公開日 2015/10/16 22:34
<音展>アコースティックラボ、「音が良くなる防音工事」について講演。工事依頼者の“生の声”も
音展2日目と3日目にも講演予定
AV機器メーカーが集うイベント「オーディオ・ホームシアター展2015(音展)」が10月16日より開幕した。オーディオフォンやミュージシャンなどに向けた防音工事や設計を行うアコースティックデザインシステム/アコースティックラボも出展し、「音が良くなる防音工事」についてのセミナーを開催するなどしている。
アコースティックデザインシステムは、レコーディングエンジニアなどプロ向けの音楽スタジオも手掛ける防音工事会社で、これまで何度かファイル・ウェブでもレポートしているように、“音がよい部屋”をつくるためのオーディオ/ホームシアターファン向け試聴イベント「Acoustic Audio Forum」を毎月開催している。なお、オーディオルームなどの設計を主に担当する会社として、先日に「アコースティックラボ」を立ち上げて活動を始めている。
今回の音展では、ブースを構えて過去のオーディオルーム施工例を紹介することに加え、同社代表の鈴木氏が来場者に向けた講演も実施。「防音工事をすると音が良くなるってホント? 〜論理的にご説明します〜」と銘打ち、“音が良くなる防音工事”のポイントを解説した。
鈴木氏はまず、直接音と間接音との関係性に言及。オーディオではスピーカーから出る直接音だけでなく、壁や天井、床などに反射した間接音も含めて聴いているのであり、一般的なリスニングルームでは、直接音より間接音のエネルギーのほうが大きいとコメント。「音が悪くなる原因は間接音が作っている」と、反射音に大きく関与する部屋そのものに気を使うべきだと説明する。
そして「部屋をきちんとつくれば、オーディオ的にはもうそれだけで100点満点中80点くらいのところに来たと言える。あとの20点はユーザー自身の好みでいろいろと楽しみながらつくっていけばいい」とコメント。オーディオやホームシアターにおける部屋の重要性を改めて語った。
講演ではここで、同社が手がけたオーディオルームの過去事例を紹介。その物件のオーナーであるディスクユニオンJazzTOKYOの生島店長も登場し、同社にオーディオルーム構築を依頼した背景や、部屋が完成してみての感想を打ち明けた。
生島氏は、家を新築するにあたって専用オーディオルームも設けることを決意。「いろんな会社に相談にいって、実際に音も聞かせてもらった。ただ、遮音性能は満たしてくれるんだけど音に満足できなかった」と、防音工事会社の選定に苦労したことを紹介。その末にアコースティックデザインシステムと出会ったのだという。
なお、「最初に相談したときに、まず部屋の広さや間取りを質問された。他の会社で最初に聞かれることはなかった」と、初期段階での対応が他の会社とは違っていたことを紹介。「最初に私が出した図面は『これでは意味が無いですよ』と突き返された。なんでそこまで言われるんだと思った(笑)」と、裏話も明かした。
そして、同社に防音工事を依頼した結果できあがった部屋について「前のシステムそのままなのに音がぜんぜん違った。同じスピーカーと思えないくらい朗々と鳴るようになった」とコメント。「インシュレーターやケーブルの効果が手に取るように分かってセッティングの追い込みがとても楽になる。機器の本当の姿が見えてきて、試行錯誤するようなことがなくなった」と、非常に満足している様子を見せた。
そんな生島氏の部屋は、「アナログレコードの再生を重視するとのことだったので、浮き床構造にするなど特に床からの振動対策には気を使った」(同社 草階氏)とのこと。オーディオ機器の振動を建物に伝えにくくするとともに、床からの振動がアナログプレーヤーに影響しないようにしたのだという。
また、他の部屋との間取りの関係で、オーディオルームは正方形に近い形とならざるを得なかったことも紹介。「定在波などの問題を考えると、本来は避けたい形状だが、壁一面にレコードを収納することでの吸音なども考慮しながら対策を講じた」という。
こうした生島氏の話を受けて、鈴木氏は「基本的なことをちゃんとできれば、それだけでかなりのレベルで音を楽しめるということだ」とコメント。「少し傲慢な言い方になるが、登山をするときに地図も持たずに2合目や3合目でウロウロしているような人に、我々は頂上までの地図を提示しているのだと思う」と、オーディオ的な観点からの正しい部屋づくりをナビゲートする自信を見せる。
では、そんな部屋づくりのために注意すべきポイントは何なのか。それについては「反射音に余計な周波数特性を与えないこと」だと鈴木氏は説明。防音工事で面密度を上げる(重くする)ことで面振動を抑え、寸法比率の適正化によって定在波を分散させることで、音が良くなると述べた。
そして最後に、こうしたことを実感できる場として前述の「Acoustic Audio Forum」を毎月開催していると紹介。次回は10月30日(金)と31日(土)に開催予定で、防音や調音に興味のある人はぜひ参加してみて欲しいと語った。
