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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第170回】“あちらの業界”の一大イベント「楽器フェア」をオーディオ目線でレポート!

公開日 2016/11/11 10:00 高橋敦
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あちらの業界の一大イベントである「楽器フェア」だが、なんと今回はそこに「ポタフェス」も参戦!…ということで、仕事にかこつけ取材にかこつけ僕も超久々に「楽器フェア」に足を運んできた。

しかも「ポタフェス=オーディオ側」のレポートは編集部で行うので、僕は大手を振って「楽器フェア本体=楽器・音楽制作側」ブースを主に見て回りそちらを記事にすればOKとのお達し。普段から自分の趣味や私利私欲を押し殺し編集部の意向に沿った真面目な記事を書き続けてきたその実績に対してのご褒美ということだろう。

…とはいえ仕事。楽器・音楽制作側に展示されているモノの中からオーディオファンにも面白い、役立ちそうと思ってもらえそうなアイテムやネタをピックアップしていく。厚意に甘え、私利私欲のみで動くわけにはいかないのだ。(↓………)

カワイブースのクリスタルピアノ!YOSHIKIィィイイーッ!

ESPブースのBRILLIANT -MIXEDMEDIA!SUGIZOォォオオオーッ!

カワイとオンキヨーのコラボ!ヤマハも加振!

ピアノを中心に日本を代表する楽器メーカーのひとつである河合楽器のブースには、オンキヨーとのコラボレーションプロトタイプという試作システム「CS-X1」が展示されていた。

ピアノの周りにスピーカーが置いてあるだけの光景にも見えるが…

ピアノ自体も遠目に見ただけだと普通に電子ピアノ

ポイントはピアノの左右と後方の左右に設置されたスピーカーシステム。これが要はサラウンドシステムなのだ。このピアノを弾けば、まずピアノの音はもちろん電子ピアノ本体から鳴る。加えてホールなどでの響きをシミュレートしたリバーブ成分がスピーカーシステムから鳴らされる。例えるなら自宅に居ながらにして著名な大ホールで演奏しているかのような響きを浴びることができるわけだ。

なるほど、これはオンキヨーがAVアンプで培ってきたシアターシステムでいうところの「ルーム」「シアター」「ホール」等のシミュレート技術があってこそだろう。しかもスピーカーシステムにはアトモスのイネーブルド(天井に音を反射させて上から音が降ってくる感覚)も再現する機能まで装備されている。これは納得のコラボレーションだ。

また、鍵盤左にはタッチパネルが搭載されていて、シミュレーションするホール選択などの操作はそこで行うのだが、実はオンキヨーのDAP「DP-X1」がおおよそそのまんま埋め込まれている。このピアノシステムの操作機能としてスマホアプリ的に実装しているようだ。そしてついでに(?)ハイレゾ再生とかも可能とのこと。

天井に向けて音を発して天井からの反射音を利用するイネーブルドスピーカー

デジタル部分のコントロールとそのインターフェースとして「DP-X1」を投入!

ところで「なぜ河合楽器とオンキヨーがコラボを?前から繋がりはあったの?」とお聞きしたところ、「加振器を提供してもらったりと以前からお付き合いがあった」とのこと。加振器はカワイの電子ピアノにおいては、音声信号を振動に変え響板を響かせる「響板スピーカーシステム」などに利用されているようだ。オンキヨー、音に関する技術なら何でも持ってるな!と感心させられた。

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