PR「基本ポイント」がしっかり作り込まれている
「初めての完全ワイヤレス」にオススメ! ケンウッド「KH-CRZ40T」実力チェック
「迫力型だが聴き疲れない」サウンド。低域のチューニングは特に巧み
そして最後にいよいよ、完全ワイヤレスイヤホンとしての使いやすさの基本ポイントがしっかり押さえられている上で、「ではサウンドはどうなの?」というところだ。
サウンド傾向としては、低域から中域を適切にプッシュした迫力重視型でありつつ、音の感触は柔らかめ。「迫力型なんだけどうるさくないし聴き疲れない」というところにまとめ上げられている。
低域のチューニングは特に巧みだ。
例えばRobert Glasper Experiment「Human」ではベースのボリューム感がぐっと押し出され、おかげで周りが少しうるさい環境でもその存在感を堪能できる。そして低域をそこまでしっかりプッシュしつつも、低音過多でベースの音像が崩れることはない。ボリューム感を出す帯域をプッシュした分、その下の超低域は少し控えめにしてあるようだ。低域をプッシュしつつ、低域+超低域の総量はちゃんと制御できる範疇に収めてある。
星街すいせい「Stellar Stellar」のサビのベースの聴こえ方もよい。帯域特性のフラットなハイエンドイヤホンなどで聴くと、ここのベースはグッと沈み込んだ音域で響く。しかしその沈み込んだ響きは屋外の騒音下や歩きながらなどのリスニング環境では体感しにくい。そこでか、このイヤホンはそのベースの重心をそういった環境でも聴こえやすい帯域に持ち上げて鳴らしてくれる。
その低音に加えて、細かな音の描き出し方も、あえてやや大柄な音像にしてわかりやすく届けてくれるタイプ。総じて「屋外でもノイズキャンセリングがなくても聴き取りやすいサウンド」に仕上げられている印象だ。ハイファイ・オーディオ的な再現性にこだわりすぎず、この価格帯の完全ワイヤレスイヤホンを購入するユーザーの実際の使用環境で気持ちよく聴こえるサウンド、その現実解にチューニングされている。
というように、このKH-CRZ40Tは、完全ワイヤレスイヤホンの基本ポイントを見事に押さえた製品だ。特に「これこれこういう特徴を備えた完全ワイヤレスイヤホンがほしい!」という明確な望みはない場合、まずはこのイヤホンから使い始めればすぐに大きな不満を覚えることはないだろう。
そしてこのイヤホンを使い込んでいつか不満が見えてきたなら、それはあなたに必要な基本「+α」の要素がはっきりしてきた証拠。このイヤホンはあなたをそこに導いていってくれるはずだ。
(提供:JVCケンウッド)