公開日 2024/08/17 08:00
国際家電イベント「IFA」、今年はどうなる? 日本企業の参加状況は? 運営トップが明かす現状と構想
IFA Management ライフ・リントナー氏インタビュー
毎年9月初めにドイツ・ベルリンで開催されている、世界最大規模の国際コンシューマ・エレクトロニクス展「IFA」。運営会社IFA Management GmbHのCEO、Leif Lindner(ライフ・リントナー)氏に、今年2024年の見通しなどについて直接話を訊くことができた。
IFAは、AV機器やガジェット、生活家電、IoT機器、オートモーティブなど様々なジャンルのブランドが世界各地から集う見本市。ベルリンにある巨大な展示会場「メッセ・ベルリン」をメインの舞台に、今年2024年は9月6日から10日(現地時間)の日程で開催される。
今年で100周年のアニバーサリーイヤーを迎えるほど長い歴史を持つIFAだが、実は運営体制が少し前に新しくなったばかり。昨年2023年のIFAが、IFA Management運営による最初の開催だった。
当時、リントナー氏は主にオブザーバーという立場だったが、「実際に組織が立ち上がったのが1月で、開催まで8か月ほどしかありませんでした。一方で、時間がない中でも、各国の企業やメディアからは非常に高い関心を寄せてもらっていました」と振り返る。
結果的には、2023年のIFAには世界中から2,000社を超える出展があり、来場者も18万人超を集めた。成功に終わったと言ってもよい数字に思えるが、「様々な課題も見えました。オブザーバーという立場ではあったものの、学ぶところも多かったですね」とリントナー氏は語る。
そもそも、リントナー氏は近年のIFAに対して「変革が必要だと思っていた」とのこと。「IFAに関わる以前には、サムスンに15年、ソニーに5年在籍しており、出展する側からというか、外側からIFAを見ていました。そのなかで変革が必要だなと感じていたのです」という。
その変革への思いのひとつが、「IFAを文化的なイベントも組み込んだショーにすること」。ミュージシャンを招いてのコンサートをより盛大な形で復活させるなどで「カルチャーとテクノロジーが融合したイベントにしたいのです」と語る。
IFA会場であるメッセ・ベルリンには広大な中庭があり、屋外コンサート会場を設営すれば1万人規模の観客を収容可能。会期中には「サマーガーデン」と呼ばれ、コロナ禍以前は毎年コンサートが開かれていた。今年はブライアン・アダムスのライブを行うことがすでに発表されているが、そのほかにも様々なアーティストをブッキング予定だという。
世界中から様々なブランドが集まるIFAだが、日本のオーディオビジュアルファンにとっては、日本ブランドの参加状況も気になるところだろう。こうした海外イベントで新製品が先行発表されることも多いからだ。
リントナー氏は「まだ現時点(※取材は6月に実施)では最終的な出展契約を結ぶ時期ではありませんが」と前置きしつつ、「前回参加してくれたブランドは今年も概ね参加してくれると見込んでいます」とのこと。様々な日本企業と対話を続けるとともに、CEATECのエグゼクティブプロデューサーを務める鹿野 清氏とも深いつながりを保って日本企業のIFAへの参加を探っているという。
また、こういったイベントでは、販売店等のディーラーとの商談がメインで一般来場者はブースに入れないBtoBの側面が強いケースもたまに見られるが、「我々としては、ぜひエンドユーザーの皆さんにブランドのポートフォリオをアピールしてもらいたいと説得しているところです」と説明。「日本のブランドのイノベーティブな能力を、ぜひコンシューマーに披露してほしいと願っています」と語る。
こうした話し合いのなかで、例えばプロのクリエーターやインフルエンサーが撮影した写真を展示するフォトイベントを、ソニーがIFAで展開する案も出てきているとリントナー氏は紹介。パナソニックやシャープなどにも一般来場者向けの企画を行うよう呼びかけているという。
一方で、「例えばテレビ分野において、欧米ではソニーやパナソニックなどが少々停滞している感はあります」と市場状況にも言及。「しかし、彼らのような日本ブランドは非常に高い技術を持っていますし、ユーザーからの信頼も厚い。我々や欧州の業界関係者は日本企業を “眠れる巨人” と呼んだりすることもありますが、その高い能力をIFAでぜひエンドユーザーの方々示していただけるよう説得していきたいですね」と言葉を続けた。
前述のように、今年で100回目の開催を迎えるIFA。「IFA 100Moments」と題したユーザー向けのキャンペーンなど、 “100” にちなんだ展開も用意している。
リントナー氏は「この100年を振り返ると、その節目節目で日本の企業が様々なイノベーションを披露してきました。ソニーのウォークマンであったり、シャープの液晶ディスプレイ技術などです」と、日本企業の歩みにも言及。「日本企業のイノベーションは、日本のみならず、ヨーロッパやアジアなど世界各地で大きな影響力を持っていました」と言葉を続ける。
また、「この “AI時代” に、イノベーションがいかに生活を便利するかというタイミングがまさにやってきたということだと思います」とコメント。日本以外の地域の反応についても「すべての市場から好意的なフィードバックを受け、IFAへの大きな関心を感じています」とのことで、「2023年と比べて明らかな成長が見られることを予想しており、来場者、業界関係者、メディア、出展者数という点で、大きな伸びが見られる推測を立てています」という。
「100周年ということもあり、政財界からも各国のメディアからも非常に注目していただいています。コンシューマーの皆さんもぜひIFAに注目していただき、一緒に100周年をお祝いしていただけるとうれしいですね」と締めくくった。
