公開日 2014/07/11 10:00
マランツ、10万円のDSD対応USB-DAC搭載プリメインアンプ「PM7005」
デジタル・アイソレーション・システム搭載
マランツは、USB-DACを内蔵したプリメインアンプ「PM7005」を8月上旬に発売する。価格は100,000円(税抜)。
本機は5.6MHz/2.8MHz DSD、192kHz/24bit PCMの再生が可能なUSB-DAC、192kHz/24bitまでの入力に対応した同軸/光デジタル入力を搭載したプリメインアンプ。同社のネットワークプレーヤーやSACDプレーヤーなどUSB-DAC内蔵機器で培ったデジタル・アイソレーション・システムを搭載することなどによりノイズ対策を徹底し、アンプ部などアナログ回路への影響を抑えている。
アンプの定格出力は80W×2(4Ω)、60W×2(8Ω)。デジタル入力に加え、アナログ入力ももちろん搭載。アナログRCA入力を4系統、フォノ(MM)入力を1系統備えている。ヘッドホン出力も搭載する。
■5.6MHz DSDや192kHz/24bit PCMに対応のUSB-DACを搭載
DSD再生に対応したUSB-DACを搭載したことが大きな特徴。ASIOドライバーによるネイティブ再生とDoP(DSD over PCM)再生に対応しており、5.6MHz、2.8MHzのDSD再生が可能。PCMは192kHz/24bitまでの再生に対応する。PCとクロックを同期せず、PM7005本体のクロック回路で制御を行うアシンクロナスモードにも対応。PC側のジッターに左右されずに信号伝送を行える点がメリットだ。
USB-DACについては、Windows PCにおいては専用ドライバーのインストールが必要となる。対応OSはWindows Vista/7/8、Mac OSX 10.6.3以降となる。
同軸/光デジタル入力は各1系統を搭載し、最大192kHz/24bitのPCM信号に対応。入力信号は「ジッターリデューサー」によりジッターを低減した上で、DACへと送られる。各種オーディオ機器との組み合わせのほか、テレビやApple TV、ゲーム機などとの組み合わせが想定できる。
同社はこれまでもSACDプレーヤーやネットワークプレーヤーにUSB-DACを搭載してきたが、プリメインアンプにUSB-DACをはじめとしたデジタル入力を搭載するのは本機が初めて。ハイレゾ音源をはじめ、テレビやゲーム機など多彩な入力ソースに1台で対応できるアンプが、海外はもとより日本国内でも求められていることが背景にある。また、後述するデジタル・アイソレーション・システムにより、USB-DACがアンプ部に与える悪影響を抑えることが可能となったため、音質とデジタル入力の搭載を両立できたのだという。
DACチップは、シーラス・ロジック「CS4398」を搭載。これはNA8005やSA8005など、同社の上位ラインのネットワークプレーヤーやSACDプレーヤーにも採用されているDACチップだ。また、DACの近傍にクロックを配置することで精度の安定化を図っている。
クロック回路については、同社最上位のUSB-DAC/ネットワークプレーヤー「NA-11S1」と同等の超低位相雑音クリスタルを搭載。本機も44.1kHz系、48kHz系それぞれに専用のクリスタルを搭載することにより、入力信号のサンプリング周波数に応じて最適なクロックを供給することができる。
■USB-DAC内蔵アンプだからこそ徹底されたノイズ対策
本機はアンプ本体にUSB-DACを内蔵しているため、ネットワークプレーヤーやSACDプレーヤーなど以上に、PCなどから流入するノイズが音質に悪影響を与えることが懸念される。そこでマランツは、NA8005にも搭載された「デジタル・アイソレーション・システム」をPM7005にも搭載した。DSD信号の伝送にも対応するハイスピードなトランス結合タイプのアイソレーターICにより、PCとPM7005のデジタル回路を電気的に絶縁することで、音質に悪影響を与える高周波ノイズを排除したという。
デジタル入力だけではなく、PM7005はもちろんアナログ入力端子も搭載する。アナログ入力で音楽を再生する際には、デジタル部分の余計な干渉を排除するために「アナログモード」を搭載。オンにするとデジタル回路への電源供給を完全に停止させ、ノイズを抑制。さらに見通しの良い空間表現を実現できるという。またデジタル入力回路は、周辺回路へのノイズ輻射を遮断するため、専用のシールドケースに封入している。
