PCM768kHz/DSD512対応、MQAレンダラー機能も搭載
ポケットサイズのDAC内蔵ヘッドホンアンプ、iFi audio「xDSD」。海外出張で使い倒した
■PCに繋いでMQAのフルサイズ再生を満喫
xDSDはMQA音源のネイティブ再生が楽しめる「MQAレンダラー」だ。MQAレンダラーとは、例えばAudirvana Plus 3のようなMQAのコア音源(最大96kHz/24bitまで)のデコード機能を持つPCアプリケーションを含むプロダクトと組み合わせることで、MQA音源の元のクオリティを忠実に再現できるデバイスのことだ。
この度、iFi audioでは2018年以降に発売する新製品や、これまでに発売してきたUSB-DAC機能を搭載する製品の一部をソフトウェア更新により、MQAレンダラーにアップグレードする方針を発表している。MQAは通常のハイレゾ音源よりもファイルのデータサイズをコンパクトにしながら、高品位な「Analogue to Analogue」の音楽再生を可能にする注目のコーディング技術だ。音楽再生に関わる持ち物をなるべくコンパクトにまとめたい海外出張の折りには、今後xDSDのようなMQA対応の製品にアドバンテージを感じるようになるだろう。
欧州の音楽配信サービス、TIDALは昨年からMQA音源のストリーミングサービス「TIDAL Masters」を始めた。同時期にMac用の定番ハイレゾ対応音楽プレーヤーソフト「Audirvana Plus 3」もMQAのコアデコード機能を搭載したので、いまMacで楽しめるMQAコンテンツは思いのほか充実している。残念ながらTIDALは日本ではまだローンチされていないサービスだが、今回は海外出張の機会にTIDAL Mastersの音源をxDSDとAudirvanaによる組み合わせで満喫してみようと考えた。
Audirvanaの設定からUSB-DACにxDSDを選択して、TIDAL Mastersの音源を再生すると、Audirvanaのアプリケーションの画面にMQAのファイルを再生していることを証明する青色のガイドランプアイコンが点灯する。トム・ウェイツの「Alice(Remastered)」から『Flowers Grave』では、荒々しくもやさしさあふれるボーカルの魅力が体の芯に染みこんでくるような体験を味わった。
本当に良いシステムで再生すると、アーティストが目の前でパフォーマンスを見せてくれているようなリアリティを味わえるところがMQA作品の醍醐味であると、再び実感できた。結局この夜は眠気が吹き飛んでしまい、小1時間ほどはxDSDによる音楽再生にのめり込んでしまった。
普段の外出や、少し長めの旅行に出かける時にも最高の音楽リスニング環境を携えていたい方に向けて、これぞまさに必携アイテムと推したくなる製品がまた一つ、iFi audioから誕生した。