[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第114回】FitEarの「fitear」が僕のイヤーにフィットした件
■FitEarのfitearを僕のイヤーにフィットさせる!
使用したのは、ソニー「ノイズアイソレーションイヤーピース」だ。こちらの方が僕のイヤーにはフィットして、遮音性も低音の不足も大幅に解消する。いままさに、FitEarのfitearが僕のイヤーにフィット! …まずは装着感としては。
純正付属品とは形状も厚みも表面の仕上げも異なり、低音だけではなく音質への影響は無視できない。特に問題と思われるのはイヤーピース開口部のサイズだ。チタンノズルのあの広い開口部に対してイヤーピースのノズルの径の方が明らに不足。これは音の流れに影響があるだろう。
実際のところの音質だが、中低域の厚みは前述のように大幅と言える改善。Shure「SE846」ほどの低域の空気感や深みまでは得られないが、中低域のキレにおいてはfitearが優る。中低域の総合力としては拮抗するレベルだ。
しかし不安なのは、あの素晴らしい高域や空間性への影響だが…。正直、影響はある。さすがに純正イヤーピースはfitearの強みを最も引き出すのだ。イヤーピースをソニーに変えると、中低域との相対バランスの変化もあるだろうが、高域の立ち方が甘くなると感じる。ただしこの音の変化はあくまでも「fitearとの相性」なので、ほかのイヤホンをソニーのイヤーピースに変えると、常にこういう傾向になるというわけではない。
で、今回この組み合わせの結論として、音質面では「可もあり不可もある」だ。しかし遮音性と装着感の向上、そして低音の充実というのは屋外利用では大きな優位。なので僕はいまのところ、普段の外出時にはこちらソニー「ノイズアイソレーションイヤーピース」を使っている。しかしやはりfitearの本領を完全発揮できていないのは残念。イヤーピースについては今後もさらに、装着感も遮音性も音質もよりフィットするものを探していきたい。
■終わり
というわけで今回はFitEarの「fitear」についての記事をお届けさせていただいた。イヤーピース選びにはまだしばらく苦労しそうだが、そもそもの音作りの方向性に大いに共感でき、その方向性での到達度が極めて高い。苦労するに値するイヤホンに出会えた。
高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi 趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。 |
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