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公開日 2005/03/07 18:27
「モノづくりのSONY」復活へ、ソニーが新経営体制発表記者会見を開催
ソニー(株)は本日緊急の記者会見を開催し、グループの新しい経営執行体制を発表した。本日同社が開催した臨時取締役会では、新しく会長兼グループCEOとしてハワード・ストリンガー氏が内定したほか、社長に中鉢良治氏、副社長に井原勝美氏が内定することが決議され、6月22日開催予定の同社定時株主総会を経て正式に新体制へと移行することが取り決められた。
本日開催された記者会見では、次の新しい人事体制が明らかにされた。
■代表執行役 会長 兼 グループCEO:ハワード・ストリンガー氏
(現取締役 執行役 副会長 兼COO/エンタテインメントビジネスグループ担当、ソニー・アメリカ会長 兼 CEO)
■代表執行役 社長 兼 エレクトロニクスCEO:中鉢良治氏
(現執行役 副社長 兼 COO/マイクロシステムズネットワークカンパニー、イーエムシーエス担当)
■代表執行役 副社長 兼 グループCFO:井原勝美氏
(現執行役 副社長 兼 グループCSO&CFO)
記者会見冒頭にはソニー現代表執行役 会長 兼 グループCEOである出井伸之氏が登壇し、今回の人事発表の経緯について語った。
はじめに今回、このタイミングでの経営体制改革が行われた背景について出井氏は「2005年はさらなる劇的なプロダクトイノベーションが予想され、あらゆる流れに加速するためにトップマネージメントを変更する必要があった」と述べた。「新体制への移行は正式には6月22日からだが、既に4月から新しい期に入っているので、オペレーションに関しては速やかに新体制でやってもらおうと思っている」とした。
ストリンガー氏は1997年からソニーの経営体制に加わり、エンターテインメントビジネスグループの責任者、ならびにソニー・コーポレーション・オブ・アメリカの会長としても活躍している。同氏についてコメントした出井氏は「私とは1997年から互いに厚い信頼関係を構築してきたパートナーだ。ストリンガー氏と二人で、東京・ニューヨークの間に信頼感のあるマネージメント関係をつくりあげ、経営のグローバル化に多大なる力を注いでもらった。ソニーの伝統と自由闊達な企業スピリットを深く理解されているストリンガー氏に、ユニークな発想と行動力で新しいマネージメントスタイルを築き上げて欲しい」と期待を語った。
出井氏は本年6月22日以降ソニーの最高顧問に就任し、新経営体制をサポートしていくこととなる。また、現取締役 代表執行役社長の安藤国威氏は、同社顧問に就任する。
自身のこれまでの成果を振り返って語った出井氏は「私自身はソニーの経営に10年たずさわって来ることができたが、今が交代の最良のタイミングだと感じている。新たに大役を任された皆さんにはいま、少なからぬとまどいがあるかもしれないが、ラグビーの好きな私から「ワン・フォー・オール オール・フォー・ワン」という言葉を贈りたい。これからチームワークを大切に頑張って欲しい。自分としては幾つかやり残したことがあり残念にも思うが、ソニーの変革する種を十分に蒔いてきたつもりだ。次世代のソニーへ、新たなページづくりができたことを誇りに思っている。次世代の社員には、激変の時代の中で、恐れずにグローバルな成長を目指して活躍して欲しい」とエールを贈った。
一方で新たな会長兼グループCEOに就任したストリンガー氏も緊張の面持ちながら、力強くその抱負を語った。今回の人事について「大変光栄に思う」と語り始めたストリンガー氏は「ソニーの一員となってから8年間。ソニーの中にとても偉大な経験の蓄積と、それを築き上げてきた優秀な人材のあることを思い知らされた。他の偉大な企業・組織がそうであるように、過去の成功にあぐらをかかず、時代の急速な変化の速度にあわせて進化するソニーを作り上げていきたい」と意気込みを語った。また、中鉢氏、井原氏と「一緒に仕事ができることはとても嬉しいことだ。ソニーのエキサイティングな時代の中で、しっかりとチームを組んでともに最強のソニーをつくって行きたい」と語り、一致団結の心構えを明らかにした。
