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公開日 2008/09/30 19:29
<CEATEC2008:東芝>立て掛けタイプの“REGZA”プロトタイプや“Cell TV”の新UIを展示
東芝は、AV機器関連エリアと半導体ゾーンの2箇所にブースを設け、同社の最新製品やデバイスモジュールの展示を行っている。
会場のメインエントランスには、先日発表されたばかりの超解像技術を搭載した“REGZA”を初めとする液晶テレビの各ラインナップが展示されている。特に超解像技術“レゾリューションプラス”については、フラグシップであるZH7000/Z7000シリーズのデモ機を使った特設展示ブースを設けるなど、力の入った紹介が行われている。
“REGZA”の実機によるテレビ周りの技術・サービス展示のコーナーには、参考出展として、ヤフーが開発を進めるテレビ向けのブロードバンド動画配信のコンセプト展示も紹介されている。こちらはデモのために用意された9チャンネルの動画コンテンツにより、サービスのイメージを見ることができる。サービスではストリーミング配信される動画を専用のブラウザで視聴するスタイルが紹介されているが、実際に配信される動画コンテンツのクオリティがHDになるかSDになるか、またはサービスモデルがダウンロードになるかストリーミングになるかなどについては、今のところ決まっていない(ヤフー説明員)。動画のコンテンツプロバイダーについても、これからパートナーシップを確立していく段階であるという。なおヤフーの説明員によれば、本サービスが今後いつスタートするのか、あるいは東芝をはじめ、どのメーカーとパートナーを組んで実現されるのかなどについても今のところ未定であるとのことだ。
■立て掛けタイプの“REGZA”試作機 − 内蔵記録媒体にはSSDを採用
“REGZA”に関連する展示として、特に注目を集めていたのが「立て掛けタイプ」の設置に対応するデザインコンセプトモデル。今回はCEATEC JAPANでの展示のために試作された52V型のプロトタイプがお披露目された。
同社の提案は、薄型テレビを「壁掛け」したり、「壁寄せ」するのではなく、本体を壁面に対して「立て掛ける」かたちでレイアウトするというユニークなアイデアを採用。フレーム部分など全体を鏡面仕上げとしている。液晶画面部の下には煌びやかなLEDを配置し、テレビ画面が消えるとLEDが点灯するゴージャスなデザインが特徴的だ。本機のデザインを担当した(株)東芝 デザインセンター デジタルプロダクツデザイン担当 参事の佐川崇氏に、本機のデザインの魅力について訊ねた。前面パネルの素材にはガラスが使われており、透明感のあるスタイリッシュなデザインに仕上げられている。デザインのコンセプトから実機化する上では「大判のガラスをカットして本機のデザインに仕上げることが実際にはとても難しかった」そうだ。また鏡面仕上げの本体への写り込みが映像に影響を及ぼさないように、全体のデザインにも気が配られているという。パネル最薄部の厚さは5mmとし、側面から本体を見ると、とてもすっきりとしたデザインに仕上げられており、デザインコンシャスなリビングに違和感なく設置ができそうだ。また本体は「立て掛けタイプ」のデザインを採用しているが、実際は奥行きの確保された底部が床面にしっかりと固定されるため、設置の安定性についても問題は無いという。
また、この「立て掛けタイプ」の“REGZA”試作機は、内蔵記憶装置にフラッシュメモリタイプを用いた、64GBのSSD(Solid State Drive)が搭載されている点も注目すべきポイントだ。SSDについては、同社のノートPC「dynabook SS RX1」シリーズにも採用され、既に商品化されているが、今回はプロトタイプの液晶テレビに初めて実験的に採用された。SSDの特徴は、SATAやPCIなど既存HDDとのインターフェース互換が確保されていながら、耐衝撃性能やデータ転送sくど、省電力性能などに優れているところ。同社が半導体ゾーンに出展するブースでは、2.5インチケースタイプやフラッシュモジュールなど様々な小型SSDのラインナップや、最大256GBまでの容量展開などが紹介されている。
なお、今回紹介された試作機について、展示説明員によれば具体的な商品化の計画はまだ決まっていないということだが、薄型モデルの「立て掛け」レイアウトや、SSDの展開など、今後の“REGZA”の進化にも活かされそうな提案には注目したいところだ。
■Cell TVは新しいユーザーインターフェースを紹介
同社が2009年秋の発売を表明している、Cell Broadband Engine(Cell B.E.)搭載の薄型テレビ、通称「Cell TV」については今回のCEATEC JAPANにおいてもデモ機が展示された。
