公開日 2017/10/04 13:00
パイオニア、ディスク再生に特化した最上位SACDプレーヤー「PD-70AE」。28万円
フルバランス構成/大型電源を搭載
オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパンは、パイオニアブランドより、ディスク再生に特化したSACDプレーヤー「PD-70AE」を10月下旬より発売する。価格は280,000円(税抜)。
パイオニアのトップエンドとなるSACDプレーヤー。近年の高級ディスクプレーヤーの多くが備えているUSB-DAC入力はあえて非搭載として、ディスク再生に特化。CD、SACDなどのディスク再生の音質を追求したとしている。
CD、SACD(2chエリア)の再生に対応。192kHz/24bit PCMや5.6MHz DSDなどのハイレゾを含む音楽ファイルを保存したCD-R/RW、DVD-R/RW、DVD+R/RWの再生も可能となっている。デジタル入力は光/同軸を1系統ずつ搭載。デジタル出力についても光/同軸を1系統ずつ備えている。アナログ出力はバランスXLR、アンバランスRCAを搭載する。
パイオニアの光ピックアップ制御技術を結集したという重量級ディスクドライブを搭載。D/Aコンバーターは「ES9026PRO」をL/R独立で合計2基搭載したツインDAC仕様とし、アナログ回路はフルバランス構成を採用した。電源にはデジタル/アナログ専用にそれぞれ大型EIトランスを搭載。シャーシも2重構造とするなど、クラスを超える物量を惜しみなく投入しており、質量は19.6kgとなる。
同社は発表に先立ってプレス向けに製品発表会を開催した。以下に発表会の内容も踏まえた本製品の詳細を紹介する。
■重量級・静音制振ドライブメカニズムを搭載
光ディスクプレーヤーの心臓部となるドライブメカニズムには、“重量級・静音制振ドライブメカニズム”を搭載。パイオニアが長年手がけてきた各種ディスクプレーヤーで培ってきた光ピックアップの制御技術やノウハウを結集して、高精度な信号読み取りを実現したという。
このドライブメカニズムは、制振黒塗装を施したハニカムメカカバーで覆ったシールド構造を採用。メタル製のカバーは表面をハニカム構造とすることで剛性を高め、さらに制振性を高める塗装で仕上げることで、振動対策を徹底している。
ドライブメカは高剛性鋼板によるメカベースに固定されている。メカとメカベースの間には、減衰性の高いパルプ素材を挟み込んだフローティング構造を採用。これによりドライブの内外に発生する振動を最小限に抑制。剛性化と静音性の両立を可能とした。ディスクトレイにはアルミダイキャストを採用。剛性を高めてドライブの動作をいっそう安定させている。
プレゼンテーションでは、パイオニアが長年のディスクプレーヤー開発を通じて、世界中の様々なコンディションのディスクから高精度に信号を読み取るノウハウを蓄積してきたことの蓄積は大きな資産で、それが本機にも最大限投入されたとアピールされた。
このようにドライブ部については、信号読み取りを徹底して高めるために様々な対策と物量の投入が行われているが、同時に静音性にもこだわったという。同社によれば「本機の圧倒的なS/Nを味わっていただくためにも、ディスク再生時の回転音が外部に漏れないよう工夫を重ねました」とのこと。
■ES9026PROを2基搭載。アナログ回路はフルバランス構成
D/Aコンバーター部は、L/Rの各チャンネルにESS Technology社の8ch DACチップ「ES9026PRO」を独立搭載したツインDAC構成を採用。各チャンネルをそれぞれ8chパラレル駆動として、高精度なD/A変換を実現。またL/Rの各chを独立して処理することでローノイズ化を達成。「クリアで抜けの良いサウンドでありながら、しっかりとした厚みのある再現力」の獲得を狙ったという。
