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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第115回】究極のフィット感と遮音性!カスタムIEM(イヤモニ)を作ろう

公開日 2015/02/13 11:25 高橋敦
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■製作の流れ3|細部含めて発注

ここまでで大筋の準備は完了だ。あとはそれぞれの販売店への発注となる。…のだがその前に、これまたカスタムならではの細かな仕様オプションも決めておこう。

まずはカラー。シェル(外殻)とフェイスプレート(シェルに部品を設置し終えた後の蓋の役割でもあるパーツ)のそれぞれに、各メーカーが用意する選択肢の中から好きなものを選べるというパターンが一般的。左右を別の色にすることも可能なことが多いので、左右を判別しやすいようにそのようにしているユーザーも少なからずのようだ。

各ブランドとも、様々な種類のフェイスプレートをラインナップしている

他、ケーブルの長短等を選べるオプションも多い。ステージ用では観客にケーブルが目立たないように衣装の背中側に仕込んだりもするので、ある程度の長さがあったほうが対応しやすい。一方ポータブルでのリスニング用だと適度に短い方が取り回しやすい場合もある。ご自身の使い方に合わせて、例えばポータブルプレーヤーをカバンや服のどの位置にあるポケットに入れているかなどを考慮して選べばよいだろう。

また数は少ないが一部メーカーでは、スマートフォン用のリモコン&マイク搭載ケーブルも用意してくれている。利便性の面に利点があることは確かだ。その他にも細かなオプション、各メーカー独自のオプション等があるので、事前に確認して検討しておこう。

……というわけで発注!

■完成したら…

発注からどれくらいの期間で製品が完成するかは、各メーカーごとにも違うし、大注目の新モデル登場で発注が混み合えばそれだけ遅れたりもするし、逆に妙に早いときもあるので、一概には言えない。

完成したカスタムが届いたら早速そのフィット感と音質を確認。カスタムは装着方法が独特なのでまずはそれに慣れよう。耳の形とそれに合わせて製作されたカスタムの形は人それぞれなので、装着方法も細かくは人それぞれだ。参考までに僕の場合は、少しずらした状態から後頭部側に軽く回し込むように(左耳は時計回り、右耳は反時計回りで)耳にはめる要領。

この時点で装着に違和感があるとしても、カスタムの独特の形状やユニバーサルとは次元の異なるフィット感への不慣れが原因である場合も多い。よりしっくりくる装着方法の検討や工夫も行いつつ、しばらくは様子を見てみよう。

高橋敦がチョイスしたカスタムIEM・その9:くみたて LabのCIEM。ハイエンドの3ウェイ4ドライバーでも7万4800円という手頃さとクオリティを両立

しばらく使ってみてどうしても違和感が気になり続ける場合は、販売店やメーカーに相談だ。するとメーカーによって対応内容や対応期間(「しばらく」に費やせる猶予)は異なるが、カスタムを一旦メーカーに戻してシェルを微調整する、いわゆる「リフィット」を行ってくれる場合が多い。

経験豊かなメーカーであっても、耳の形や内部の肉の厚みや柔らかさなどが千差万別である以上、一発完全フィットとはいかないときもある。そうならないように万全の努力はした上で、そうなってしまった場合の保険も用意してくれているのだ。

せっかく完成したと思ったカスタムがまた手元を離れてしまうのは残念。しかしカスタムなのにフィットしない状態では完成したと言えない。またフィットがきつい方向にズレていて耳が痛くなるとかだと、音質や遮音性だけではなく健康面の問題にもつながりかねない。長く楽しく使うために、最初の苦労は厭わないほうがよいだろう。

というわけで今回はカスタムIEMについての基本情報をまとめてみた。すでにご興味を持っていた方にはおおよそ既知の内容だったかと思うが、これをきっかけに興味を持ってくれる方もいてくれればと思う。

高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi
趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。


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