「IFAを文化的なイベントも組み込んだショーにする」
IFAは、AV機器やガジェット、生活家電、IoT機器、オートモーティブなど様々なジャンルのブランドが世界各地から集う見本市。ベルリンにある巨大な展示会場「メッセ・ベルリン」をメインの舞台に、今年2024年は9月6日から10日(現地時間)の日程で開催される。
今年で100周年のアニバーサリーイヤーを迎えるほど長い歴史を持つIFAだが、実は運営体制が少し前に新しくなったばかり。昨年2023年のIFAが、IFA Management運営による最初の開催だった。
当時、リントナー氏は主にオブザーバーという立場だったが、「実際に組織が立ち上がったのが1月で、開催まで8か月ほどしかありませんでした。一方で、時間がない中でも、各国の企業やメディアからは非常に高い関心を寄せてもらっていました」と振り返る。
結果的には、2023年のIFAには世界中から2,000社を超える出展があり、来場者も18万人超を集めた。成功に終わったと言ってもよい数字に思えるが、「様々な課題も見えました。オブザーバーという立場ではあったものの、学ぶところも多かったですね」とリントナー氏は語る。
そもそも、リントナー氏は近年のIFAに対して「変革が必要だと思っていた」とのこと。「IFAに関わる以前には、サムスンに15年、ソニーに5年在籍しており、出展する側からというか、外側からIFAを見ていました。そのなかで変革が必要だなと感じていたのです」という。
その変革への思いのひとつが、「IFAを文化的なイベントも組み込んだショーにすること」。ミュージシャンを招いてのコンサートをより盛大な形で復活させるなどで「カルチャーとテクノロジーが融合したイベントにしたいのです」と語る。
IFA会場であるメッセ・ベルリンには広大な中庭があり、屋外コンサート会場を設営すれば1万人規模の観客を収容可能。会期中には「サマーガーデン」と呼ばれ、コロナ禍以前は毎年コンサートが開かれていた。今年はブライアン・アダムスのライブを行うことがすでに発表されているが、そのほかにも様々なアーティストをブッキング予定だという。
IFA2024、日本企業の参加状況は?
世界中から様々なブランドが集まるIFAだが、日本のオーディオビジュアルファンにとっては、日本ブランドの参加状況も気になるところだろう。こうした海外イベントで新製品が先行発表されることも多いからだ。
リントナー氏は「まだ現時点(※取材は6月に実施)では最終的な出展契約を結ぶ時期ではありませんが」と前置きしつつ、「前回参加してくれたブランドは今年も概ね参加してくれると見込んでいます」とのこと。様々な日本企業と対話を続けるとともに、CEATECのエグゼクティブプロデューサーを務める鹿野 清氏とも深いつながりを保って日本企業のIFAへの参加を探っているという。
また、こういったイベントでは、販売店等のディーラーとの商談がメインで一般来場者はブースに入れないBtoBの側面が強いケースもたまに見られるが、「我々としては、ぜひエンドユーザーの皆さんにブランドのポートフォリオをアピールしてもらいたいと説得しているところです」と説明。「日本のブランドのイノベーティブな能力を、ぜひコンシューマーに披露してほしいと願っています」と語る。
こうした話し合いのなかで、例えばプロのクリエーターやインフルエンサーが撮影した写真を展示するフォトイベントを、ソニーがIFAで展開する案も出てきているとリントナー氏は紹介。パナソニックやシャープなどにも一般来場者向けの企画を行うよう呼びかけているという。
一方で、「例えばテレビ分野において、欧米ではソニーやパナソニックなどが少々停滞している感はあります」と市場状況にも言及。「しかし、彼らのような日本ブランドは非常に高い技術を持っていますし、ユーザーからの信頼も厚い。我々や欧州の業界関係者は日本企業を “眠れる巨人” と呼んだりすることもありますが、その高い能力をIFAでぜひエンドユーザーの方々示していただけるよう説得していきたいですね」と言葉を続けた。
IFA 100周年。「節目節目で日本の企業が様々なイノベーションを披露してきた」
前述のように、今年で100回目の開催を迎えるIFA。「IFA 100Moments」と題したユーザー向けのキャンペーンなど、 “100” にちなんだ展開も用意している。
リントナー氏は「この100年を振り返ると、その節目節目で日本の企業が様々なイノベーションを披露してきました。ソニーのウォークマンであったり、シャープの液晶ディスプレイ技術などです」と、日本企業の歩みにも言及。「日本企業のイノベーションは、日本のみならず、ヨーロッパやアジアなど世界各地で大きな影響力を持っていました」と言葉を続ける。
また、「この “AI時代” に、イノベーションがいかに生活を便利するかというタイミングがまさにやってきたということだと思います」とコメント。日本以外の地域の反応についても「すべての市場から好意的なフィードバックを受け、IFAへの大きな関心を感じています」とのことで、「2023年と比べて明らかな成長が見られることを予想しており、来場者、業界関係者、メディア、出展者数という点で、大きな伸びが見られる推測を立てています」という。
「100周年ということもあり、政財界からも各国のメディアからも非常に注目していただいています。コンシューマーの皆さんもぜひIFAに注目していただき、一緒に100周年をお祝いしていただけるとうれしいですね」と締めくくった。
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