ES9026PROの採用にあたっては、狙い通りの使いこなしができるまで徹底した開発検討が行われた。具体的には数値に表れないS/N感の向上やノイズの徹底排除を目指してチューニングを追い込んだという。タイミング的には先行して登場したネットワークプレーヤー「N-70AE」にもES9026PROは搭載可能だったが、使いこなしにまだ余地があると見送ったとのこと。満を持してPD-70AEへ、このDACチップが搭載された。
D/Aコンバーターから信号出力までのアナログ回路については、L/Rを独立させたフルバランス回路で構成。外部からの影響を排除した高品位伝送を実現した。同社「A-70A」(関連ニュース)をはじめ、バランス入力に対応したアンプとの接続においては、入力からアンプ出力までフルバランスでの伝送が可能。これにより伝送系の共通インピーダンスを抑えることができ、チャンネルセパレーションを一層高めることができるとしている。
RCA出力のオン/オフ機能も搭載。RCA出力を使用しない場合はその電源自体をオフにすることができ、XLR出力時のS/Nとセパレーションさらに高めることができる。このあたりからは、A-70AやN-70AEなどのラインナップの各製品で共通するバランス伝送へのこだわりが伺える。
オーディオ基板はフルバランス化すると共に、L/Rそれぞれの信号経路をパターンからパーツの配置に至るまで同一に設計。また、各信号経路を最短化できるように各基板とドライブが配置された。これらの施策によりL/Rの信号バランスが保たれ、より正確な音像、優れたセパレーションに寄与するとのこと。また、基礎となる基板については、材料のレベルから複数の試作と試聴を重ね、音質の吟味が行われた。
■デジタル/アナログ専用に大型EIトランスを搭載
デジタル回路、アナログ回路それぞれに専用のEI型トランス電源を搭載。各EIトランスの大きさが、下の画像をご覧いただけるとわかるだろう。加えて、両回路に安定した電源を供給する電源基板もデジタル回路/アナログ回路それぞれ専用にディスクリートで構成。さらに電源経路の最短化・最適化も徹底されている。
高音質カスタム電解コンデンサーも採用。ディスクならではの力強さとダイナミックさを余すことなく表現することを目指し、安定感の向上も狙ったという。
シャーシについては、より強固な2重構造とすることで高い制振性と低重心化を実現。また外来ノイズを遮断する磁性体鉄板を内側に配置したアルミサイドパネルを採用。細部にも内外からの振動を抑えるチューニングを施し、ノイズの発生を抑える安定性を獲得したという。
脚部には特殊形状インシュレーターを採用。内部構造の平行面をなくし、空洞共振を原理的に発生させないことで、音の定位や音数・音階がより明確になり、チャンネル間のシームレスなつながりや、俊敏な音へのレスポンスの向上に貢献している。
バランス出力端子については、試聴を重ねて独自に開発したオリジナル端子を採用。ピンアサインは2番HOT固定となる。バランス出力のオン/オフも可能。また、アナログRCA出力端子には、金メッキ削り出しタイプを装備している。
近年の同ブランドのオーディオ製品が搭載している「LOCK RANGE ADJUST」機能も装備。DACのロックレンジ幅を6段階で調整することで、より正確な信号再生による音質向上が行えるとする。
デジタルフィルターの切り替え機能も搭載。「SHARP」「SLOW」「SHORT」の3モードから選択が可能となっている。
■ハイレゾ音源を収録したデータディスクの再生に対応
本機はUSB-DAC入力は非搭載だが、音楽ファイルを保存したCD-R/RW、DVD-R/RW、DVD+R/RWの再生も可能。ハイレゾ音源を保存したデータディスクを再生することができる。楽曲名などをフロントパネルに日本語表示することも可能だ。
再生可能なファイルは5.6MHzおよび2.8MHzのDSD、192kHz/24bitまでのWAV、AIFF、FLAC、ALAC。ロッシー圧縮音源はAAC、MP3、WMAの再生に対応している。
