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リーズナブルな本格派グラフィック向けモニター、ASUS「PA279CRV」レビュー

公開日 2023/12/08 06:30 山田久美夫
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PA279CRVを試用して、まず初めに感じたのが27型の画面サイズと4K解像度の相性のよさだ。これより画面サイズが小さいと表示が細かくなりすぎ、4K解像度を堪能するには目を凝らす必要がある。一方、これより画面サイズが大きくなると、設置スペースを確保するのが難しい場合も出てくるだろう。その点、このPA279CRVはとてもバランスのよい組み合わせだ。

また、本体が薄く、台座が先代より33%小さくなったこともあり、意外なほど狭いスペースでも設置できる。高さの調整範囲も広く、一番低くした状態では、テーブル上5cm程度まで下げることができた。モニターをやや見下ろした状態で作業できるので、長時間の使用でかかる首への負担を軽減できる点も見逃せないポイントだ。


画面のチルト、スイーベルに加え、高さ調整にももちろん対応。写真左が最高位置、写真中央が最低位置。またピボット機能も備え、写真右のように縦設置も可能。ちなみにピボット機能は右回転、左回転の両方(それぞれ45度)に対応する
今回の試用では、デスクトップPC(Windows)をHDMI接続で、ノートPC(MacBook)をUSB Type-C接続で同時に繋ぎ、モニター側で適時表示を切り替えて作業した。特にUSB Type-Cポートでの接続は、映像/音声だけでなく、最大96Wまでの給電もケーブル1本でできるため、普段持ち歩いているノートPCを繋げば、大画面表示と充電を同時に行うことができ極めて便利だ。


給電対応のUSB Type-Cポートを備えており、ノートPCとの接続はケーブル1本と快適。しかもMacBook Pro 16インチモデルのフルスピード充電に必要な96W給電に対応する
画質については、ASUSが「ProArt」ブランドで展開しているだけあって、エントリークラスと思えないレベル。出荷時状態のままPCに接続するだけで、そのまま安心して使うことができる。主だったカラースペースのプリセットも用意されているので、必要に応じて切り替えればいい。PIPやPBPモードといった2画面表示機能も搭載されており、それぞれの色域も個別に指定できるため、sRGBとAdobe RGB表示を並べて比較することも可能だ。

ただ注意したい点が1点。「sRGBモード」選択時、画面の明るさ調整ができない仕様になっていることだ。これはsRGB規格では明るさが80カンデラと規定されており、それに則った仕様であるためだが、本規格はかなり暗い環境を想定しており、普通の明るさの環境で使用する場合には、明るさ調整が必要になる。


OSDメニューのカラースペースプリセットの選択画面。「sRGBモード」に加え、写真編集向けの「Adobe RGBモード」、動画編集向けの「Rec.2020モード」「Rec.709モード」などが用意されている
そこでASUSでは、明るい環境下でsRGB表示が必要な場合は、sRGB同等の色域である「Rec.709モード」を選択し、輝度調整することを推奨している。実際に使用する部屋の明るさに応じて、明るさの設定を60〜75程度にするとよいだろう。

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