[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第131回】残暑のS/N向上プラン!風鈴からクーラーまで、静かさと快適さのベストバランスを探る
■完全無音空調と人力空調は…
続いては完全無音で涼を得られる…かもしれないものをテストしてみた。風鈴とアイスノンだ。…のだが結果はご覧の通り。
どちらも室温や湿度や風には何の改善もないので、あくまでも「体感的に」を期待しての投入だったのだが…
しかし風鈴が…鳴らない…いや先に気付けよ!という話だが、閉め切った室内には風がないので風鈴は鳴らないのだ。また後ほど試したが、扇風機とかで鳴らすとランダム感が弱まって風情が薄れる。ではベランダに吊るしてその音が室内にもほのかに届いてくるというのでは?というのも試したのだが、「そもそも風鈴の音が音楽の邪魔をする」という致命的な欠点が発覚した。つまり役に立たないかむしろ邪魔かの二択だ。
アイスノンは僕にはさほどの効果がなかった。実際ちゃんと冷えてるものを身に触れさせているのだから効果があってしかるべきと思うのだが…「首回りに何か巻きつけている」というのが温度とは別の暑苦しさにつながっているのかも。そこの感じ方は個人差が大きそうな気がするので、アイスノンでちゃんと涼を得られる方もいるかもしれない。
落胆したところで次は手動空調というか、まあ普通にうちわだ。
涼しいことは涼しい。しかし開け放した自然の風ほど快適でもないし、数値としては36dBから37dBという違いだが耳に届く実際の印象としてはもっと明らかにパタパタとうるさいし目障りだし、何かいろいろと音楽に集中しにくい。オーディオ空調としては評価できない。