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公開日 2006/03/10 17:04

会田肇の“Wooo”「DZ-GX3300」連続レポート(2)話題の「秒撮」モードを試す

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DVDビデオカメラの良いところは、ディスクであることを活かした頭出し能力の高さにある。見たいシーンはサムネイルから選択するだけで再生が始まるわけで、この便利さを実感したらもう後戻りはできない。

●1秒で撮影を開始できる『秒撮』モードを搭載

だけど課題もある。それは電源を入れてから録画スタートまでの時間が、たとえばDV機に比べると多めにかかってしまう傾向にあることだ。これに対し、日立は新たに発売したDZ-GX3300をはじめとする06年モデルの『DVDカムWooo』でこの課題をクリアする新機能を搭載した。それが約1秒で撮影が開始できる『秒撮』モードである。


電源ON時に「秒撮」ボタンを押すとモニターやファインダーの電源が落ちた“半起動状態”となり、再びこのボタンか、録画スタートボタンを押すことで1秒で立ち上がる
この機能は、起動している状態で本体にある「秒撮」ボタンを押すことで、モニターやファインダーなどをOFF状態にしたのみの「半起動状態」のままとし、録画開始まで約1秒という素早い立ち上がりを実現したもの。実は従来機種もそれまでの約9秒から約6.5秒に短縮していたわけだが、新モデルではさらにその時間を縮めたのだ。この機能の搭載によって一度しかないチャンスを捉えやすくなるわけで、録画スタートまでの時間がかかっていたDVDカメラにとって大きな意味があると言える。

ただし、液晶モニターなどがOFFとなっているものの、内部回路は起動状態となっているために電力は通常使用時の約半分消費する。そのため、この状態が30分以上続いた場合にはバッテリーの無駄な消費を防止するために自動的に完全OFFされる仕組みとなっている。また、従来モデルと同様に電源をOFFとした状態でディスクを投入すると、ディスクの認識をあらかじめ行う『おまかせ認識』機能も搭載している。仮に電源を入れた状態でディスクを入れ替えた場合、認識時間はこれまで通り16秒を要するのも同じだ。

●撮影した動画から静止画を切り出しSDカードに保存

次に便利機能として搭載されたのが、動画から任意の静止画を切り出してSDメモリーカードに保存できる機能である。これまでと同様に静止画記録モードを備えてはいるが、この機能を使って一度だけのシャッターチャンスを上手に捉えるのは至難の業。そこで一度撮影した動画からコマ送りをしながら最適なワンシーンを切り出そうというものである。この時の画素数は31万画素レベルでしかないが、出掛けた先でプリントする程度なら結構使える。意外と重宝するかも知れない。

●これまでの操作系を継承、ディスクナビゲーションの表示も高速

基本的な操作系はこれまでのものを踏襲した格好となっている。電源スイッチはモードダイヤルと兼用するもので、動画撮影と静止画撮影を一つのダイヤルで操作できるのは使いやすい。撮影スタート/ストップボタンが、モードダイヤルの中央に配置されているのも同じだ。各種設定は本体左側にある円形のカーソルキーを使い、設定メニューなどの操作に利用するだけでなく、再生時のコントロールにもこのボタンを利用する。

左側面の円形コントロールキー。記録した映像の一覧を表示するには「ディスクナビゲーション」を押すだけでいい。「選択」ボタンが円形コントロールキーにあると便利だった

モニターを開くと表れる各種設定キー。露出設定や逆光補正のボタンの他、メニュー内容が簡略化される「かんたんメニュー」もここにある。ややボタン操作は硬めだ

再生や編集は「ディスクナビゲーション」機能を使い、作業を行っていく。左側面にある「ディスクナビゲーション」ボタンを押すと、モニター上にはディスク内の動画・静止画の一覧が表示され、円形のカーソルキーでコントロール可能となる。表示するたびにディスクから書き出す方法を採用しているため、一覧を表示するまでの時間はややかかるが、DVDカメラの中では最も表示が速く、12画面を一覧できるので検索性には優れている。

映像シーンを分割する際は、コマ送りで再生しながらポイントが探し出せるのがいい。「画面表示」ボタンを押してタイムコードなどを表示させると、ポイントがつかみやすくなる

映像を再生したりプレイリストを作る際は、チャプターごとにフェードイン/アウトをかけたり、再生しない映像をスキップすることも可能。これは静止画に対しても同様だ

記録した映像の編集は操作にやや慣れが必要だが、流れを覚えてしまえばすぐに使いこなせる。映像の分割もコマ送りを使ってポイントを決められるし、フェードイン/アウト、スキップなどの設定もメニューから簡単に設定できた。また、カメラに不慣れな人向けに「かんたんメニュー」も用意。機能が制限されて操作の階層も浅くなり、初心者には使いやすい機能といえるだろう。

(会田肇)

バックナンバー
第1回:「DVDカメラの完成形」の実力とは

会田肇 プロフィール
茨城県生まれ。明治大学政治経済学部卒。自動車雑誌編集者を経てフリーとなる。クルマ、スポーツ、旅行などアウトドアな趣味を多く持ち、アウトドア系オーディオビジュアルライターとしての第一人者。カー雑誌などでカーナビをはじめとするカーAVを中心とした取材、執筆に従事する一方で、ビデオカメラやデジタルカメラの批評活動を積極的に続けている。

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