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【特別企画】LCI JAPANショールームに聞く

オーディオに“デザインの価値”が問われる今、「PATHOS/chario」はなぜ評価されるのか。インテリアのプロが分析

公開日 2019/06/03 06:00 土方久明
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「一目惚れに近いような、単純に“かっこいい”と思える製品」

菊池 我々は当初から、イタリアの文化やライフスタイルを日本に啓蒙していきたいと考えていました。そんな中、イタリア大使館に、パトスとチャリオの新製品発表の場を探していたタイムロードさんを紹介していただきました。そのご縁がまずあったのですが、やはり製品に強い魅力を感じたのが大きな理由です。

ショールーム内に設置された「Classic Remix」

パトスのアンプもチャリオのスピーカーも、一目見て空間を彩ることのできる製品だと感じました。実にイタリアらしい、デザインを突き詰めているプロダクトだなと。常日頃から様々な製品を見ていますが、これらについては一目惚れに近かったです。

土方 僕は車も好きでフェラーリに乗っているのですが、イタリア製品って街角でもパッと目につく、素晴らしいデザインのものが多いのですよね。僕もパトスとチャリオを見たとき、まずデザインに惹かれました。その後に音を聴いて、さらに驚くことになったのですが。

菊池 ユーザーからすると見た目は重要で、愛着に繋がる大事な要素ですよね。モノが溢れているこのご時世、選ぶときに重要になるのは、我が子のように愛着を持てるかなのではないでしょうか。イタリア製品は、まだそれを持っています。

土方 オーディオは良い音を追求する趣味なので、新製品が出るとついつい気になり、買い換えたくなってしまいます。しかし、このパトスとチャリオに関しては、むしろ使い込んでいきたくなる佇まいがある。こういうことは、最近のオーディオの世界ではなかなかないと思いました。

特に日本のオーディオ製品はフロントパネルのデザインありきというところがありますが、パトスやチャリオの製品は、360度どの角度から見ても美しいですよね。

菊池 パトスのアンプは、本体の両サイドに設けられたヒートシンクが印象的です。PATHOSというロゴが象られていますが、仕上げも非常に美しいです。天板から覗く真空管のレイアウトや、ボリュームノブもいいですよね。

Classic Remixのデザインを決定づける、ロゴをあしらったヒートシンク

土方 オーディオ視点で見ても、パトスはアンプらしい基本造形はありつつ、細部はかなりアバンギャルドに感じます。プロダクトデザインとしてかなり斬新です。

菊池 そこはイタリア製品らしさとも言えるでしょう。イタリア製品は見えない部分のデザインにまで配慮が行き届いていて、天板や背面、場合によってはケーブルひとつをとっても面白い。

見えない部分というと、パトスのリモコンの作りも好きですね。ボタンがいくつも配置されていますが、ラベルがないのでどのボタンかさっぱりわからない。使う人のことを考えていない、イタリアらしいデザインをしています(笑)。

リモコンのデザインにまで配慮が行き届いていると菊池氏

日本のリモコンは、どれを押したらどうなるか一目でわかりますが、その分、卓上に置くのに似つかわしくないデザインです。結果、使いやすくしたのに、なるべく目につかないところへ隠すことになってしまう。そこのところで、パトスのリモコンは置いておくだけで絵になりますね。

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