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公開日 2007/06/18 14:26
<VGP2007SUMMER 特別金賞> パナソニック“VIERA”PZ700シリーズを読み解く3つのキーワード
■VIERAが2回連続の特別金賞を受賞
松下電器のプラズマテレビ“VIERA”PZ700シリーズ4機種が、「ビジュアルグランプリ2007SUMMER」特別金賞を受賞した。
前モデルのPZ600シリーズも、昨冬発表された「ビジュアルグランプリ2007」特別金賞を受賞しており、2回連続の特別金賞受賞は快挙と言えるだろう。
今回の特別金賞受賞モデル「TH-50PZ700SK」「TH-50PZ700」「TH-42PZ700SK」「TH-42PZ700」の4機種(関連ニュース)は、いずれもフルハイビジョンプラズマパネルを搭載。特に、実用化が難しいとされていた、42V型プラズマテレビでのフルハイビジョンパネル採用に大きな注目が集まった。
PZ700シリーズの画質について審査委員長の貝山知弘氏は、「バナソニックのプラズマテレビの強みは、明るい場所でも暗い場所でも、きちっとした明暗と色が表現でき、漆黒の表現が出来ることだ。また、液晶と比べると、観る角度にあまり左右されないので、大勢の家族でも鑑賞できる特徴がある。また、動きに対して敏感に反応するので、動画でもボケが生じないのが大きな特徴だ」と指摘する。
また、プラズマテレビは小型化向きではなく、フルハイビジョン化ともなると至難の業。42V型でそれを成し遂げたことについて、「同社の薄型テレビ技術が、ライバルをはるかに凌ぐ高い技術レベルにあることを裏付け、評価された」と審査委員の村瀬孝矢氏は説明する。
さらに新開発の「低反射クリアパネル」を搭載し、プラズマテレビの弱点とも言われてきた映り込みを抑えることに成功した。
だが、PZ700シリーズが特別金賞を受賞した理由は、画質の良さだけではない。新VIERAは“ヒューマンビエラ”というコンセプトを掲げており、使うものを第一に考えた設計思想が随所に盛り込まれている。この斬新な商品企画、そしてそのコンセプトを高次元で結実させた製品開発力に対しても、審査委員から一様に高い評価が集まった。
■“ヒューマンビエラ”を読み解く3つのキーワード
“ヒューマンビエラ”を読み解くキーワードは「使いやすさ」「健康」「環境」の3つ。順にご紹介していこう。
まず「使いやすさ」では、同社が積極的に推し進める「VIERA Link」機能を抜きにしては語れない。VIERAを中心に、DVDレコーダー“DIGA”やホームシアターシステム、ビデオカメラなどをHDMIケーブルで接続すると、VIERAのリモコン一つで複数機器の連動操作が行えるというものだ。操作が非常にシンプルになり、使いやすさの向上に大きく寄与する。また、各機器の電源をまとめて切ることができるので、後で説明するキーワード「環境」にも貢献する。
また使いやすさを高める機能では、SDメモリーカードを使った機器間の連携も重要だ。デジタルカメラ“LUMIX”で撮影したSDメモリーカードをVIERAに挿入すると、大画面で静止画表示が行えるほか、PZ700シリーズでは、SDビデオカメラで撮影したAVCHD方式の動画を、VIERAで再生できるようになった。静止画でも動画でも、再生する際にカメラとテレビをケーブルで接続する必要がないので、使い勝手は格段に向上する。
次に「健康」というキーワードについて見てみよう。家庭内でテレビが活躍する時間は非常に長い。テレビドラマや映画、スポーツなどは2時間を超えるものがざらにあり、この間、目はテレビから放たれた光を受け続けることになる。テレビが健康に与える影響は思いのほか大きいことがご理解頂けるだろう。
松下電器では、このようにテレビを長時間視聴する場合、プラズマテレビは目の疲れが少ない、と主張している。その理由として挙げているのが「動画解像度」。次世代PDP開発センター(APDC)が開発した指標で、動きのある映像を撮影した際の解像度を示すものだ。松下電器では、「人間の見た目の感覚に近い測定方法」と評価している。
液晶テレビは、ひとつのコマを表示した後、次のコマまで同じ映像を表示し続ける「ホールド型」という表示方式を採用している。これに対し、プラズマテレビでは発光セルが超高速で明滅を繰り返し、その積み重ねで映像を表示する。ホールド型では、動きの速い映像などの場合、前後のコマの映像が大きく変わるため動画ボケが発生しやすいが、プラズマテレビでは原理上、動画ボケがほとんど起きない。今回のPZ700シリーズでは動画解像度900本以上を達成しており、液晶テレビに比べて高い数値を実現している。動画ボケが少ないことで視覚疲労が抑えられ、その結果、見る者の健康を維持することができるというのが同社の主張である。
キーワードの3つめは「環境」。同社のプラズマテレビはもともと環境対策が厳しく行われており、環境負荷物質の使用は低く抑えられていたが、PZ700シリーズでは新たに「鉛フリー」化を実現した。これまで、同社のパネルは1枚あたり70g程度の鉛を使用していたが、新製品ではこれを完全にゼロにした。同社のプラズマパネル生産量から計算すると、年間約280トンもの鉛を削減できることになり、環境に与える負荷は大きく削減できる。
“ヒューマンビエラ”を読み解く3つのキーワードをご紹介したが、いかがだっただろうか。あくまで人間を中心に据えた商品コンセプトは、ある意味で当たり前とも言えるものだが、人間にまっすぐに向き合い、愚直に対策を講じ続けるのは簡単なことではない。同社が掲げる“ヒューマンビエラ”というコンセプトが、決して一過性のマーケティング策などではなく、丁寧かつまじめな取り組みの結晶であることがおわかりいただけたはずだ。
