HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2006/07/06 18:06
富士フイルムイメージング新体制、杉原和朗新社長が会見
会見を行った富士フイルムイメージングの新首脳陣。前列中央が代表取締役社長・杉原和朗氏、その右が執行役員・四宮啓司氏、左が執行役員・小島正彦氏 |
<代表取締役社長 杉原和朗氏>
「新体制で若返った。若さと行動力で取り組んでいく」と切り出した杉原社長。今後の基本姿勢として、「富士フイルムイメージング(以下FIC)の強みは、イメージング領域において、入力から出力まで、周辺機器に至る幅広い商品群と販売チャネルを持っていること。この豊富な商品群をきちんと提供し続けていくことが何より基本となる」と、同社の特長をアピールした。
「規模を追うより、利益指向の経営に取り組んでいきたい。FICのコアビジネスを活かすことができる領域をさらに伸長させるために全力投球する。例えばインターネットの世界でも、多くの写真がコミュニケーションツールとして活用されている。多様化する用途に対応するビジネスモデルを構築し、プリント需要を拡大することを最重要課題と考えている」と語り、そのためにも、「写真の楽しみ方やニューフォトスタイルの提案を、継続して次々と行っていくこと必要」との見方を示した。
フジフイルムの強みを活かし、お店プリントに加え、ホームプリント市場にも基盤づくりを行っていくことを言及。「新しい組織では、ダウントレンドの世界の中で、新規事業開発が重要課題のひとつ。積極的に展開し、新たな収益源を獲得していきたい。構造改革もまだ途上にある。スリムで筋肉質な会社を目指し、強く、明るい、未来に向かう会社として頑張っていきたい」と抱負を語り、あいさつを締めくくった。
<執行役員 営業本部長 四宮啓司氏>
次にあいさつに立った四宮氏は「これから留意していく点は3つある」と課題を挙げた。
「1つ目はこの一年、メーカー、卸、小売に激しい変化が起こり、何が起きてもびっくりしないような状況だが、この変化に当社がついていけているのか。半年遅れているのではないかと思う。これを同じ、いや、半年は進めていかないと、スピードの時代に生き残ることはむずかしい」と指摘した。「さらにそれにも増して、お客様が大きく変化している。お客様に接することができる窓口にできるだけ足を運ぶことが大切。直接、変化を把握することで、作業や決断をスピードアップしていかなければならない。企業としての動体視力に磨きをかけ、スピードアップに対応していく」。
2つ目に挙げたのが、写真文化に対する取り組み。同社では、初の試みとなる日本最大級の参加型写真展「『PHOTO IS』10,000人の写真展」を6月30日より全国7都市で開催している。6月30日から7月2日まで、第1弾となる東京会場での催しが行われた。同展には、予想を上回る、全国から1万3156点の応募があり、東京会場には、開催三日間で1万2000人もの来場者を集めた。「写真ファンの方がまだまだたくさんいらっしゃる。そうしたファンの方に写真のよさを伝えていくことが当社の理念。ただ、私どもだけでは無理。ベクトルが同じ販売店や団体と一緒になり、写真文化を守り、推進する活動に今まで以上に力を入れていきたい」。
3つ目として、現在のビジネス構造に対する課題を指摘。卸と小売、販社とメーカーが限られた利益を分け合うような従来型の構造を脱却し、市場の変化のチャンスに、「お客様に価値あるものを提供することで、お客様から利益を授かる構造に転換していきたい。お金は市場にある」と構造改革の必要性を指摘した。
<執行役員 営業本部次長兼ファインピックス営業部長 小島正彦氏>
執行役員に就任した小島氏は「今年に入ってからのデジタルカメラ市場は、当初前年比97〜98%と予測されていたが、出荷ベースではあるが、CIPAで5月度が対前年比118%、1-5月で118%と高水準で推移している。一昨年には同様な形で、その翌年に店頭在庫がだぶついてしまったが、どのメーカーも意欲的だ」と、デジカメ市場の近況を説明した。
「1-5月の360万台の内、デジタル一眼が6.4%を占める。昨年一年間では6.3%で、同水準で推移している。6月にはソニー、松下の参入もあり、メーカー出荷レベルでの数字は高くなる」と展望した。
堅調な市場に対してフジフイルムでは、昨年から展開する高感度シリーズが市場でも浸透。「シェア十数%、店頭でも存在感のあるブランドになった」とアピール。5月末にはISO3200を実現したF30を投入。「超高感度で撮ることで、早いシャッターで切ることができる。今まで撮れなかったものが撮れるようになり、新たな写真領域を拡大できたと、お客様からの評価も高まっている」と自信を見せた。
新イメージキャラクターに、人気タレントの蛯原友里さんを起用。新発売のZ3も店頭で好調な動きを示している。「今週、来週が最大のピークとなる夏商戦に、F30、Z3で頑張っていきたい」と力強く語った。
写真メーカーならではの特長ある商品で差別化を図るフジフイルム。高感度シリーズでは、「これまでは、撮りたいものが撮れなかった。しかし、高感度シリーズにより、撮りたいときに撮れる。また、シャッターを押せば撮れるようになった。販売店からも、お客様からも高い支持をいただいている。店頭では単価ダウンから、激烈を極めているが、お客様からの支持ある限り、いい商品を提供し続けていきたい」と、デジタルカメラの価値市場創造へ向け、その取り組みをさらに加速していく意欲を示した。(Senka21編集部)