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公開日 2022/06/11 13:55

<OTOTEN>ヤマハ「NS-2000A」初披露。ザイロン×スプルースの「ハーモニアス ダイアフラム」に注目

フロア型は約9年ぶり
編集部:押野 由宇
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国内最大級のオーディオ&ホームシアターイベント「OTOTEN 2022」が、本日6月11日と12日に渡り、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催されている。本稿では、同イベントから、日本初披露のスピーカー「NS-2000A」を用意したヤマハのブースの様子をレポートしたい。

「OTOTEN 2022」が6/11-12で開催。多くの来場者で賑わっている

同社ブースでは、“AVENTAGE” シリーズのフラグシップAVレシーバー「RX-A8A」を中心とした、11.2chのホームシアターシステムでのデモが実施された。

NS-2000Aも使用した11.2chシステムをRX-A8Aでドライブ

2021年5月に発表、そして9月に発売となったRX-A8Aは、イマーシブフォーマットであるAURO-3Dへの対応など、発売後もアップデートを続ける最上位機だ。コロナ禍のなかで発売を迎え、一時新規受注が停止となり、この4月から受注再開されたといった事情もあって、会場ではそのサウンドに高い関心が寄せられていた。

RX-A8A

同社のAVレシーバーが並べて展示された

さて、このRX-A8Aもさることながら、ブースで最も注目されたのは国内初お披露目となったフロア型スピーカー「NS-2000A」だ。グローバルでは独ハイエンドで発表されているが、日本での発表、音出しは本会場が初となる。

国内初お披露目となったNS-2000A

NS-2000Aは3ウェイ・4ユニットのフロア型スピーカーで、同社からフロア型が登場するのは2013年発売のNS-F901以来となる。「NS-5000」や「NS-3000」の技術と設計思想を継承しており、具体的には両スピーカーのユニットに使用されたザイロンを用いた「ハーモニアス ダイアフラム」を新開発し、全ユニットに採用する点を特徴とする。

すべてのユニットに新開発の「ハーモニアス ダイアフラム」を採用している

ザイロンは極めて強度の高い繊維素材で、音速がはやく、内部損失が大きいことから不要共振が抑えられるという特性がある。一方で、その強度から成形がしにくく、コストがかかるというデメリットもあった。

NS-5000やNS-3000ではこのザイロンを100%使用した振動板を開発していたが、今回NS-2000Aで採用するハーモニアス ダイアフラムでは、このザイロンとスプルースを混合しているのがポイントだ。これにより、ザイロンの特徴を活かしながら、成形しやすさを実現している。

またすべてのユニットに共通してハーモニアス ダイアフラムを用いることで、フロア型のマルチウェイスピーカーでありながら、フルレンジのような音色の揃った再現性を獲得した点も特徴だという。

ユニット構成はトゥイーター×1、ミッドレンジ×1、ウーファー×2で、それぞれの口径は明かされていない。バスレフポートは背面に1基。スピーカー端子はシングルワイヤリングで、これはバイワイヤリングにすると異なるアンプやケーブルを繋いだ際に、すべてのユニットを揃えたという本機の特性が損なわれてしまうことから、あえてシングルワイヤリングにこだわったとのことだ。

スピーカーの特徴を活かすため、シングルワイヤリングにこだわった

会場ではRX-A8Aによる11.2chシステムが組まれたが、このうち7本がNS-2000Aを使用する構成で、CDでの2チャンネル再生のほか、マルチチャンネルでのサウンドも確認することができる。

価格や発売日はまだ未定。型番からはNS-F901(22万円/税込)よりも上位に位置づけれると予想される。

そのほか、ブースでは同社が車載オーディオ向けに取り組む立体音響技術についても、説明展示が行われていた。室内にクルマを持ち込むわけにはいかず、そのものの音を体験することはできないが、その技術についての説明を受けながら、車載専用チューニングツール「Phitune」で位相を揃えた様子などのデモを、ヘッドホンで聴くことができるようになっている。

車室内で立体音響を実現する技術についての説明展示も行われている

なお、会場では常に音出しされているわけではなく、一日数回のイベントのタイミングでのみ音が確認できる。またブース内で仕切りが設けられており、そのイベント以外では近くで見ることができない。イベントは先着順となるため、興味のある方は早めの会場入りをオススメしたい。

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