ちなみに、マランツの上位SACDプレーヤーなどでは、ケースなどでデジタル回路やドライブメカを「あえて覆わない」ことで、開放的なサウンド傾向を目指す音作りを行うことが多い。しかしPM7005では、増幅回路を含むアナログ回路への影響がプレーヤーと比較にならないほど大きいことなどを鑑み、実際に測定上のノイズレベルも大幅に低減できたことから、この専用シールドケースを採用したという。
さらに、高周波ノイズのフィルタリング性能をもつEIコアトランスを採用し、電源からのノイズ混入を防いでいる。同社によると、この価格帯においては、トロイダルトランスよりはむしろEIトランスを採用した方が、ノイズ対策面では良好な結果が得られ、音質にも寄与できるのだという。
■上位モデル「PM8005」と同等の回路を搭載したアンプ部
もちろん、アンプ部についてはマランツらしいこだわりが満載されている。フルディスクリート構成の電流帰還型増幅回路をプリアンプ部とパワーアンプ部に採用し、左右チャンネルの等長、平行配置を徹底した回路構成を上位機種から継承。CD入力専用にHDAM SA2型の入力バッファーを搭載。入力信号を低インピーダンス化することで、L/Rチャンネル間、および各入力ソース間の相互干渉を防ぎ、オーディオ信号を忠実に伝送する。
メインの増幅回路には超ハイスルーレートを実現するHDAM SA2、HDAM SA3を各回路に実装。ハイスピードで超高域に至るまで優れたチャンネルセパレーションを備える電流帰還型プリアンプを実現している。
パワーアンプはHDAM SA3を実装した回路で構成され、徹底したハイスピード化と優れたスピーカー駆動力を誇っている。さらに、低歪みでS/N比に優れ、リニアリティの良いフェアチャイルド・セミコンダクター社のトランジスタを採用し、聴感上の駆動力や細かなディテールの表現力を向上させたという。
大型EIコアトランスで構成された電源回路も、従来機からさらに強化。ブロックコンデンサーには、上位モデルで開発されたノウハウをフィードバックしたマランツ専用カスタム品を採用し、大容量と高速な電源供給能力を両立させている。また、瞬時電流供給能力の向上のためにパワーアンプ用電源回路と出力段を一体化したショート・パワーライン・レイアウトを採用。大電流ラインを最短距離で結び、左右チャンネルを対称に配置している。
そのほか、音質検討を経て選ばれた同社カスタムのオーディオパーツを多数採用。プリアンプ用電源回路には3,300μFのオーディオ用コンデンサーを2個搭載。パワーアンプ用電源回路には上級機の思想のもとに開発した15,000μFの大容量コンデンサーを搭載する。また、高速のショットキーバリアダイオード、ノイズキラー素子など各所に上級機と同様の高品位パーツを採用している。
なお、PM7005は上位モデル「PM8005」と同じアンプ回路を搭載する。これはPM7005のアンプ部をPM8005と共通開発したため、実現したとのこと。物量面では、デジタル入力を搭載せずに135,975円(税抜)というプライスタグを付けたPM8005が当然優位となるが、上位機の開発成果をPM7005にそのまま導入することで、同じアンプ回路を搭載することが可能になったとのことだ。
上位機種にも搭載されているマランツオリジナルのスピーカーターミナル(SPKT-1)を装備。直径5mmまでのケーブルに対応。大型のスクリューで確実に固定することが可能で、Yラグ、バナナプラグにも対応する。真鍮削り出しのコア部には金メッキを施し、経年変化による音質の劣化を防止している。
CDに加え、PHONO入力端子にも金メッキピンジャックを採用。経年変化による音質の劣化を防止している。
主な仕様は以下の通り。定格出力(20Hz〜20kHz両チャンネル同時駆動)は60W×2(8Ω)、80W×2(4Ω)。全高調波歪率(20 Hz〜20 kHz両チャンネル同時駆動、8Ω負荷)は0.02、出力帯域幅(8Ω負荷、0.06 %)は5〜60kHz、周波数特性(CD、1 W、8Ω負荷)は5Hz〜100kHz ±3dB、ダンピングファクター(8Ω負荷、40Hz〜20kHz)は100。
消費電力は170W(待機時0.2W)。外形寸法は440W×125H×379Dmm、質量は10.0kg。
本機は5.6MHz/2.8MHz DSD、192kHz/24bit PCMの再生が可能なUSB-DAC、192kHz/24bitまでの入力に対応した同軸/光デジタル入力を搭載したプリメインアンプ。同社のネットワークプレーヤーやSACDプレーヤーなどUSB-DAC内蔵機器で培ったデジタル・アイソレーション・システムを搭載することなどによりノイズ対策を徹底し、アンプ部などアナログ回路への影響を抑えている。
