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公開日 2008/09/16 14:55
【詳報】三洋、倍速駆動対応シアター用プロジェクター「LP-Z3000」を発売
三洋電機(株)は、フルHD解像度のホームシアター用プロジェクター「LP-Z3000」を11月28日に発売する。価格は483,000円(税込)。本日、都内で本機の発表会が開催された。
LP-Z3000は、新世代のD7 C2FINEパネルを搭載し、倍速駆動に対応したフルHD解像度のホームシアター用プロジェクター。筐体の外観は前機種のLP-Z2000(関連ニュース)とほぼ同じだが、内部構造はシャーシや回路構成を含め、大幅に変更が加えられている。
倍速駆動では、60Hzの映像を入力した場合、補間フレームを生成して120Hz表示を行う。倍速表示はON/弱/中/強の4段階で設定が可能。なお、24pの映像を入力した場合は96Hzで表示する。
さらにWOWOWの映画番組など、もともと24フレームで撮影され、3:2プルダウンで表示された60Hz映像の場合、自動的に検知して24フレームにいったん戻し、それを5:5プルダウンで120Hz表示することも可能。一般的な6:4プルダウンでの倍速変換で発生するズレがなくなり、スムーズな動画再生が可能になる。なお、5:5プルダウンは「オート」と「オフ」の切換が可能で、オートの場合は前述の通り3:2プルダウンされた映像を自動検知し、5:5プルダウン操作を行う。オフの場合は通常の倍速処理を施す。
また、光学補償板を追加した新光学エンジンや、羽型のアイリスを新たに採用したことなどで、コントラスト比は65,000対1を実現した。アイリス機構の名称は「新バリアブルアイリス」で、従来の約2倍速で動作する、約1/60秒単位での制御が可能。
なおアイリスの制御は、輝度信号だけでなく、色信号も考慮して行っている。アイリスの動作音もZ2000に比べ非常に静かになったという。さらに色再現性能を高めるため、映像モードに連動して適用されるシネマカラーフィルターを搭載。色域をZ2000比で約110%に広げた。
短焦点レンズを搭載し、光学ズームは2倍。ズームは手動で操作する。レンズ構成はLP-Z2000と変わらないが、レンズシフトを使うことを前提に、超低分散EDレンズを3枚、非球面レンズを2枚搭載するなど新たなチューニングを施している。また新たに金属鏡筒を採用した。なお、Zシリーズの特徴であるレンズシフト調整幅の広さは本機も継承。上下±100%、左右±50%で調整が行える。
光源は165WのUHPランプで、輝度は1,200ルーメン(ダイナミックモード時)。静音性能については、LP-Z2000と同等の19デシベル(シアターブラックモード時)を確保している。
HDMI端子はVer.1.3bを2系統装備し、DeepColorやx.v.Colorの入力にも対応。D端子は省略され、ほかにRCAコンポーネント2系統、S端子、ビデオ端子、ミニD-Sub15ピン端子を各1系統備える。
映像モードは「ブリリアントシネマ」「クリエイティブシネマ」「ピュアシネマ」の3つのシネマモードのほか、「ナチュラル」「リビング」「ダイナミック」「x.v.Color」の計7モードを装備した。
また、映像調整機能も従来機種で好評だった「アドバンストモード」を搭載、アイリス動作やアイリス量など様々な設定値が変えられるほか、ガンマ調整では、RGBそれぞれ9つのポイントで15〜31段階の調整ができる。さらに、ポイントを選択すると調整を行う色成分のエリアが点滅する。そのほか、画面内の任意の位置を指定し、ほかの色に影響を与えずに彩度や色相、明度をかんたんに変更できる「3Dカラーマネジメント」機能も搭載する。
そのほか、Z2000で好評だった電動スライドシャッターなども踏襲。さらに、従来機種で好評の、パネルに付着したホコリをかんたんに取り除ける「ホコリメンテナンス」機能、また簡便にランプ交換やフィルター交換が行える設計など、メンテナンス性の高さもZ2000から継承している。
■エントリーモデル「LP-Z700」も登場
なお同社は、LP-Z3000の下位機にあたる「LP-Z700」も同時に発表した。10月10日に発売され、価格はオープンだが、30万円前後での販売が予想される。
