<山本敦のAV進化論 第66回>
ハイレゾもワイヤレス伝送できる「AllPlay」を検証。パナソニックの対応モデルを使ってみた
CD再生やラジオを聴いたり、スマホやタブレットに保存した音源のBluetooth再生にも対応して、エントリーユーザーも含む幅広い音楽ファンのニーズをカバーした。
センターユニットには、歪みやノイズを抑えたクリアなサウンドを再生するために高音質アンプ「LincsD-Amp III」を搭載。コーンの素材に竹繊維を使った独自の「ナノバンブースピーカー」採用のステレオスピーカーが一体になっている。
「SC-ALL2」はコンパクトなモノラルタイプのワイヤレススピーカー。8cmのフルレンジスピーカーユニットを搭載する。高さ18cm・横幅12cm・奥行き13.5cmと省スペース設置ができるサイズ感なので、家の中をスマホやタブレットと一緒に持ち歩けるポータビリティの高さが魅力だ。電源は充電式バッテリーではないので、別途ケーブルが必要になる。本体は無線/有線でホームネットワークに接続できる。NFCには非対応だが、Bluetoothでペアリングしたモバイル機器からの音楽ストリーミングを受けて聴くこともできる。
両製品ともにAllPlayに対応したことで、ワイヤレス伝送時には音声信号の非圧縮伝送を実現する。「Bluetoothよりもいい音」を謳うAllPlayの一つのアドバンテージだ。一度ホームネットワークにつないでしまえば、あとは音楽を聴くたびにスマホとスピーカーをペアリングする手間がなく、専用アプリ「Panasonic Music Streaming」でストリーミング先のスピーカーと聴きたい音楽ソースを選択すれば、シンプルに音楽再生が楽しめる。ネットワークスタンバイ機能も搭載しているので、スマホアプリからスピーカーの電源を起動できる。
■スマホアプリでコントロール。AirPlayやBluteooth等にも対応
パナソニックのAllPlay対応オーディオ製品で音楽を楽しむために、まずはパナソニック純正のiOS/Android対応アプリ「Panasonic Music Streaming」をスマホやタブレットに導入する。アプリ自体はAllPlayだけでなく、AirPlayやBluetooth、DLNAにも対応しており、同社のコンポーネントへスマホ内の音源や、ホームネットワーク上のNASに保存した音源の再生にも対応する。インターフェースはシンプルなデザインで直感的に操作できる。
家の中の異なる部屋に複数のAllPlay対応製品があれば、各部屋に配信する音源もアプリからコントロールができる。SC-ALL2については、同じ製品を2台揃えてステレオ再生も楽しめるが、その際の設定もアプリから行う仕組みだ。
国内で入手できるAllPlay対応のオーディオシステムは、いまのところは今回紹介する2製品に、パナソニックのハイレゾ対応オーディオコンポ「SC-PMX100」を加えた3機種のみだが、今後、他のメーカーからもAllPlay対応製品が登場すれば、同じホームネットワークに接続して本アプリからストリーミングの一括管理ができるようになるはずだ。また各AllPlay対応製品は、通常のDLNA/DTCP-IPプレーヤーアプリからレンダラーとして選択し、音楽を再生することもできる。
■一度セットアップすればその後のWi-Fi接続はとても簡単
SC-ALL5D/SC-ALL2の初期セットアップはスマホやタブレットから簡単に行える。SC-ALL5CDを例にセットアップの手順をみていこう。
SC-ALL5CDの場合は手元に付属リモコンも用意する。リモコンの「設定」ボタンを押してから、フロントパネルのディスプレイに「NET SETUP」と表示されるまでスクロールさせ、上下ボタンで「MANUAL」を選択する。