アンプの定格出力は80W×2(4Ω)、60W×2(8Ω)。デジタル入力に加え、アナログ入力ももちろん搭載。アナログRCA入力を4系統、フォノ(MM)入力を1系統備えている。ヘッドホン出力も搭載する。
■5.6MHz DSDや192kHz/24bit PCMに対応のUSB-DACを搭載
DSD再生に対応したUSB-DACを搭載したことが大きな特徴。ASIOドライバーによるネイティブ再生とDoP(DSD over PCM)再生に対応しており、5.6MHz、2.8MHzのDSD再生が可能。PCMは192kHz/24bitまでの再生に対応する。PCとクロックを同期せず、PM7005本体のクロック回路で制御を行うアシンクロナスモードにも対応。PC側のジッターに左右されずに信号伝送を行える点がメリットだ。
USB-DACについては、Windows PCにおいては専用ドライバーのインストールが必要となる。対応OSはWindows Vista/7/8、Mac OSX 10.6.3以降となる。
同軸/光デジタル入力は各1系統を搭載し、最大192kHz/24bitのPCM信号に対応。入力信号は「ジッターリデューサー」によりジッターを低減した上で、DACへと送られる。各種オーディオ機器との組み合わせのほか、テレビやApple TV、ゲーム機などとの組み合わせが想定できる。
同社はこれまでもSACDプレーヤーやネットワークプレーヤーにUSB-DACを搭載してきたが、プリメインアンプにUSB-DACをはじめとしたデジタル入力を搭載するのは本機が初めて。ハイレゾ音源をはじめ、テレビやゲーム機など多彩な入力ソースに1台で対応できるアンプが、海外はもとより日本国内でも求められていることが背景にある。また、後述するデジタル・アイソレーション・システムにより、USB-DACがアンプ部に与える悪影響を抑えることが可能となったため、音質とデジタル入力の搭載を両立できたのだという。
DACチップは、シーラス・ロジック「CS4398」を搭載。これはNA8005やSA8005など、同社の上位ラインのネットワークプレーヤーやSACDプレーヤーにも採用されているDACチップだ。また、DACの近傍にクロックを配置することで精度の安定化を図っている。
クロック回路については、同社最上位のUSB-DAC/ネットワークプレーヤー「NA-11S1」と同等の超低位相雑音クリスタルを搭載。本機も44.1kHz系、48kHz系それぞれに専用のクリスタルを搭載することにより、入力信号のサンプリング周波数に応じて最適なクロックを供給することができる。
■USB-DAC内蔵アンプだからこそ徹底されたノイズ対策
本機はアンプ本体にUSB-DACを内蔵しているため、ネットワークプレーヤーやSACDプレーヤーなど以上に、PCなどから流入するノイズが音質に悪影響を与えることが懸念される。そこでマランツは、NA8005にも搭載された「デジタル・アイソレーション・システム」をPM7005にも搭載した。DSD信号の伝送にも対応するハイスピードなトランス結合タイプのアイソレーターICにより、PCとPM7005のデジタル回路を電気的に絶縁することで、音質に悪影響を与える高周波ノイズを排除したという。
デジタル入力だけではなく、PM7005はもちろんアナログ入力端子も搭載する。アナログ入力で音楽を再生する際には、デジタル部分の余計な干渉を排除するために「アナログモード」を搭載。オンにするとデジタル回路への電源供給を完全に停止させ、ノイズを抑制。さらに見通しの良い空間表現を実現できるという。またデジタル入力回路は、周辺回路へのノイズ輻射を遮断するため、専用のシールドケースに封入している。
ちなみに、マランツの上位SACDプレーヤーなどでは、ケースなどでデジタル回路やドライブメカを「あえて覆わない」ことで、開放的なサウンド傾向を目指す音作りを行うことが多い。しかしPM7005では、増幅回路を含むアナログ回路への影響がプレーヤーと比較にならないほど大きいことなどを鑑み、実際に測定上のノイズレベルも大幅に低減できたことから、この専用シールドケースを採用したという。
さらに、高周波ノイズのフィルタリング性能をもつEIコアトランスを採用し、電源からのノイズ混入を防いでいる。同社によると、この価格帯においては、トロイダルトランスよりはむしろEIトランスを採用した方が、ノイズ対策面では良好な結果が得られ、音質にも寄与できるのだという。
■上位モデル「PM8005」と同等の回路を搭載したアンプ部
