公開日 2018/11/15 06:00
Shureの新Bluetoothケーブル「RMCE-BT2」、“ワイヤード並みの音質” はこうして生まれた
開発者インタビュー「常に完璧を目指す」
Shureは、Bluetoothケーブルの第二弾モデルとして「RMCE-BT2」を登場させた(関連ニュース/レビュー記事)。Shureのイヤホン「SEシリーズ」向けに開発したというRMCE-BT2は、Bluetooth 5.0を採用、コーデックはaptX HDもサポートするなど、従来モデルから進化を果たしている。
RMCE-BT2の最大の特徴は、Shure独自設計の高性能・高出力ヘッドホンアンプを搭載したことだ。Bluetoothチップセットに標準搭載されたアンプではなく、音質強化を図って独自設計した個別のヘッドホンアンプを用いたことで、「SE846」「SE535」などハイエンドモデルの性能も最大限引き出せるという。
今回はプレミアムヘッドホンガイド編集部と共同で、RMCE-BT2の開発担当者である、Shure リスニングプロダクトカテゴリー・シニアプロダクトマネジャーのショーン・サリバン氏と、同カテゴリーのシニアプロダクトスペシャリストのトーマス・バンクス氏にインタビュー。RMCE-BT2の技術詳細だけでなく、Shureの製品開発にかける思いから今後の展望まで、様々なお話を聞くことができた。
■Shureの“原音忠実”サウンドを目指し、細かなパーツまで徹底的に検証した
ーー BLUETOOTHアクセサリーケーブル「RMCE-BT2」について、開発背景を詳しく教えてください。
ショーン・サリバン氏(以下ショーン氏):我々は2017年に第一弾モデル「RMCE-BT1」を発売していて、今回上位モデルとして「RMCE-BT2」を登場させました。RMCE-BT1がスタンダードモデル、RMCE-BT2がプレミアムモデルという立ち位置で、この構想は開発当初からあり、少しオーバーラップするように、RMCE-BT2の開発もスタートしました。
ーー プレミアムモデルということで、RMCE-BT2ではさらなる音質強化を図ったとのことですが、最大の特徴はやはりヘッドホンアンプですよね。Shure独自設計とのことですが、音質面でどういったメリットがあるのでしょうか?
ショーン氏:Bluetoothチップセットに搭載されているアンプとは別に、独立したアナログヘッドホンアンプを搭載するということで、内部構造から徹底的に作りこみました。Shureの持つあらゆる技術を用いてオリジナルに設計しています。
そうしたことで、ノイズレベルを限りなく低く抑えると同時に、駆動力を高めて、よりピュアな音楽再生を可能にし、“原音忠実”なShureサウンドを実現しています。音源がBluetoothでも、RMCE-BT2では、高感度で優れた周波数特性を持つイヤホンの性能を最大限発揮させることができます。
Bluetoothチップセットはクアルコムの「CSR8675」を採用しています。ただ、チップセットのBluetooth通信部分などはそのまま使用していますが、チップセットを載せた基板設計についても、サプライヤーと共同でShureがデザインしました。使用するパーツを入れ替えたり、接続方法や配置など、細かな部分までこだわっていますので、独自のカスタムデバイスといってよいと思います。
通常の場合、基板パーツとの組み合わせを考える程度だと思います。ですが、Shureでは部品一つ一つも徹底的に解析・研究して、その性能を確かめてから使用しています。数多くの部品を使って全体をデザインする中で、たった一部分がうまく接続できないだけでも音質に影響が出ます。ですから、長い時間をかけて何度も検証を重ねて、今の形を作り出しました。この点は、RMCE-BT2の開発で最も苦労したところですね。
ーー そもそも、ヘッドホンアンプ部分を独自設計としたのは何故でしょうか?また、DAC部分についてはオリジナル設計ではないのでしょうか?