周波数特性は2Hz〜50kHz(-3dB, SACD)、S/Nは116dB、全高調波歪率は0.002%以下。消費電力は38W(待機時0.3W)、外形寸法は435W×142H×413Dmm、質量は19.6kg。
パイオニアのトップエンドとなるSACDプレーヤー。近年の高級ディスクプレーヤーの多くが備えているUSB-DAC入力はあえて非搭載として、ディスク再生に特化。CD、SACDなどのディスク再生の音質を追求したとしている。
CD、SACD(2chエリア)の再生に対応。192kHz/24bit PCMや5.6MHz DSDなどのハイレゾを含む音楽ファイルを保存したCD-R/RW、DVD-R/RW、DVD+R/RWの再生も可能となっている。デジタル入力は光/同軸を1系統ずつ搭載。デジタル出力についても光/同軸を1系統ずつ備えている。アナログ出力はバランスXLR、アンバランスRCAを搭載する。
パイオニアの光ピックアップ制御技術を結集したという重量級ディスクドライブを搭載。D/Aコンバーターは「ES9026PRO」をL/R独立で合計2基搭載したツインDAC仕様とし、アナログ回路はフルバランス構成を採用した。電源にはデジタル/アナログ専用にそれぞれ大型EIトランスを搭載。シャーシも2重構造とするなど、クラスを超える物量を惜しみなく投入しており、質量は19.6kgとなる。
同社は発表に先立ってプレス向けに製品発表会を開催した。以下に発表会の内容も踏まえた本製品の詳細を紹介する。
■重量級・静音制振ドライブメカニズムを搭載
光ディスクプレーヤーの心臓部となるドライブメカニズムには、“重量級・静音制振ドライブメカニズム”を搭載。パイオニアが長年手がけてきた各種ディスクプレーヤーで培ってきた光ピックアップの制御技術やノウハウを結集して、高精度な信号読み取りを実現したという。
このドライブメカニズムは、制振黒塗装を施したハニカムメカカバーで覆ったシールド構造を採用。メタル製のカバーは表面をハニカム構造とすることで剛性を高め、さらに制振性を高める塗装で仕上げることで、振動対策を徹底している。
ドライブメカは高剛性鋼板によるメカベースに固定されている。メカとメカベースの間には、減衰性の高いパルプ素材を挟み込んだフローティング構造を採用。これによりドライブの内外に発生する振動を最小限に抑制。剛性化と静音性の両立を可能とした。ディスクトレイにはアルミダイキャストを採用。剛性を高めてドライブの動作をいっそう安定させている。
プレゼンテーションでは、パイオニアが長年のディスクプレーヤー開発を通じて、世界中の様々なコンディションのディスクから高精度に信号を読み取るノウハウを蓄積してきたことの蓄積は大きな資産で、それが本機にも最大限投入されたとアピールされた。
このようにドライブ部については、信号読み取りを徹底して高めるために様々な対策と物量の投入が行われているが、同時に静音性にもこだわったという。同社によれば「本機の圧倒的なS/Nを味わっていただくためにも、ディスク再生時の回転音が外部に漏れないよう工夫を重ねました」とのこと。
■ES9026PROを2基搭載。アナログ回路はフルバランス構成
D/Aコンバーター部は、L/Rの各チャンネルにESS Technology社の8ch DACチップ「ES9026PRO」を独立搭載したツインDAC構成を採用。各チャンネルをそれぞれ8chパラレル駆動として、高精度なD/A変換を実現。またL/Rの各chを独立して処理することでローノイズ化を達成。「クリアで抜けの良いサウンドでありながら、しっかりとした厚みのある再現力」の獲得を狙ったという。
ES9026PROの採用にあたっては、狙い通りの使いこなしができるまで徹底した開発検討が行われた。具体的には数値に表れないS/N感の向上やノイズの徹底排除を目指してチューニングを追い込んだという。タイミング的には先行して登場したネットワークプレーヤー「N-70AE」にもES9026PROは搭載可能だったが、使いこなしにまだ余地があると見送ったとのこと。満を持してPD-70AEへ、このDACチップが搭載された。