もちろん、アンプ部についてはマランツらしいこだわりが満載されている。フルディスクリート構成の電流帰還型増幅回路をプリアンプ部とパワーアンプ部に採用し、左右チャンネルの等長、平行配置を徹底した回路構成を上位機種から継承。CD入力専用にHDAM SA2型の入力バッファーを搭載。入力信号を低インピーダンス化することで、L/Rチャンネル間、および各入力ソース間の相互干渉を防ぎ、オーディオ信号を忠実に伝送する。
メインの増幅回路には超ハイスルーレートを実現するHDAM SA2、HDAM SA3を各回路に実装。ハイスピードで超高域に至るまで優れたチャンネルセパレーションを備える電流帰還型プリアンプを実現している。
パワーアンプはHDAM SA3を実装した回路で構成され、徹底したハイスピード化と優れたスピーカー駆動力を誇っている。さらに、低歪みでS/N比に優れ、リニアリティの良いフェアチャイルド・セミコンダクター社のトランジスタを採用し、聴感上の駆動力や細かなディテールの表現力を向上させたという。
大型EIコアトランスで構成された電源回路も、従来機からさらに強化。ブロックコンデンサーには、上位モデルで開発されたノウハウをフィードバックしたマランツ専用カスタム品を採用し、大容量と高速な電源供給能力を両立させている。また、瞬時電流供給能力の向上のためにパワーアンプ用電源回路と出力段を一体化したショート・パワーライン・レイアウトを採用。大電流ラインを最短距離で結び、左右チャンネルを対称に配置している。
そのほか、音質検討を経て選ばれた同社カスタムのオーディオパーツを多数採用。プリアンプ用電源回路には3,300μFのオーディオ用コンデンサーを2個搭載。パワーアンプ用電源回路には上級機の思想のもとに開発した15,000μFの大容量コンデンサーを搭載する。また、高速のショットキーバリアダイオード、ノイズキラー素子など各所に上級機と同様の高品位パーツを採用している。
なお、PM7005は上位モデル「PM8005」と同じアンプ回路を搭載する。これはPM7005のアンプ部をPM8005と共通開発したため、実現したとのこと。物量面では、デジタル入力を搭載せずに135,975円(税抜)というプライスタグを付けたPM8005が当然優位となるが、上位機の開発成果をPM7005にそのまま導入することで、同じアンプ回路を搭載することが可能になったとのことだ。
上位機種にも搭載されているマランツオリジナルのスピーカーターミナル(SPKT-1)を装備。直径5mmまでのケーブルに対応。大型のスクリューで確実に固定することが可能で、Yラグ、バナナプラグにも対応する。真鍮削り出しのコア部には金メッキを施し、経年変化による音質の劣化を防止している。
CDに加え、PHONO入力端子にも金メッキピンジャックを採用。経年変化による音質の劣化を防止している。
主な仕様は以下の通り。定格出力(20Hz〜20kHz両チャンネル同時駆動)は60W×2(8Ω)、80W×2(4Ω)。全高調波歪率(20 Hz〜20 kHz両チャンネル同時駆動、8Ω負荷)は0.02、出力帯域幅(8Ω負荷、0.06 %)は5〜60kHz、周波数特性(CD、1 W、8Ω負荷)は5Hz〜100kHz ±3dB、ダンピングファクター(8Ω負荷、40Hz〜20kHz)は100。
消費電力は170W(待機時0.2W)。外形寸法は440W×125H×379Dmm、質量は10.0kg。
関連リンク
- ジャンルプリメインアンプ
- ブランドMARANTZ
- 型番PM7005
- 発売日2014年8月上旬
- 価格100,000円(税抜)
【SPEC】●定格出力(20Hz〜20kHz両ch同時駆動):60W×2(8Ω負荷)、80W×2(4Ω負荷) ●全高調波歪率(20Hz〜20kHz両ch同時駆動、8Ω負荷):0.02% ●周波数特性(CD、1W、8Ω負荷):5Hz〜100kHz ±3dB ●ダンピングファクター(8Ω負荷、40Hz〜20kHz):100 ●入力感度/入力インピーダンス:PHONO(MM)…2.0mV/47kΩ、CD/LINE…200mV/20kΩ ●S/N比(IHF Aネットワーク、8Ω負荷):PHONO(MM)…85dB(5mV入力、1W出力)、CD/TUNER/NETWORK/RECORDER…104dB(2V入力、定格出力) ●入力端子:デジタルオーディオ(USB-B,COAX,OPT各1)、アナログオーディオ×4、フォノ×1(MM) ●出力端子:スピーカー×1、RECアウト×1、ヘッドホン×1 ●その他入出力端子:USB(Type-B)×1、マランツリモートバス(RC-5)入出力×1 ●消費電力:170W(待機時0.2W) ●外形寸法:440W×125H×379Dmm ●質量:10kg