D7世代の有機パネルを搭載したエントリーモデルという位置づけで、倍速駆動には対応していない。コントラスト比は10,000対1。
レンズやアイリス機構などはLP-Z2000と同様。ズーム倍率やレンズシフト量なども変わらない。また、輝度もZ3000と同じ1,200ルーメンとなる。なお、静音性能については、シアターブラックモード時で約21dBと、Z3000と比べ若干上がっている。
映像モードは、Z3000のモードから「ピュアシネマ」「x.v.Color」を省略し、計5モードを装備。映像調整では、Z3000の「アドバンストモード」「3Dカラーマネジメント」を踏襲している。映像端子類もZ3000と同等。HDMI Ver.1.3b端子を2系統装備し、DeepColorの入力が可能。x.v.Colorには対応していない。
■「三洋はプロジェクターのリーディングカンパニー」
本日行われた発表会では、冒頭、同社執行役員デジタルシステムカンパニー プロジェクター事業部長の吉年慶一氏が、同社のプロジェクター事業について説明を行った。
吉年氏は、同社製のビジネス用プロジェクターについて、「小型から大型までフルラインナップを揃えているのが特徴」とコメント。また、「1989年以来、高輝度や高解像度のプロジェクターを先駆けて投入してきた。特に2007年度から2008年度までは、業界最高輝度の製品や2灯式のプロジェクターなどを投入し、この9月に4枚のLCD搭載モデル「XP200L」も発売する」とも述べ、「三洋はプロジェクターのリーディングカンパニーだ」と胸を張った。
続いて吉年氏は2002年から発売しているホームシアター用プロジェクター、Zシリーズについても触れ、毎年様々なイノベーションを採り入れ、評価を得ていることを強調した。
フルHDプロジェクターの全世界需要動向については、「2007年は10万台足らずだったが、2008年は20万台、2009年は30万台、2010年は40万台と、毎年10万台ずつ伸びていくことが予想される」と、今後の市場拡大に自身を見せた。
Z3000の商品化にあたっては、Z2000のユーザーアンケート結果を精査し、方向性を決めたのだという。購入時に重視した機能では、フルHD対応が80%以上を占めて首位となったが、静音設計が60%、広範囲レンズシフトも55%程度となったことから、「快適性や設置性も重要視されている」と分析した。
また設置されている環境についてのアンケート結果では、リビングが50%程度と設置場所の中心である一方、シアター専用ルームや寝室を合計すると30%以上となり、「プライベートゾーンでの使用も拡大している」と述べた。
同社ではこれらの結果を受け、新製品に求められる仕様として、「映画だけでなくドラマやスポーツも高画質投映できること」、「黒が引き締まった高コントラスト映像」、「静かなシーンを妨げない静音化の実現」の3点を掲げ、LP-Z3000の開発を行ったのだという。
以下、発表会で行われた質疑応答を掲載する。
Q:先ほど世界市場の需要については説明があったが、国内マーケットの動向を教えて欲しい。
A:プロジェクターの国内需要は今年5万台を見込んでいる。世界市場では70万台の市場規模だ。ちなみに昨年は国内が5万台で今年と変わらず、世界は63万台だった。なお、ホームユースプロジェクターの世界市場規模は先ほどご説明したとおりで、2008年は20万台、2009年は30万台、2010年は40万台と、着実に伸びると考えている。
Q:倍速駆動を搭載して動画解像度が上がったという部分について、数字の裏付けがあれば教えて欲しい。
A:数値としてご紹介できるものは特にないが、デモでご覧いただいたとおり、倍速駆動することによって残像が抑えられ、なめらかな映像を実現できる。
【問い合わせ先】
サンヨーレインボーコール
TEL/0120-398634
(Phile-web編集部)
LP-Z3000は、新世代のD7 C2FINEパネルを搭載し、倍速駆動に対応したフルHD解像度のホームシアター用プロジェクター。筐体の外観は前機種のLP-Z2000(関連ニュース)とほぼ同じだが、内部構造はシャーシや回路構成を含め、大幅に変更が加えられている。
倍速駆動では、60Hzの映像を入力した場合、補間フレームを生成して120Hz表示を行う。倍速表示はON/弱/中/強の4段階で設定が可能。なお、24pの映像を入力した場合は96Hzで表示する。
