HOME > レビュー > MISSION「QX-4/QX-2」レビュー。最新技術をまとった英国老舗ブランドのスピーカー

ウーファー/トゥイーターにそれぞれ独自構造を採用

MISSION「QX-4/QX-2」レビュー。最新技術をまとった英国老舗ブランドのスピーカー

公開日 2018/06/07 08:00 井上 千岳
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE


キャビネットはバスレフ型だが、ポートは背面にある。バッフルの左右両端は丸くカットされてラウンド状となり、エッジでの回折現象を避けた形だ。また天板と底板にはアルミ製のパネルが装着され、重量を増して共振を抑えることで歪みやカラレーションを減少させている。

このほかクロスオーバーはいずれも2.2kHzで、ネットワークにはラミネートコア・コイルとオーディオグレードのポリプロピレン・コンデンサーが採用されている。能率は両機とも88dBと、現代のスピーカーとしては比較的高めの設定である。

■暖色調で低音豊かなブックシェルフ型「QX-2」

QX-2は2ウェイ・ブックシェルフ型である。ただし通常のユニット配置とは逆に、ウーファーが上、トゥイーターが下に取り付けられている。インバーテッド・ドライバー・ジオメトリーという方式で、リスナーの頭の高さを基準にユニットの位相が一致するよう考慮した設計である。高域ユニットを下側にすることで耳までの距離を等しくする、タイムアラインメントの考え方の基づく構成だ。

ウーファー・スピーカーを一般的なスピーカーとは逆に配置する「QX-2」。音が耳に届くまでの時間を一致させるタイムアライメント理論に基づく。背面には縁の処理が特徴的なバスレフポートが存在

小型スピーカーにしては、というよりむしろ小型だからこそそういう配慮をほどこしたのかもしれないが、暖色調で低域に量感を豊かに持たせた鳴り方をする。小さめの空間に置かれることも考慮しているのか、低域をたっぷり利かせようという感触がある。中庸というイメージの強い英国製品としては、一歩踏み込んだ音作りを感じる積極的な再現性だ。

ピアノは低音部の和音などがどっしりと大きく響き、輪郭線の太いタッチががっしりとした骨格の質感を形成している。よく鳴るという印象で、また刺さりや耳障りな音を出さない聴きやすさも備えた鳴り方である。

次ページ豊かな低音に解像感が加わったフロアスタンド型「QX-4」も聴く

前へ 1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE