角田郁雄のオーディオSUPREME
dCS「Rossini Player」を聴く。独自の5bit Ring DACが奏でる唯一無二のサウンドとは?
■ハイレゾにおける倍音再現はアナログ再生の領域に達する
次にハイレゾミュージックを再生した。まずはMacBook ProにインストールしたAudirvana Plus 2で、48kHz/24bit FLACのダイアナ・クラール『Wallflower』をDXDモードで再生した。ハイレゾとしては低いサンプリングレートなのに、極めて厚みのあるストリングスの響きがスピーカーの背後に流れ、真珠を思わせる柔らかいピアノが空間をたゆたう。そして、少しだけウェットかつダークなダイアナ・クラールのヴォイスが、中央に浮き上がるように定位する。これをDSDに変換して再生すると、倍音成分が引き立てられ、アナログテープレコーダーで聴いているかのような感覚になる。
個人的なリファレンスである192kHz/24bitの『Quiet Winter Night』は、残響豊かな教会で、サラウンドマイクを女性・男性のデュオヴォーカルと各楽器が囲みながら演奏する、ちょっとファンタジックなヴォーカル曲だ。素晴らしいのは、CD再生と同様に、奏者と歌い手の配置関係を明確にして、あたかも眼前で演奏しているかのような空間性を再現することだ。演奏のディテールを克明に描く解像度の高さも、あらためて実感できた。DSDに変換すると、演奏のリアリティはさらに高まる。この透明度の高い倍音は、ベリリウムやダイヤモンド、アルミなどの金属系トゥイーターを搭載したスピーカーをお使いなら、さらに鮮明に聴くことができるはずだ。
■Vivaldi Clockを組み合わせると演奏の生々しさはさらに増した
Rossini Playerの数ある再生方法の中でも、快適かつスマートに音楽を楽しめるのは、やはりネットワーク再生だ。今回は、自宅視聴室で用いているバッファローのNAS「N1Z」を組み合わせた。再生アプリには前述の「dCS Rossini」を用いた。ご存じの通りN1Zは、NASというよりも“ハイレゾミュージックサーバー”という役割が、度重なるアップデートによって鮮明になった。USB-DACと直接接続しての再生も可能になり、様々なDACに適応できるように細かな設定も行えるようになった。
先のダイアナ・クラールやホフアンサンブルの曲を、あえてN1ZのUSB再生で試してみたのだが、音の鮮度の高さとS/Nの向上が実感できる。明らかに解像度が高まり、システム全体の静寂が増した。PCはいろいろなソフトウェアが使える汎用性を重視しているのに対し、N1Zはハイレゾ再生制御だけが行えるシンプル化、専用化が行われているからだ。
さらなる高音質化を実現するために外部マスタークロック「Rossini Clock」が用意されているが、今回は自宅視聴室の「Vivaldi Clock」を組み合わせてみた。どちらのクロックも高精度、低位相ノイズのクロック発振器を搭載している。Rossini Playerと本機の間では、2本のクロックケーブルによって44.1kHz/48kHzのワードクロックを接続した。
ちなみになぜ、2本のクロックケーブルを接続する方式を取っているかというと、例えば96kHz/24bitの曲を2.8MHz DSDに変換して再生するときは、内部のアップサンプラーは96kHzデータに48kHz外部高精度クロックを同期させてDSDに変換する。変換されたDSD信号は、内部のDAC部で44.1kHzの外部高精度クロックに同期させる。これによりデータフローで完璧な同期がとれ、大幅にジッターを低減することができるのだ(なおCD再生では、44.1kHz系の外部高精度クロックだけで、D/A変換処理される)。実際にVivaldi Clockを接続すると、さらに一段と解像度が増し、空間性も向上する。特に奥行き感がさらに向上し、奏者、歌い手の演奏が生々しくなる。素晴らしい音楽再現だ。
次にハイレゾミュージックを再生した。まずはMacBook ProにインストールしたAudirvana Plus 2で、48kHz/24bit FLACのダイアナ・クラール『Wallflower』をDXDモードで再生した。ハイレゾとしては低いサンプリングレートなのに、極めて厚みのあるストリングスの響きがスピーカーの背後に流れ、真珠を思わせる柔らかいピアノが空間をたゆたう。そして、少しだけウェットかつダークなダイアナ・クラールのヴォイスが、中央に浮き上がるように定位する。これをDSDに変換して再生すると、倍音成分が引き立てられ、アナログテープレコーダーで聴いているかのような感覚になる。
個人的なリファレンスである192kHz/24bitの『Quiet Winter Night』は、残響豊かな教会で、サラウンドマイクを女性・男性のデュオヴォーカルと各楽器が囲みながら演奏する、ちょっとファンタジックなヴォーカル曲だ。素晴らしいのは、CD再生と同様に、奏者と歌い手の配置関係を明確にして、あたかも眼前で演奏しているかのような空間性を再現することだ。演奏のディテールを克明に描く解像度の高さも、あらためて実感できた。DSDに変換すると、演奏のリアリティはさらに高まる。この透明度の高い倍音は、ベリリウムやダイヤモンド、アルミなどの金属系トゥイーターを搭載したスピーカーをお使いなら、さらに鮮明に聴くことができるはずだ。
■Vivaldi Clockを組み合わせると演奏の生々しさはさらに増した
Rossini Playerの数ある再生方法の中でも、快適かつスマートに音楽を楽しめるのは、やはりネットワーク再生だ。今回は、自宅視聴室で用いているバッファローのNAS「N1Z」を組み合わせた。再生アプリには前述の「dCS Rossini」を用いた。ご存じの通りN1Zは、NASというよりも“ハイレゾミュージックサーバー”という役割が、度重なるアップデートによって鮮明になった。USB-DACと直接接続しての再生も可能になり、様々なDACに適応できるように細かな設定も行えるようになった。
先のダイアナ・クラールやホフアンサンブルの曲を、あえてN1ZのUSB再生で試してみたのだが、音の鮮度の高さとS/Nの向上が実感できる。明らかに解像度が高まり、システム全体の静寂が増した。PCはいろいろなソフトウェアが使える汎用性を重視しているのに対し、N1Zはハイレゾ再生制御だけが行えるシンプル化、専用化が行われているからだ。
さらなる高音質化を実現するために外部マスタークロック「Rossini Clock」が用意されているが、今回は自宅視聴室の「Vivaldi Clock」を組み合わせてみた。どちらのクロックも高精度、低位相ノイズのクロック発振器を搭載している。Rossini Playerと本機の間では、2本のクロックケーブルによって44.1kHz/48kHzのワードクロックを接続した。
ちなみになぜ、2本のクロックケーブルを接続する方式を取っているかというと、例えば96kHz/24bitの曲を2.8MHz DSDに変換して再生するときは、内部のアップサンプラーは96kHzデータに48kHz外部高精度クロックを同期させてDSDに変換する。変換されたDSD信号は、内部のDAC部で44.1kHzの外部高精度クロックに同期させる。これによりデータフローで完璧な同期がとれ、大幅にジッターを低減することができるのだ(なおCD再生では、44.1kHz系の外部高精度クロックだけで、D/A変換処理される)。実際にVivaldi Clockを接続すると、さらに一段と解像度が増し、空間性も向上する。特に奥行き感がさらに向上し、奏者、歌い手の演奏が生々しくなる。素晴らしい音楽再現だ。