質を追求することではないため、このような議論には立ち入りません。ただ、WAVを使用した場合、この記事で示したように、使用するソフトの組み合わせによってはせっかく愛情を注いだ音源が正体不明と化す可能性がある、ということは覚えておいてほしいものです。ソフトの仕組みを把握すれば、ユーザー側の工夫と対策次第でカバーできる部分もありますが、それでも限界はあります。その点、FLACであればそのような苦労は必要なさそうです。
WAVとFLACに限らず、各コーデックはいつでも相互変換可能です。FLACを使うと決めた瞬間、それ以外のすべてのコーデックが永遠に使えなくなるなどということはありません。
何よりも音質を優先してWAVを使うもよし。快適な音楽再生のために、あらゆる局面でタグが機能するFLACを使うもよし。iOS端末との連携をスムーズにするためにAIFFやALACを使うもよし。自分が使うソフトやハード(特にネットワークオーディオプレーヤーの場合)に合わせて、もっと気楽に、柔軟に選択していきましょう。
逆木 一 SAKAKI Hajime
オーディオ・ビジュアルという趣味を愛し、ピュアオーディオとホームシアターの幸せな融合を目指して日々邁進中。ここ数年はネットワークオーディオという方法論に大きな可能性を見出し、その魅力を浸透させるべく活動。音展2014にて「ネットワークオーディオで実現する快適な音楽再生」という講演を実施するなど、活動の場を広げている。
■ブログ「言の葉の穴」http://kotonohanoana.com/
コーデックによって音が違う、という議論があります。有名どころは「WAVはFLACより高音質」という議論でしょうか。「FLACはロスレスと言っても再生に際してデコードという処理が必要となり、それが何らかの影響を機器に及ぼし、結果としてWAVとの音質差が生じる」というものです。
本連載の目的は音質を追求することではないため、このような議論には立ち入りません。ただ、WAVを使用した場合、この記事で示したように、使用するソフトの組み合わせによってはせっかく愛情を注いだ音源が正体不明と化す可能性がある、ということは覚えておいてほしいものです。ソフトの仕組みを把握すれば、ユーザー側の工夫と対策次第でカバーできる部分もありますが、それでも限界はあります。その点、FLACであればそのような苦労は必要なさそうです。
WAVとFLACに限らず、各コーデックはいつでも相互変換可能です。FLACを使うと決めた瞬間、それ以外のすべてのコーデックが永遠に使えなくなるなどということはありません。
何よりも音質を優先してWAVを使うもよし。快適な音楽再生のために、あらゆる局面でタグが機能するFLACを使うもよし。iOS端末との連携をスムーズにするためにAIFFやALACを使うもよし。自分が使うソフトやハード(特にネットワークオーディオプレーヤーの場合)に合わせて、もっと気楽に、柔軟に選択していきましょう。
連載目次 |
第1回「まず『音源』ありき」 第2回「タグについて理解しよう」 第3回「コーデックの基礎知識」 第4回「ライブラリを構築する」 第5回「音源の入手方法(1) CDのリッピング」 第6回「音源の入手方法(2) 配信サイトからのダウンロード」 第7回「PCオーディオで楽しむ(1) 基礎知識」 第8回「PCオーディオで楽しむ(2) USB DACを活用する」 第9回「PCオーディオで楽しむ(3) 色々な再生ソフト」 第10回「PCオーディオで楽しむ(4) オーディオルームとPCの親和性」 第11回「ネットワークオーディオで楽しむ(1) 基礎知識」 第12回「ネットワークオーディオで楽しむ(2) サーバー」 第13回「ネットワークオーディオで楽しむ(3) プレーヤー」 第14回「ネットワークオーディオで楽しむ(4) コントロール」 第15回「様々な再生方法」 |
逆木 一 SAKAKI Hajime
オーディオ・ビジュアルという趣味を愛し、ピュアオーディオとホームシアターの幸せな融合を目指して日々邁進中。ここ数年はネットワークオーディオという方法論に大きな可能性を見出し、その魅力を浸透させるべく活動。音展2014にて「ネットワークオーディオで実現する快適な音楽再生」という講演を実施するなど、活動の場を広げている。
■ブログ「言の葉の穴」http://kotonohanoana.com/