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公開日 2016/06/24 10:00

ガルパンもMQA配信! e-onkyo musicに聞く「MQAの魅力と聴きどころ」

今後の展開についても聞いた
山本 敦
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本日よりアニソンやゲーム系音楽など34作品をMQAで配信開始したe-onkyo music。この日本を代表するハイレゾ配信サイトは、新しいハイレゾフォーマット「MQA」をどう捉えているのか。また、MQAを含むハイレゾ配信についてどのようなビジョンを描いているのか。キーマンにお話を伺うことができた。

お話を伺ったオンキヨー&パイオニアイノベーションズ(株)ネットワークサービス本部 音楽コンテンツ課 課長 黒澤拓氏(左)と同 ネットワークサービス本部 コンテンツ部 音楽コンテンツ課 ディレクター 高橋弘美氏

e-onkyo musicが「MQA」第2弾として4作品を配信開始

オーディオ・ビジュアルの進化を実現する新製品や技術が誕生する時は、いつでもワクワクする。英メリディアン・オーディオが開発した「MQA」もオーディオの進化にとって大きな意味を持つトピックスだが、最近まで対応機器やコンテンツが揃っていなかったこともあり、ユーザーへの浸透はこれからという状況だった。

しかし、4月にはオンキヨーとパイオニアのハイレゾDAP「DP-X1」と「XDP-100R」もファームウェアアップデートでMQAに対応。またメリディアン・オーディオのDAC搭載ヘッドホンアンプが正式にMQA対応した。

このタイミングに合わせて、国内を代表するハイレゾ音源配信サイト「e-onkyo music」がMQAコンテンツを配信開始した。このようにしてMQAがにわかに活気づく中、e-onkyo musicは早くも「第2弾」のMQAコンテンツを本日よりリリースした(配信タイトルなど詳細記事)。

MQA配信コンテンツの第2弾は、アニソンやゲーム音楽が中心となる

e-onkyo musicが考える「MQAの魅力」と、いまMQA対応のカタログを充実させることの狙いをオンキヨー&パイオニアイノベーションズの黒澤拓氏、高橋弘美氏に訊いた。

「MQAはハイレゾリスニングの根本的な課題を解決してくれる技術」

MQA(=Master Quality Authenticated)は、メリディアンが開発したハイレゾ再生に関わる新技術だ。これまでにも紹介しているので、詳細な解説は各記事を参照してほしい。

キモの部分だけ紹介すると、MQAは「Encapsulation=カプセル化」と呼ばれる独自のコーディング処理により、音楽ファイルを効率よく圧縮。デコーダーを搭載する対応機器で再生すれば、マスター音源に忠実なクオリティで再生することができる。

MQAの代表であるボブ・スチュアート氏

MQAのエンコード処理の特徴は、人間が自然界の音を認識するメカニズムを応用することで、数マイクロ秒単位の時間軸で音楽再生のタイミングを正確に再現できることにある。これが音質向上につながるのだ。

44.1kHzから768kHzまでのリニアPCM形式のマスター音源が、MQAエンコードの対象になる。MQAをネイティブ再生するには対応オーディオ機器が必要だが、一方でMQAはFLACやWAVなど既存のデータコンテナに格納できるため、非対応機器でも48kHz/24bitの品質で再生でき、互換性も保たれている。

e-onkyo musicは、どのような経緯からMQA作品の展開に踏み切ったのだろうか。出発点は一昨年の春、イギリスの音楽配信プラットフォームである7digitalとのパートナーシップのもと、「onkyo music」として米・英・独でハイレゾ配信を開始したことにある。この7digitalとの出会いが、やがてメリディアンおよびMQAとの結び付きに発展していったと黒澤氏は振り返る。同氏はMQAへの期待感を以下のように語る。

「音質を保ったままファイルサイズが小さくでき、ポータブル機器のストレージを圧迫しないハンドリングの良さは大きな魅力です。ハイレゾ関連の技術が高度化するとともに音楽ファイルのサイズがますます大きくなり、ストレージを有効活用する方法が模索されている中で、MQAは根本的な課題を解決できると期待しています。内蔵ストレージに制約のあるポータブルオーディオやスマホでハイレゾをより快適に楽しむ上で、MQAの特長が活きてくるのではないでしょうか」。

MQAが音質を保ちながらファイルサイズを小さくできることは、ポータブルオーディオにおいて非常に重要だと語る黒澤氏

MQAのサウンドについてはどうだろうか。「社内での評価はもちろん、今回MQAタイトルがリリースされるアーティストからもMQAの音に対して良い反応が返ってきた」と語るのは、各レーベルとのコーディネートを担当する高橋氏だ。

今回MQA作品の第2弾として発表されたのはアニソンやゲーム、テクノなどのジャンルが中心で、国内レーベルであるランティス、5pb.Records、falcom、HAOKKが製作した全34作品となる。

「レーベルやアーティストもMQAに好意的で、積極的に参加していただきました。MQA化された音源を聴かれたテクノボーイズさんは『通常版のタイトルと聴き比べると、MQAの開発者の思想や味付けの妙技が見えてきて面白い』とコメントされていました。ほかにも音の輪郭にシャープさが増して、奥行き感が深まるという声を多くいただきました。ゲーム音楽系のレーベルの方々は、これが将来オーディオ機器だけでなくゲームコンソールにも普及したら面白いと手応えを得られたようです」(高橋氏)。

次ページMQAタイトルの第2弾が“アニソン軸”になった理由

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