なお、同社は音展の2日目となる17日の11時45分〜12時30分、3日目18日の15時〜15時45分にも同様に講演を実施する。入場は無料で、事前の参加申し込み等も必要ない。ただし音展自体の参加登録は必要だが、当日受付も可能で、音展の参加も無料。
アコースティックデザインシステムは、レコーディングエンジニアなどプロ向けの音楽スタジオも手掛ける防音工事会社で、これまで何度かファイル・ウェブでもレポートしているように、“音がよい部屋”をつくるためのオーディオ/ホームシアターファン向け試聴イベント「Acoustic Audio Forum」を毎月開催している。なお、オーディオルームなどの設計を主に担当する会社として、先日に「アコースティックラボ」を立ち上げて活動を始めている。
今回の音展では、ブースを構えて過去のオーディオルーム施工例を紹介することに加え、同社代表の鈴木氏が来場者に向けた講演も実施。「防音工事をすると音が良くなるってホント? 〜論理的にご説明します〜」と銘打ち、“音が良くなる防音工事”のポイントを解説した。
鈴木氏はまず、直接音と間接音との関係性に言及。オーディオではスピーカーから出る直接音だけでなく、壁や天井、床などに反射した間接音も含めて聴いているのであり、一般的なリスニングルームでは、直接音より間接音のエネルギーのほうが大きいとコメント。「音が悪くなる原因は間接音が作っている」と、反射音に大きく関与する部屋そのものに気を使うべきだと説明する。
そして「部屋をきちんとつくれば、オーディオ的にはもうそれだけで100点満点中80点くらいのところに来たと言える。あとの20点はユーザー自身の好みでいろいろと楽しみながらつくっていけばいい」とコメント。オーディオやホームシアターにおける部屋の重要性を改めて語った。
講演ではここで、同社が手がけたオーディオルームの過去事例を紹介。その物件のオーナーであるディスクユニオンJazzTOKYOの生島店長も登場し、同社にオーディオルーム構築を依頼した背景や、部屋が完成してみての感想を打ち明けた。
生島氏は、家を新築するにあたって専用オーディオルームも設けることを決意。「いろんな会社に相談にいって、実際に音も聞かせてもらった。ただ、遮音性能は満たしてくれるんだけど音に満足できなかった」と、防音工事会社の選定に苦労したことを紹介。その末にアコースティックデザインシステムと出会ったのだという。
なお、「最初に相談したときに、まず部屋の広さや間取りを質問された。他の会社で最初に聞かれることはなかった」と、初期段階での対応が他の会社とは違っていたことを紹介。「最初に私が出した図面は『これでは意味が無いですよ』と突き返された。なんでそこまで言われるんだと思った(笑)」と、裏話も明かした。
そして、同社に防音工事を依頼した結果できあがった部屋について「前のシステムそのままなのに音がぜんぜん違った。同じスピーカーと思えないくらい朗々と鳴るようになった」とコメント。「インシュレーターやケーブルの効果が手に取るように分かってセッティングの追い込みがとても楽になる。機器の本当の姿が見えてきて、試行錯誤するようなことがなくなった」と、非常に満足している様子を見せた。
そんな生島氏の部屋は、「アナログレコードの再生を重視するとのことだったので、浮き床構造にするなど特に床からの振動対策には気を使った」(同社 草階氏)とのこと。オーディオ機器の振動を建物に伝えにくくするとともに、床からの振動がアナログプレーヤーに影響しないようにしたのだという。
また、他の部屋との間取りの関係で、オーディオルームは正方形に近い形とならざるを得なかったことも紹介。「定在波などの問題を考えると、本来は避けたい形状だが、壁一面にレコードを収納することでの吸音なども考慮しながら対策を講じた」という。
こうした生島氏の話を受けて、鈴木氏は「基本的なことをちゃんとできれば、それだけでかなりのレベルで音を楽しめるということだ」とコメント。「少し傲慢な言い方になるが、登山をするときに地図も持たずに2合目や3合目でウロウロしているような人に、我々は頂上までの地図を提示しているのだと思う」と、オーディオ的な観点からの正しい部屋づくりをナビゲートする自信を見せる。
では、そんな部屋づくりのために注意すべきポイントは何なのか。それについては「反射音に余計な周波数特性を与えないこと」だと鈴木氏は説明。防音工事で面密度を上げる(重くする)ことで面振動を抑え、寸法比率の適正化によって定在波を分散させることで、音が良くなると述べた。
そして最後に、こうしたことを実感できる場として前述の「Acoustic Audio Forum」を毎月開催していると紹介。次回は10月30日(金)と31日(土)に開催予定で、防音や調音に興味のある人はぜひ参加してみて欲しいと語った。
なお、同社は音展の2日目となる17日の11時45分〜12時30分、3日目18日の15時〜15時45分にも同様に講演を実施する。入場は無料で、事前の参加申し込み等も必要ない。ただし音展自体の参加登録は必要だが、当日受付も可能で、音展の参加も無料。