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<山本敦のAV進化論 第97回>

「HTC Vive」でVRの未来はどう変わる? 玉野社長が語る展望&実機レビュー!

公開日 2016/06/29 14:14 山本 敦
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ゲームコンテンツを再生するコンソールはWindows PCとなり、nVIDIA GTX 970/AMD Radeon R9 290以上のGPUを搭載するハイスペックなPCの利用が推奨されている。PCからヘッドセットへの映像出力はHDMI、DisplayPort経由となり、機器間を長めのケーブルでつなぐ。ワイヤレスコントローラー、およびモーションセンサーはBluetooth接続になる。

HTC Viveの大きな特徴は「ルームスケールVR」と呼ばれるコンセプトのもと、プレーヤーがHTC Viveをセットアップした部屋の中を移動して、まるでVR空間の中を歩き回るような体験が味わえるところにある。

セットアップ画面

PlayStation VRの場合でも、プレーヤーが装着しているヘッドセットやコントローラーに搭載されているLEDを2眼式のPlayStation Cameraでキャプチャーしながら、VR空間の中で正確、かつ素速くプレーヤーの動きをトラッキングする仕組みを採用しているが、HTC Viveのようにプレーヤーが室内を縦横無尽に動き回るところまでは想定していない。

もちろんHTC Viveの場合もユーザーが動ける範囲は無限に広がっているわけではなく、部屋の対角線上のコーナーに設置したモーションセンサーの間に「4m×3m四方」のスペースを擬似的につくり、その範囲を境界として設定してからプレイするかたちになる。

黄色くなっているスペースが実際のVR空間として使用する領域

二つのモーションセンサーからは縦横のマトリクス状に赤外線レーザーが照射されており、それぞれが交わる座標を瞬時に計算しながら、ヘッドセットとコントローラーを合わせて32個のセンサーでプレーヤーの位置をミリ単位でトラッキングする。VR映像の中で境界にぶつかると、青く光る格子状の壁が現れるので、プレーヤーは安全にゲームが遊べるという仕組みだ。

■HTC ViveでのVR体験は「脳の未開領域を刺激されたような心地よい時間」

ヘッドセットは見た目には大柄で、PS VRの外観に比べると前にウェイトが偏っているように思われたが、実機を装着してみると意外に軽くて着け心地も良い。筆者の場合はメガネを装着したままでも違和感なく装着できた。

装着感も良好

ディスプレイには有機ELを採用。解像度は片目が1,080×1,200画素で、両目換算なら2,160×1,200画素。リフレッシュレートは90Hz、視野角は110度。スペックだけ並べると「Oculus Rift」と同等の性能になるが、装着感ではHTC Viveが一歩リードしているように思う。

1,920×1,080×RGBの有機ELを採用し、120Hzのリフレッシュレートを実現したPS VRとは単純にスペックの差はあるものの、実際の画質を目の当たりにしてみると大きな差は感じなかった。また、これも長時間VRコンテンツを遊んでみないとわからないことかもしれないが、いわゆる“VR酔い”もなかった。この辺もVR空間の中を地に足を付けて歩き回れる「ルームスケールVR」のメリットなのかもしれない。

今回は深海を歩くVR映像やシューティングゲームなどを体験させてもらった。Phile-web編集部による体験レポートもチェックして望んだデモンストレーションだったが、いくら他人の体験を文字や言葉で見聞きしたところで、実体験から得られる驚きが伝わらないのがVRというエンターテインメントのもどかしいところ。今回初めてHTC Viveに触れた筆者も、拙い言葉だがその体験に驚き圧倒された。

深海でクジラなどに遭遇

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