さらにWOWOWの映画番組など、もともと24フレームで撮影され、3:2プルダウンで表示された60Hz映像の場合、自動的に検知して24フレームにいったん戻し、それを5:5プルダウンで120Hz表示することも可能。一般的な6:4プルダウンでの倍速変換で発生するズレがなくなり、スムーズな動画再生が可能になる。なお、5:5プルダウンは「オート」と「オフ」の切換が可能で、オートの場合は前述の通り3:2プルダウンされた映像を自動検知し、5:5プルダウン操作を行う。オフの場合は通常の倍速処理を施す。
また、光学補償板を追加した新光学エンジンや、羽型のアイリスを新たに採用したことなどで、コントラスト比は65,000対1を実現した。アイリス機構の名称は「新バリアブルアイリス」で、従来の約2倍速で動作する、約1/60秒単位での制御が可能。
なおアイリスの制御は、輝度信号だけでなく、色信号も考慮して行っている。アイリスの動作音もZ2000に比べ非常に静かになったという。さらに色再現性能を高めるため、映像モードに連動して適用されるシネマカラーフィルターを搭載。色域をZ2000比で約110%に広げた。
短焦点レンズを搭載し、光学ズームは2倍。ズームは手動で操作する。レンズ構成はLP-Z2000と変わらないが、レンズシフトを使うことを前提に、超低分散EDレンズを3枚、非球面レンズを2枚搭載するなど新たなチューニングを施している。また新たに金属鏡筒を採用した。なお、Zシリーズの特徴であるレンズシフト調整幅の広さは本機も継承。上下±100%、左右±50%で調整が行える。
光源は165WのUHPランプで、輝度は1,200ルーメン(ダイナミックモード時)。静音性能については、LP-Z2000と同等の19デシベル(シアターブラックモード時)を確保している。
HDMI端子はVer.1.3bを2系統装備し、DeepColorやx.v.Colorの入力にも対応。D端子は省略され、ほかにRCAコンポーネント2系統、S端子、ビデオ端子、ミニD-Sub15ピン端子を各1系統備える。
映像モードは「ブリリアントシネマ」「クリエイティブシネマ」「ピュアシネマ」の3つのシネマモードのほか、「ナチュラル」「リビング」「ダイナミック」「x.v.Color」の計7モードを装備した。
また、映像調整機能も従来機種で好評だった「アドバンストモード」を搭載、アイリス動作やアイリス量など様々な設定値が変えられるほか、ガンマ調整では、RGBそれぞれ9つのポイントで15〜31段階の調整ができる。さらに、ポイントを選択すると調整を行う色成分のエリアが点滅する。そのほか、画面内の任意の位置を指定し、ほかの色に影響を与えずに彩度や色相、明度をかんたんに変更できる「3Dカラーマネジメント」機能も搭載する。
そのほか、Z2000で好評だった電動スライドシャッターなども踏襲。さらに、従来機種で好評の、パネルに付着したホコリをかんたんに取り除ける「ホコリメンテナンス」機能、また簡便にランプ交換やフィルター交換が行える設計など、メンテナンス性の高さもZ2000から継承している。
■エントリーモデル「LP-Z700」も登場
なお同社は、LP-Z3000の下位機にあたる「LP-Z700」も同時に発表した。10月10日に発売され、価格はオープンだが、30万円前後での販売が予想される。
D7世代の有機パネルを搭載したエントリーモデルという位置づけで、倍速駆動には対応していない。コントラスト比は10,000対1。
レンズやアイリス機構などはLP-Z2000と同様。ズーム倍率やレンズシフト量なども変わらない。また、輝度もZ3000と同じ1,200ルーメンとなる。なお、静音性能については、シアターブラックモード時で約21dBと、Z3000と比べ若干上がっている。
映像モードは、Z3000のモードから「ピュアシネマ」「x.v.Color」を省略し、計5モードを装備。映像調整では、Z3000の「アドバンストモード」「3Dカラーマネジメント」を踏襲している。映像端子類もZ3000と同等。HDMI Ver.1.3b端子を2系統装備し、DeepColorの入力が可能。x.v.Colorには対応していない。
■「三洋はプロジェクターのリーディングカンパニー」