またソニーの新社長に内定した中鉢氏も抱負を述べた。これまでソニーのモノづくりの最前線で手腕を発揮してきた中鉢氏は「グローバル化、ブロードバンドの時代に着実な布石をうってきた出井氏、安藤氏の成果を、私たちの時代で開花・結実させられるよう目指していきたい。ソニーはいま、商品力が衰えてしまったという見方もあるが、この難局におそれず立ち向かい、モノづくりに励んできた私の経験を活かして行きたい。“エレクトロニクスの復活なくして、ソニーの復活はない”というのが私のモットー。モノづくりの復活からソニーの復活へと導きたい。また社員がより広く・深いコミュニケーションができる環境を実現し、若い人たちが活躍できる場を提供して行きたい」と意欲を示した。
以下に本日の記者会見場で執り行われた質疑応答の一部をご紹介する。
Q:今回、新たな社長として久夛良木氏でなく、中鉢氏が内定した理由は
A:難しい質問だ。私としては比較はできないが、中鉢さんの良いところは「グッドリスナー」であるところだと思っている(出井氏)
Q:商品力が弱っていると言われているソニーだが、これをどう解決していくか
A:これまでソニーのモノづくりには消費者からの目線が欠けていた。ここで原点に経ちかえり、消費者を意識した製品をソニーとして作って行く必要があるだろう。また経営者としては現場を見る目が大事で、気配りをしていきたい(中鉢氏)
Q:ソニーは製造現場が強いという話は聞かないが、ソニーの復活はモノ作りということか
A:モノ作りという言葉は複合語。商品そのものの力は低化していることは否めない。マニュファクチャリングは元気だが、モノを作る部分はお客様になかなかお目にかけられない。脚光を浴びせることにより、真の競争力をつけていきたい(中鉢氏)
Q:ソニーは戦後日本の成長をシンボライズする企業であるが、今回外国人を会長として選んだ理由は
A:かつてソニーがハリウッドに進出したときは「日本の企業がアメリカの事業をマネージメントをできるわけがない」と言われたが、今ではソニーの活躍を不思議に思う環境はアメリカにはない。これはソニーが良い成果をあげていることの現れだと思う。ソニーはグローバルな企業。その企業を外国人だからマネージメントできないという理由はどこにもない。ストリンガー氏はむしろ、様々な文化との融合を果たして成長してきたソニーに適任の人物だと考えている。(出井氏)
Q:今後具体的にどのような計画をもってソニーを強くしていくつもりか
A:エレクトロニクスの復活を重視し、特にハードウェアに力をいれていきたい。ブランドチャンスをグローバルにつくりだし、ソニーのブランド力を強くしたい。またコンテンツとテクノロジーの上手な一体化も大きなテーマだ(ストリンガー氏)
【問い合わせ先】
ソニー(株)
03-5448-2111
(Phile-web編集部)
本日開催された記者会見では、次の新しい人事体制が明らかにされた。
■代表執行役 会長 兼 グループCEO:ハワード・ストリンガー氏
(現取締役 執行役 副会長 兼COO/エンタテインメントビジネスグループ担当、ソニー・アメリカ会長 兼 CEO)
■代表執行役 社長 兼 エレクトロニクスCEO:中鉢良治氏
(現執行役 副社長 兼 COO/マイクロシステムズネットワークカンパニー、イーエムシーエス担当)
■代表執行役 副社長 兼 グループCFO:井原勝美氏
(現執行役 副社長 兼 グループCSO&CFO)
記者会見冒頭にはソニー現代表執行役 会長 兼 グループCEOである出井伸之氏が登壇し、今回の人事発表の経緯について語った。
はじめに今回、このタイミングでの経営体制改革が行われた背景について出井氏は「2005年はさらなる劇的なプロダクトイノベーションが予想され、あらゆる流れに加速するためにトップマネージメントを変更する必要があった」と述べた。「新体制への移行は正式には6月22日からだが、既に4月から新しい期に入っているので、オペレーションに関しては速やかに新体制でやってもらおうと思っている」とした。
ストリンガー氏は1997年からソニーの経営体制に加わり、エンターテインメントビジネスグループの責任者、ならびにソニー・コーポレーション・オブ・アメリカの会長としても活躍している。同氏についてコメントした出井氏は「私とは1997年から互いに厚い信頼関係を構築してきたパートナーだ。ストリンガー氏と二人で、東京・ニューヨークの間に信頼感のあるマネージメント関係をつくりあげ、経営のグローバル化に多大なる力を注いでもらった。ソニーの伝統と自由闊達な企業スピリットを深く理解されているストリンガー氏に、ユニークな発想と行動力で新しいマネージメントスタイルを築き上げて欲しい」と期待を語った。
出井氏は本年6月22日以降ソニーの最高顧問に就任し、新経営体制をサポートしていくこととなる。また、現取締役 代表執行役社長の安藤国威氏は、同社顧問に就任する。