D/Aコンバーターから信号出力までのアナログ回路については、L/Rを独立させたフルバランス回路で構成。外部からの影響を排除した高品位伝送を実現した。同社「A-70A」(関連ニュース)をはじめ、バランス入力に対応したアンプとの接続においては、入力からアンプ出力までフルバランスでの伝送が可能。これにより伝送系の共通インピーダンスを抑えることができ、チャンネルセパレーションを一層高めることができるとしている。
RCA出力のオン/オフ機能も搭載。RCA出力を使用しない場合はその電源自体をオフにすることができ、XLR出力時のS/Nとセパレーションさらに高めることができる。このあたりからは、A-70AやN-70AEなどのラインナップの各製品で共通するバランス伝送へのこだわりが伺える。
オーディオ基板はフルバランス化すると共に、L/Rそれぞれの信号経路をパターンからパーツの配置に至るまで同一に設計。また、各信号経路を最短化できるように各基板とドライブが配置された。これらの施策によりL/Rの信号バランスが保たれ、より正確な音像、優れたセパレーションに寄与するとのこと。また、基礎となる基板については、材料のレベルから複数の試作と試聴を重ね、音質の吟味が行われた。
■デジタル/アナログ専用に大型EIトランスを搭載
デジタル回路、アナログ回路それぞれに専用のEI型トランス電源を搭載。各EIトランスの大きさが、下の画像をご覧いただけるとわかるだろう。加えて、両回路に安定した電源を供給する電源基板もデジタル回路/アナログ回路それぞれ専用にディスクリートで構成。さらに電源経路の最短化・最適化も徹底されている。
高音質カスタム電解コンデンサーも採用。ディスクならではの力強さとダイナミックさを余すことなく表現することを目指し、安定感の向上も狙ったという。
シャーシについては、より強固な2重構造とすることで高い制振性と低重心化を実現。また外来ノイズを遮断する磁性体鉄板を内側に配置したアルミサイドパネルを採用。細部にも内外からの振動を抑えるチューニングを施し、ノイズの発生を抑える安定性を獲得したという。
脚部には特殊形状インシュレーターを採用。内部構造の平行面をなくし、空洞共振を原理的に発生させないことで、音の定位や音数・音階がより明確になり、チャンネル間のシームレスなつながりや、俊敏な音へのレスポンスの向上に貢献している。
バランス出力端子については、試聴を重ねて独自に開発したオリジナル端子を採用。ピンアサインは2番HOT固定となる。バランス出力のオン/オフも可能。また、アナログRCA出力端子には、金メッキ削り出しタイプを装備している。
近年の同ブランドのオーディオ製品が搭載している「LOCK RANGE ADJUST」機能も装備。DACのロックレンジ幅を6段階で調整することで、より正確な信号再生による音質向上が行えるとする。
デジタルフィルターの切り替え機能も搭載。「SHARP」「SLOW」「SHORT」の3モードから選択が可能となっている。
■ハイレゾ音源を収録したデータディスクの再生に対応
本機はUSB-DAC入力は非搭載だが、音楽ファイルを保存したCD-R/RW、DVD-R/RW、DVD+R/RWの再生も可能。ハイレゾ音源を保存したデータディスクを再生することができる。楽曲名などをフロントパネルに日本語表示することも可能だ。
再生可能なファイルは5.6MHzおよび2.8MHzのDSD、192kHz/24bitまでのWAV、AIFF、FLAC、ALAC。ロッシー圧縮音源はAAC、MP3、WMAの再生に対応している。
周波数特性は2Hz〜50kHz(-3dB, SACD)、S/Nは116dB、全高調波歪率は0.002%以下。消費電力は38W(待機時0.3W)、外形寸法は435W×142H×413Dmm、質量は19.6kg。
トピック
- ジャンルSACDプレーヤー/トランスポート
- ブランドPIONEER
- 型番PD-70AE
- 発売日2017年10月下旬
- 価格280,000円(税抜)