本日行われた発表会では、冒頭、同社執行役員デジタルシステムカンパニー プロジェクター事業部長の吉年慶一氏が、同社のプロジェクター事業について説明を行った。
吉年氏は、同社製のビジネス用プロジェクターについて、「小型から大型までフルラインナップを揃えているのが特徴」とコメント。また、「1989年以来、高輝度や高解像度のプロジェクターを先駆けて投入してきた。特に2007年度から2008年度までは、業界最高輝度の製品や2灯式のプロジェクターなどを投入し、この9月に4枚のLCD搭載モデル「XP200L」も発売する」とも述べ、「三洋はプロジェクターのリーディングカンパニーだ」と胸を張った。
続いて吉年氏は2002年から発売しているホームシアター用プロジェクター、Zシリーズについても触れ、毎年様々なイノベーションを採り入れ、評価を得ていることを強調した。
フルHDプロジェクターの全世界需要動向については、「2007年は10万台足らずだったが、2008年は20万台、2009年は30万台、2010年は40万台と、毎年10万台ずつ伸びていくことが予想される」と、今後の市場拡大に自身を見せた。
Z3000の商品化にあたっては、Z2000のユーザーアンケート結果を精査し、方向性を決めたのだという。購入時に重視した機能では、フルHD対応が80%以上を占めて首位となったが、静音設計が60%、広範囲レンズシフトも55%程度となったことから、「快適性や設置性も重要視されている」と分析した。
また設置されている環境についてのアンケート結果では、リビングが50%程度と設置場所の中心である一方、シアター専用ルームや寝室を合計すると30%以上となり、「プライベートゾーンでの使用も拡大している」と述べた。
同社ではこれらの結果を受け、新製品に求められる仕様として、「映画だけでなくドラマやスポーツも高画質投映できること」、「黒が引き締まった高コントラスト映像」、「静かなシーンを妨げない静音化の実現」の3点を掲げ、LP-Z3000の開発を行ったのだという。
以下、発表会で行われた質疑応答を掲載する。
Q:先ほど世界市場の需要については説明があったが、国内マーケットの動向を教えて欲しい。
A:プロジェクターの国内需要は今年5万台を見込んでいる。世界市場では70万台の市場規模だ。ちなみに昨年は国内が5万台で今年と変わらず、世界は63万台だった。なお、ホームユースプロジェクターの世界市場規模は先ほどご説明したとおりで、2008年は20万台、2009年は30万台、2010年は40万台と、着実に伸びると考えている。
Q:倍速駆動を搭載して動画解像度が上がったという部分について、数字の裏付けがあれば教えて欲しい。
A:数値としてご紹介できるものは特にないが、デモでご覧いただいたとおり、倍速駆動することによって残像が抑えられ、なめらかな映像を実現できる。
【問い合わせ先】
サンヨーレインボーコール
TEL/0120-398634
(Phile-web編集部)
関連リンク
- ブランドSANYO
- 型番LP-Z3000
- 発売日2008年11月28日
- 価格¥483,000(税込)
【SPEC】●液晶パネル:C2FINE 倍速駆動タイプ ●画素数:1920×1080画素 ●投映レンズ:手動ズーム(1〜2.0倍)、f=22.6〜45.3mm、F2.0〜F3.0 ●光源:165W UHPランプ ●明るさ:1200lm ●コントラスト比:65,000対1 ●騒音レベル:約19dB ●映像入力:HDMI×2、コンポーネント色差×2、S映像×1、コンポジット×1、PC入力×1 ●消費電力:257W ●外形寸法:400W×146H×346Dmm ●質量:7.5kg
- ブランドSANYO
- 型番LP-Z700
- 発売日2008年10月10日
- 価格¥OPEN(予想実売価格300,000円前後)
【SPEC】●液晶パネル:D7 有機液晶タイプ ●画素数:1920×1080画素 ●投映レンズ:手動ズーム(1〜2.0倍)、f=22.6〜45.3mm、F2.0〜F3.0 ●光源:165W UHPランプ ●明るさ:1200lm ●コントラスト比:10,000対1 ●騒音レベル:約21dB ●映像入力:HDMI×2、コンポーネント色差×2、S映像×1、コンポジット×1、PC入力×1 ●消費電力:246W ●外形寸法:400W×146H×346Dmm ●質量:7.5kg