ショーン氏:DACについてはBluetoothチップセットに標準搭載されているものを使っています。先ほど説明したように、様々なコンポーネントを徹底して解析、検証していく中で、CSR8675に搭載しているDACには十分な性能があると分かったので、この部分には手を加える必要がないと判断しました。
私たちは今回、ワイヤードと同じレベルの音質を実現するために何が重要か? それはどの部分か?ということを考え、開発してきました。先日行った新製品発表会の場でも紹介しましたが、ワイヤレスの音質向上に重要なファクターとして、レコーディング品質/再生ソース/音源の解像度やコーデック、DAC性能/ワイヤレスアンテナ/電源・電池/イヤホン本体/ヘッドホンアンプがあると思います。検証を重ねる中で私たちは、圧倒的音質向上のための最重要ファクターはクルマでいえばエンジンに当たる“ヘッドホンアンプ”だと結論づけ、その部分を独自設計しようと思ったのです。
ーー なるほど。それではアンテナ設計についてはいかがでしょうか?ワイヤレスマイクなど、Shureには無線通信の高い技術があると思いますが、独自に工夫した点があれば教えてください。
ショーン氏:もちろん、RMCE-BT2の開発においても、Shureの通信設計技術は生かされています。開発ラボにはプロユースのシビアな要求に応える優れた装置や試験方法のノウハウもありますし、これまで培ってきた技術を投入して設計しました。
RMCE-BT2の最大の特徴は、Shure独自設計の高性能・高出力ヘッドホンアンプを搭載したことだ。Bluetoothチップセットに標準搭載されたアンプではなく、音質強化を図って独自設計した個別のヘッドホンアンプを用いたことで、「SE846」「SE535」などハイエンドモデルの性能も最大限引き出せるという。
今回はプレミアムヘッドホンガイド編集部と共同で、RMCE-BT2の開発担当者である、Shure リスニングプロダクトカテゴリー・シニアプロダクトマネジャーのショーン・サリバン氏と、同カテゴリーのシニアプロダクトスペシャリストのトーマス・バンクス氏にインタビュー。RMCE-BT2の技術詳細だけでなく、Shureの製品開発にかける思いから今後の展望まで、様々なお話を聞くことができた。
■Shureの“原音忠実”サウンドを目指し、細かなパーツまで徹底的に検証した
ーー BLUETOOTHアクセサリーケーブル「RMCE-BT2」について、開発背景を詳しく教えてください。
ショーン・サリバン氏(以下ショーン氏):我々は2017年に第一弾モデル「RMCE-BT1」を発売していて、今回上位モデルとして「RMCE-BT2」を登場させました。RMCE-BT1がスタンダードモデル、RMCE-BT2がプレミアムモデルという立ち位置で、この構想は開発当初からあり、少しオーバーラップするように、RMCE-BT2の開発もスタートしました。
ーー プレミアムモデルということで、RMCE-BT2ではさらなる音質強化を図ったとのことですが、最大の特徴はやはりヘッドホンアンプですよね。Shure独自設計とのことですが、音質面でどういったメリットがあるのでしょうか?
ショーン氏:Bluetoothチップセットに搭載されているアンプとは別に、独立したアナログヘッドホンアンプを搭載するということで、内部構造から徹底的に作りこみました。Shureの持つあらゆる技術を用いてオリジナルに設計しています。
そうしたことで、ノイズレベルを限りなく低く抑えると同時に、駆動力を高めて、よりピュアな音楽再生を可能にし、“原音忠実”なShureサウンドを実現しています。音源がBluetoothでも、RMCE-BT2では、高感度で優れた周波数特性を持つイヤホンの性能を最大限発揮させることができます。
Bluetoothチップセットはクアルコムの「CSR8675」を採用しています。ただ、チップセットのBluetooth通信部分などはそのまま使用していますが、チップセットを載せた基板設計についても、サプライヤーと共同でShureがデザインしました。使用するパーツを入れ替えたり、接続方法や配置など、細かな部分までこだわっていますので、独自のカスタムデバイスといってよいと思います。
通常の場合、基板パーツとの組み合わせを考える程度だと思います。ですが、Shureでは部品一つ一つも徹底的に解析・研究して、その性能を確かめてから使用しています。数多くの部品を使って全体をデザインする中で、たった一部分がうまく接続できないだけでも音質に影響が出ます。ですから、長い時間をかけて何度も検証を重ねて、今の形を作り出しました。この点は、RMCE-BT2の開発で最も苦労したところですね。
ーー そもそも、ヘッドホンアンプ部分を独自設計としたのは何故でしょうか?また、DAC部分についてはオリジナル設計ではないのでしょうか?
ショーン氏:DACについてはBluetoothチップセットに標準搭載されているものを使っています。先ほど説明したように、様々なコンポーネントを徹底して解析、検証していく中で、CSR8675に搭載しているDACには十分な性能があると分かったので、この部分には手を加える必要がないと判断しました。
私たちは今回、ワイヤードと同じレベルの音質を実現するために何が重要か? それはどの部分か?ということを考え、開発してきました。先日行った新製品発表会の場でも紹介しましたが、ワイヤレスの音質向上に重要なファクターとして、レコーディング品質/再生ソース/音源の解像度やコーデック、DAC性能/ワイヤレスアンテナ/電源・電池/イヤホン本体/ヘッドホンアンプがあると思います。検証を重ねる中で私たちは、圧倒的音質向上のための最重要ファクターはクルマでいえばエンジンに当たる“ヘッドホンアンプ”だと結論づけ、その部分を独自設計しようと思ったのです。
ーー なるほど。それではアンテナ設計についてはいかがでしょうか?ワイヤレスマイクなど、Shureには無線通信の高い技術があると思いますが、独自に工夫した点があれば教えてください。
ショーン氏:もちろん、RMCE-BT2の開発においても、Shureの通信設計技術は生かされています。開発ラボにはプロユースのシビアな要求に応える優れた装置や試験方法のノウハウもありますし、これまで培ってきた技術を投入して設計しました。
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