自身のこれまでの成果を振り返って語った出井氏は「私自身はソニーの経営に10年たずさわって来ることができたが、今が交代の最良のタイミングだと感じている。新たに大役を任された皆さんにはいま、少なからぬとまどいがあるかもしれないが、ラグビーの好きな私から「ワン・フォー・オール オール・フォー・ワン」という言葉を贈りたい。これからチームワークを大切に頑張って欲しい。自分としては幾つかやり残したことがあり残念にも思うが、ソニーの変革する種を十分に蒔いてきたつもりだ。次世代のソニーへ、新たなページづくりができたことを誇りに思っている。次世代の社員には、激変の時代の中で、恐れずにグローバルな成長を目指して活躍して欲しい」とエールを贈った。
一方で新たな会長兼グループCEOに就任したストリンガー氏も緊張の面持ちながら、力強くその抱負を語った。今回の人事について「大変光栄に思う」と語り始めたストリンガー氏は「ソニーの一員となってから8年間。ソニーの中にとても偉大な経験の蓄積と、それを築き上げてきた優秀な人材のあることを思い知らされた。他の偉大な企業・組織がそうであるように、過去の成功にあぐらをかかず、時代の急速な変化の速度にあわせて進化するソニーを作り上げていきたい」と意気込みを語った。また、中鉢氏、井原氏と「一緒に仕事ができることはとても嬉しいことだ。ソニーのエキサイティングな時代の中で、しっかりとチームを組んでともに最強のソニーをつくって行きたい」と語り、一致団結の心構えを明らかにした。
またソニーの新社長に内定した中鉢氏も抱負を述べた。これまでソニーのモノづくりの最前線で手腕を発揮してきた中鉢氏は「グローバル化、ブロードバンドの時代に着実な布石をうってきた出井氏、安藤氏の成果を、私たちの時代で開花・結実させられるよう目指していきたい。ソニーはいま、商品力が衰えてしまったという見方もあるが、この難局におそれず立ち向かい、モノづくりに励んできた私の経験を活かして行きたい。“エレクトロニクスの復活なくして、ソニーの復活はない”というのが私のモットー。モノづくりの復活からソニーの復活へと導きたい。また社員がより広く・深いコミュニケーションができる環境を実現し、若い人たちが活躍できる場を提供して行きたい」と意欲を示した。
以下に本日の記者会見場で執り行われた質疑応答の一部をご紹介する。
Q:今回、新たな社長として久夛良木氏でなく、中鉢氏が内定した理由は
A:難しい質問だ。私としては比較はできないが、中鉢さんの良いところは「グッドリスナー」であるところだと思っている(出井氏)
Q:商品力が弱っていると言われているソニーだが、これをどう解決していくか
A:これまでソニーのモノづくりには消費者からの目線が欠けていた。ここで原点に経ちかえり、消費者を意識した製品をソニーとして作って行く必要があるだろう。また経営者としては現場を見る目が大事で、気配りをしていきたい(中鉢氏)
Q:ソニーは製造現場が強いという話は聞かないが、ソニーの復活はモノ作りということか
A:モノ作りという言葉は複合語。商品そのものの力は低化していることは否めない。マニュファクチャリングは元気だが、モノを作る部分はお客様になかなかお目にかけられない。脚光を浴びせることにより、真の競争力をつけていきたい(中鉢氏)
Q:ソニーは戦後日本の成長をシンボライズする企業であるが、今回外国人を会長として選んだ理由は
A:かつてソニーがハリウッドに進出したときは「日本の企業がアメリカの事業をマネージメントをできるわけがない」と言われたが、今ではソニーの活躍を不思議に思う環境はアメリカにはない。これはソニーが良い成果をあげていることの現れだと思う。ソニーはグローバルな企業。その企業を外国人だからマネージメントできないという理由はどこにもない。ストリンガー氏はむしろ、様々な文化との融合を果たして成長してきたソニーに適任の人物だと考えている。(出井氏)
Q:今後具体的にどのような計画をもってソニーを強くしていくつもりか
A:エレクトロニクスの復活を重視し、特にハードウェアに力をいれていきたい。ブランドチャンスをグローバルにつくりだし、ソニーのブランド力を強くしたい。またコンテンツとテクノロジーの上手な一体化も大きなテーマだ(ストリンガー氏)
【問い合わせ先】
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(Phile-web編集部)