(Phile-web編集部)
松下電器のプラズマテレビ“VIERA”PZ700シリーズ4機種が、「ビジュアルグランプリ2007SUMMER」特別金賞を受賞した。
前モデルのPZ600シリーズも、昨冬発表された「ビジュアルグランプリ2007」特別金賞を受賞しており、2回連続の特別金賞受賞は快挙と言えるだろう。
今回の特別金賞受賞モデル「TH-50PZ700SK」「TH-50PZ700」「TH-42PZ700SK」「TH-42PZ700」の4機種(関連ニュース)は、いずれもフルハイビジョンプラズマパネルを搭載。特に、実用化が難しいとされていた、42V型プラズマテレビでのフルハイビジョンパネル採用に大きな注目が集まった。
PZ700シリーズの画質について審査委員長の貝山知弘氏は、「バナソニックのプラズマテレビの強みは、明るい場所でも暗い場所でも、きちっとした明暗と色が表現でき、漆黒の表現が出来ることだ。また、液晶と比べると、観る角度にあまり左右されないので、大勢の家族でも鑑賞できる特徴がある。また、動きに対して敏感に反応するので、動画でもボケが生じないのが大きな特徴だ」と指摘する。
また、プラズマテレビは小型化向きではなく、フルハイビジョン化ともなると至難の業。42V型でそれを成し遂げたことについて、「同社の薄型テレビ技術が、ライバルをはるかに凌ぐ高い技術レベルにあることを裏付け、評価された」と審査委員の村瀬孝矢氏は説明する。
さらに新開発の「低反射クリアパネル」を搭載し、プラズマテレビの弱点とも言われてきた映り込みを抑えることに成功した。
だが、PZ700シリーズが特別金賞を受賞した理由は、画質の良さだけではない。新VIERAは“ヒューマンビエラ”というコンセプトを掲げており、使うものを第一に考えた設計思想が随所に盛り込まれている。この斬新な商品企画、そしてそのコンセプトを高次元で結実させた製品開発力に対しても、審査委員から一様に高い評価が集まった。
■“ヒューマンビエラ”を読み解く3つのキーワード
“ヒューマンビエラ”を読み解くキーワードは「使いやすさ」「健康」「環境」の3つ。順にご紹介していこう。
まず「使いやすさ」では、同社が積極的に推し進める「VIERA Link」機能を抜きにしては語れない。VIERAを中心に、DVDレコーダー“DIGA”やホームシアターシステム、ビデオカメラなどをHDMIケーブルで接続すると、VIERAのリモコン一つで複数機器の連動操作が行えるというものだ。操作が非常にシンプルになり、使いやすさの向上に大きく寄与する。また、各機器の電源をまとめて切ることができるので、後で説明するキーワード「環境」にも貢献する。
また使いやすさを高める機能では、SDメモリーカードを使った機器間の連携も重要だ。デジタルカメラ“LUMIX”で撮影したSDメモリーカードをVIERAに挿入すると、大画面で静止画表示が行えるほか、PZ700シリーズでは、SDビデオカメラで撮影したAVCHD方式の動画を、VIERAで再生できるようになった。静止画でも動画でも、再生する際にカメラとテレビをケーブルで接続する必要がないので、使い勝手は格段に向上する。
次に「健康」というキーワードについて見てみよう。家庭内でテレビが活躍する時間は非常に長い。テレビドラマや映画、スポーツなどは2時間を超えるものがざらにあり、この間、目はテレビから放たれた光を受け続けることになる。テレビが健康に与える影響は思いのほか大きいことがご理解頂けるだろう。
松下電器では、このようにテレビを長時間視聴する場合、プラズマテレビは目の疲れが少ない、と主張している。その理由として挙げているのが「動画解像度」。次世代PDP開発センター(APDC)が開発した指標で、動きのある映像を撮影した際の解像度を示すものだ。松下電器では、「人間の見た目の感覚に近い測定方法」と評価している。
液晶テレビは、ひとつのコマを表示した後、次のコマまで同じ映像を表示し続ける「ホールド型」という表示方式を採用している。これに対し、プラズマテレビでは発光セルが超高速で明滅を繰り返し、その積み重ねで映像を表示する。ホールド型では、動きの速い映像などの場合、前後のコマの映像が大きく変わるため動画ボケが発生しやすいが、プラズマテレビでは原理上、動画ボケがほとんど起きない。今回のPZ700シリーズでは動画解像度900本以上を達成しており、液晶テレビに比べて高い数値を実現している。動画ボケが少ないことで視覚疲労が抑えられ、その結果、見る者の健康を維持することができるというのが同社の主張である。
キーワードの3つめは「環境」。同社のプラズマテレビはもともと環境対策が厳しく行われており、環境負荷物質の使用は低く抑えられていたが、PZ700シリーズでは新たに「鉛フリー」化を実現した。これまで、同社のパネルは1枚あたり70g程度の鉛を使用していたが、新製品ではこれを完全にゼロにした。同社のプラズマパネル生産量から計算すると、年間約280トンもの鉛を削減できることになり、環境に与える負荷は大きく削減できる。
“ヒューマンビエラ”を読み解く3つのキーワードをご紹介したが、いかがだっただろうか。あくまで人間を中心に据えた商品コンセプトは、ある意味で当たり前とも言えるものだが、人間にまっすぐに向き合い、愚直に対策を講じ続けるのは簡単なことではない。同社が掲げる“ヒューマンビエラ”というコンセプトが、決して一過性のマーケティング策などではなく、丁寧かつまじめな取り組みの結晶であることがおわかりいただけたはずだ。
(Phile-web編集部)