ファイル・ウェブ「アナログレコード特集」
アナログレコードの音がお手頃価格で激変。「カートリッジ交換」を楽しもう(1)
カートリッジ交換を楽しむために知っておきたいこと。
1.トーンアームの形式
さてさて、お気に入りのモデルを選ぶ前に、カートリッジ交換に関する注意点をふたつ、お伝えしておこう。
まず1つめは「トーンアームの形式」だ。トーンアームには、「ストレートタイプ」と「S字タイプ(ユニバーサルタイプ)」という2つのアーム形状が(主流として)存在する。
このうち、ストレートアームは、アーム先端に直接カートリッジを取り付けるようになっていて、カートリッジの形を多少なり選ぶ傾向があるうえ、交換も多少の手間がかかる。もうひとつのS字アームは、取り外しが可能なヘッドシェルと呼ばれるパーツ部分にカートリッジを接続するようになっていて、ヘッドシェル、リード線という2つの部品が必要になるものの、手軽に交換ができるようになっている。カートリッジ交換を手軽に行いたい人は、まず最初に、S字アームを採用するアナログプレーヤーを選択しておこう。
実際、ヘッドシェル、リード線ともに数千円で十分なクオリティの製品が購入できるため、コスト的な負担も軽くすむ。もし、これからプレーヤーを選ぶ予定でいて、こういった“カスタム”を大いに楽しみたいという人は、S字型アーム採用アナログプレーヤーをチョイスしておこう。
2.カートリッジの形式。選びたいのはMM型?MC型?
必要なものが変わります!
ふたつ目は、カートリッジの形式に関して。カートリッジには「MM型」と「MC型」という、大きく分けて2つの形式がある。それぞれの詳細についてや別の形式についてはこちら(MM型について/MC型について)を参考にしてもらうとして、利用する際に問題となってくるのが、両者では出力の大小が異なっていて、それぞれに合ったフォノイコライザーと呼ばれる増幅機器が必要となる。
エントリークラスのアナログプレーヤーの場合、MM型用のフォノイコライザーを内蔵していることが多いものの、MCに対応しているものはない。なのでもしMCカートリッジを使いたい場合、新たにMC対応のフォノイコライザーを購入しなくてはならなくなる。
逆にいえば、最初から両対応のフォノイコライザーを購入しておくのもひとつの手だ。最新モデルのなかには、iFI Audio「iPhono 2」などのように、MM/MC両対応に加えて様々な設定を行うことができる製品もある。そういったものを先に導入しておき、いろいろな調整をしてそのカートリッジに採ってベストなセッティングを探し出す、というのも楽しい。遊び倒したいのならば、MM/MC両対応のフォノイコライザーも手に入れたいところだ。
このように、カートリッジ交換は様々な“遊び”に満ちている興味深いカテゴリーだ。カートリッジをいろいろと交換して、自分好みのサウンドや、そのアルバムにベストなサウンドを見つけ出してみよう!
ということで、次回からは、メーカー別に、オススメのカートリッジを紹介していきたい。
次回は7月28日(木)更新予定です!どうぞお楽しみに!