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公開日 2014/07/25 19:01

QUALIA JAPAN、スイスSTENHEIMのハイエンドスピーカー「ALUMINE」シリーズを発表

上位モデルはペア580万円
ファイル・ウェブ編集部 小澤貴信
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QUALIA JAPANは、スイスのハイエンドオーディオブランド「STENHEIM」(シュタンハイム)のスピーカーシステム「ALUMINE 3 WAY」および「ALUMINE 2 WAY」を発売した。

・「ALUMINE 3 WAY」 ¥5,800,000(ペア・税別)
・「ALUMINE 2 WAY」 ¥2,180,000(ペア・税別)

ALUMINE 2 WAY

ALUMINE 3 WAY

同社は過日に東京・丸の内の「USM Modular Furniture」にて製品発表会を開催。会場にはSTENHEIM社のCEOであるジャン・パスカル・パンシャー氏が来場し、「ALUMINE 3 WAY」にて再生デモを行いながら、ALUMINEシリーズについて詳細な解説を行った。

東京・丸の内の「USM Modular Furniture」にて製品発表会が開催された

STENHEIMのCEOであるジャン・パスカル・パンシャー氏

STENHEIMは2011年に設立されたスイスのブランド。スイス伝統の精密加工技術の伝統とクラフトマンシップ、最新の音響解析を活かした製品作りを行う姿勢で、これまでのスピーカー設計の礎を発展させてきたとのこと。今回発表されたALUMINEシリーズは、アルミニウム、真鍮、スチールという異なる材料を組み合わせた金属製エンクロージャーを採用。高度な制振性と機密性を有する筐体を実現させている。

「ALUMINE 2 WAY」はブックシェルフモデルで、本機にウーファー部“ALUMINE 3"を加えたのが「ALUMINE 3 WAY」となる。なお、ALUMINE 2 WAYをALUMINE 3 WAYにアップグレードすることが可能だ。アップグレード費用はALUMINE 3 WAYと本機の差額となる。

ALUMINE 3 WAYの上部が「ALUMINE 2 WAY」となる

パンシャー氏は、ALUMINEの最大の特徴は、筐体にアルミニウムのエンクロージャーを採用した点だとコメント。アルミの厚さは10mmで、フロントバッフルには厚さ15mmのアルミを用いている。筐体にアルミニウムを採用した最大の理由は、音に対する色付きを最小に抑えることができるからとのこと。木製キャビネットでは避けられない音色の色付きが、リジットなアルミ筐体なら解決でき、原音を忠実に再生することが可能になると説明していた。また、パンシャー氏は同社スピーカーのサウンド傾向について、「ライブなど臨場感のある音を得意としている」ともコメントしていた。

ALUMINE 2 WAYはフロントバスレフ型の小型2ウェイ・スピーカーで、165.1mm(6.5インチ)口径の高強度セルロース・ファイバーコーン・ウーファーと25.4mm(1インチ)ファブリックドーム・トゥイーターを搭載。本体にネジ止めする専用スタンドが付属する。スピーカー端子はシングルワイヤとなる。

ALUMINE 3 WAYは、ALUMINE 2 WAYにウーファーユニット“ALUMINE 3”を追加したモデル。フロントパネルに2つのバスレフポートを備え、単一ペアのドライバーより幅広い低域周波数応答を備えているという。ユニットは165.1mm(6.5インチ)口径の高強度セルロース・ファイバーコーン・ウーファーと、25.4mm(1インチ)ファブリックドーム・トゥイーターに加え、203mmポリプロピレンコーン・ウーファーを搭載する。

会場に設置されたALUMINE 3 WAY

ALUMINE 2 WAYのユニットについては、ウーファーにプロ用途のもの、トゥイーターにSEAS製のものを採用し、スムースな音の繋がりを目指したという。「ユニット選定には特に気を使っているが、それを活かせるのは伝導性が正確なアルミ筐体あってこそ」とパンシャー氏はコメントしていた。

ALUMINEシリーズの採用された各ユニット

“ALUMINE 3”のユニットは、本機用にカスタマイズされたSEAS製のもの使われている。2WAY部と同メーカーのプロ用途ユニットが使われなかった理由については、この3WAY部で求める特性をプロ用途ユニットに求めると、口径が30cmを超えてしまうため、別メーカーのものを採用するに至ったのだという。

