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「NCF Boosterシリーズ」新製品の使いこなし検証

【AAEx2020受賞】フルテック「NCF Booster-Brace」と「NCF Booster-Signal-L」をアナログ周りで聴く

公開日 2019/12/19 14:38 石原 俊
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「NCF Booster-Brace」では部屋の壁と天井が消え去った

まずは素の状態から聴く。レファレンス的な組み合わせの機器であるから、普通に良い音である。だが、SL-1200Gの出力端子側のフォノケーブルを「NCF Booster-Signal-L」で支えると、大きな変化が起こった。聴感上のSN比が明らかに上昇しているのだ。音の粒立ちが細かくなるとともに、試聴室の空気がキレイになったかのような音場表現が得られ、そのことによって低音が一オクターブ以上伸びているかのように感じられる。しかも、コントローラブルでアバレが少ない。

プレーヤーから信号出力されるフォノケーブルを、「NCF Booster-Signal-L」を用いてプレーヤー直近の位置で支える

次いで、同じフォノケーブルのC-37の入力端子に近い個所に「NCF Booster-Signal-L」を使用した。変化が加速した、というのが正直な感想だ。一オクターブ以上下がった低音に風圧が加わるとともに、ピアノの明瞭度が増し、右手はもちろんのこと、左手の動きまで楽々と耳で追いかけることができる。音楽への働きかけも、より積極的になり、ジャズ特有の7度の和声の展開が耳に心地良い。

フォノEQの電源ケーブルコネクター部を、「NCF Booster-Signal-L」で支える。低い位置にあるので本品が好適

さらには、C-37の電源入力コネクターを「NCF Booster-Signal-L」で固定させたところ、フォノケーブルに使うのとはやや異なる変化が感じられた。低音の重心が、下がりはしないのだが音程が聴き取りやすくなり、音像の実体感が濃くなっている。トータル的な静けさも増している。

テクニクスのプレーヤー、SL-1200Gの奥まった位置にある電源端子周りを「NCF Booster-Signal-L」で支持

次に、SL-1200Gの電源入力コネクターに「NCF Booster-Signal-L」を使用してみた。これには少々コツが要って、「NCF Booster-Signal-L」の片方のエクステンションシャフトバーを外しての挿入だが効果はかなりあり、低域の質感がより硬質で高剛性になるとともに、音程はさらに聴きやすくなった。

電源ボックスの電源ケーブルに「NCF Booster-Brace」を装着。固定用の強力粘着テープを付属しており、壁コンセントなどにも使える

最後にE-480の電源ケーブルと電源ボックス間に、「NCF Booster-Brace」をかませた。これは驚嘆した。試聴室の空気と空間がフワーンと広がったのだ。音場を限定する壁と天井が消え去ったかのようなイリュージョンが感じられる。一度この音を知ったからには、もう後戻りできない。闇雲に使えばいいというものではないと思うが、これは外したくないアクセサリーだ。ぜひともお試しいただきたい。

<Specification>
【NCF Booster-Braceの仕様】
●構造:マルチマテリアルハイブリッド●本体:NCF調合ナイロン樹脂(静電効果)●ハウシング:特殊アルミ合金ブラストおよびアルマイト処理●サイズ:約54W×35H×106Lmm●質量(ネット):約100g●付属:特殊粘着両面テープ(強力粘着、残留接着剤なし)●取り扱い:フルテック(株)

【NCF Booster-Signal-L】
●クレイドル:フラットタイプ●高さ設定:基本(一番低い位置での高さ)23.8mm、延長81.4mm(オプションでさらに追加可能)●ベースユニット外部サイズ:89.8×66.0mm●外部サイズ:46W×112L×23.8Hmm●質量:基本約130.5g、延長約177.5g●付属品:エクステンションシャフトバー×2本、固定リング×2本、特殊PU滑り止め透明マット×4個●取り扱い:フルテック(株)

本記事は季刊・アナログ vol.65 AUTUMNからの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから。

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