同氏は、ALUMINE 3 WAYが、単にALUMINE 2 WAYにサブウーファーを足したというものではないとも説明。ウーファー部はALUMINE 2 WAYのウーファーユニットが再生できない30〜50Hzのみを担当し、各部の低域の繋がりの良さを追求した設計となっているという。

ALUMINE 2 WAYのネットワーク部には、空芯コイルが用いられている。ALUMINE 3 WAYのウーファー部のコイルについては、空芯を使いたかったものの、スペックを求めるとサイズが大きくなりすぎて筐体に収まらなくなってしまうため、220マイクロファラットのコイルが採用されたという。

ALUMINE 2 WAYのネットワーク(左)とALUMINE 3のネットワーク(右)

また、アルミ製のスピーカーは鳴らしづらいこともあり、他社製品はほとんど密閉型だが、本機はバスレフ型を採用している。フロントバスレフであるのは、設置性を重視したためとのことだ。

ALUMINE 2 WAYの仕様だが、再生周波数帯域は45Hz〜30kHz、能率は93dB SPL/2.83v/1m、インピーダンスは8Ω(最小6Ω)、外形寸法は230W×330H×275Dmm、質量は17kg/1本となる。

ALUMINE 3 WAYの仕様は、再生周波数帯域が30Hz〜30kHz(±3dB)、能率が93dB SPL/2.83v/1m、インピーダンスが8Ω(最小6Ω)、外形寸法が230W×1,115H×365Dmm、質量が91kg/1本となっている。

なお、会場に用意されたシステムは、同じくQUALIA JAPANが取り扱うLE SONのDAC/プリアンプである「LS001 - Streamer/DAC」と、パワーアンプ「LS002-AMPLIFER」。ソースについては、BUFFALOのハイエンドNAS「DELA」に保存した音源をStremer/DACから再生していた。

LE SON「LS001 - Streamer/DAC」

BUFFALOのハイエンドNAS「DELA」に保存した音源をStremer/DACから再生

STENHEIM社の設立の背景、そして各製品の開発の流れについても説明された。STENHEIMは2009年に、同じくスイスのGOLDMUNDのエンジニア4人がスピンアウトして興した会社なのだという。設立後に最初に発表されたのが「ALUMINE 2 WAY」で、2011年にはALUMINE 3 WAYが発表された。パンシャー氏は「GOLDMUNDのスピーカーと似ていると感じる方もいらっしゃるかもしれないが、構造、フィルター構成、ユニット、それぞれがGOLDMUNDのものとはまったく異なっている」とも述べていた。

ALUMINEシリーズについて詳細を説明するパンシャー氏

なお、パンシャー氏自身は2013年にSTENHEIMに合流したが、それ以前はスイスのハイエンドメーカーであるNAGRAに勤務していたとのことだ。

今回日本に導入されるALUMINE 3 WAYについては、2011年に発表されたものから仕様を変更した「MKII」モデルとのこと。具体的には、2WAY部とウーファー部の間のアルミニウム製の赤いプレートが、発表当初は傾斜が着いていなかったが、音響工学上の配慮から後に角度がつけられたのだという。なお、この部分はLE SONのデザイナーが設計を行ったという。

ALUMINE 2 WAYとALUMINE 3の間には角度をつけるためのアルミ製ボードが挟まれている

また、STENHEIMは2014年に入り、両機のさらに上位に位置するフラグシップモデル「REFERENCE」を発表し、ワールドワイドでのプロモーションを開始しているという。


USM Modular Furnitureの秋山社長
発表会の会場となったUSM Modular Furnitureは、スイス初の組み合わせ可能なシステムファニチャー「USM」を取り扱っている。同社の秋山社長も登場し、「今年は日本とスイスの国交樹立150周年にあたります。資源の少ない両国に共通するのは、高い機能性と優れたデザインを備える、長く使える製品を作り出すことができる点だと思います。高い技術とシンプルだからこそ飽きの来ない洗練されたデザインを持つという点は、STENHEIMとUSMそれぞれ共通していると思います」とコメントしていた。

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