デモの内容については、先頃液晶テレビ“REGZA”の新製品発表会(関連ニュース)で紹介された、「熟成超解像処理」や48個のSD映像を1画面で同時再生する展示など、内容はほぼ同一のものとなっている。一部、地上デジタル放送の超高速チャンネル切り替えについて、アップデートされた新しいユーザーインターフェースが紹介され、高速処理が可能なCell TVならではの機能に注目が集まっていた。
■Wireless HDのコンセプト展示
このほかにも、Wireless HD規格対応の無線伝送装置をユニットを内蔵した液晶テレビの試作機によるホームネットワークシステムのコンセプト展示も特設ブースを設けて紹介されている。今回のイベントでは、ノートPC“Qosmio”に保存したフルHDの映像を60GHz帯対応のワイヤレスネットワークによりテレビに送信するデモ環境が構築され、ワイヤレス環境が実現するスマートなライフスタイルが提案されている。同社が開発しているWireless HD規格ベースのネットワークシステムでは、ワイヤレスで高品位な映像と音が伝送できるだけでなく、レグザリンクのコントロール信号も伝送することが可能になるという。また信号伝送にビーム・フォーミングを利用することで、機器間に人が横切った際にも安定した伝送が実現できる点が特徴だ。今回の展示ではモックアップだが、同社がイメージするメディアサーバーのプロトタイプもお披露目された。
■その他ビデオレコーダーやノートPCの展示
ビデオレコーダー&プレーヤーについては、高画質処理技術「XDE」を搭載するHDD+DVDレコーダー“VARDIA”の新製品やDVDプレーヤー「SD-XDE1」などが展示され、XDEの実力が披露されている。
ノートPCについては超解像技術を搭載し、AVC録画にも対応する「SpursEngine」搭載の“Qosmio G50”を出展。DVDの高品位なアプコン映像を紹介するデモが行われている。またPC向けの「ひかりTV」視聴に対応するアプリケーションのプロトタイプも紹介。こちらについてはまだサービスインの時期は未定であるとのこと(展示説明員)。さらにノートPCに関する参考技術展示には、新型二次電池「SCiB(Super Charge ion Battery)」を電源に搭載したプロトタイプを展示。特徴である急速充電性能や、バッテリー寿命、安全性能に関するメリットに関する紹介が行われている。
その他、半導体ゾーンにはインテグラルイメージング方式を採用した12.1型の3D立体ディスプレイを展示。目の疲労が少なく、自然で視認性の高い3D表示が可能な点や、9つ以上の方向から撮影した画像で3D映像をつくることによって、視点移動で立体映像の側面が見えるリアルな3D映像の特徴などをアピールしている。
(Phile-web編集部)
会場のメインエントランスには、先日発表されたばかりの超解像技術を搭載した“REGZA”を初めとする液晶テレビの各ラインナップが展示されている。特に超解像技術“レゾリューションプラス”については、フラグシップであるZH7000/Z7000シリーズのデモ機を使った特設展示ブースを設けるなど、力の入った紹介が行われている。
“REGZA”の実機によるテレビ周りの技術・サービス展示のコーナーには、参考出展として、ヤフーが開発を進めるテレビ向けのブロードバンド動画配信のコンセプト展示も紹介されている。こちらはデモのために用意された9チャンネルの動画コンテンツにより、サービスのイメージを見ることができる。サービスではストリーミング配信される動画を専用のブラウザで視聴するスタイルが紹介されているが、実際に配信される動画コンテンツのクオリティがHDになるかSDになるか、またはサービスモデルがダウンロードになるかストリーミングになるかなどについては、今のところ決まっていない(ヤフー説明員)。動画のコンテンツプロバイダーについても、これからパートナーシップを確立していく段階であるという。なおヤフーの説明員によれば、本サービスが今後いつスタートするのか、あるいは東芝をはじめ、どのメーカーとパートナーを組んで実現されるのかなどについても今のところ未定であるとのことだ。
■立て掛けタイプの“REGZA”試作機 − 内蔵記録媒体にはSSDを採用
“REGZA”に関連する展示として、特に注目を集めていたのが「立て掛けタイプ」の設置に対応するデザインコンセプトモデル。今回はCEATEC JAPANでの展示のために試作された52V型のプロトタイプがお披露目された。
同社の提案は、薄型テレビを「壁掛け」したり、「壁寄せ」するのではなく、本体を壁面に対して「立て掛ける」かたちでレイアウトするというユニークなアイデアを採用。フレーム部分など全体を鏡面仕上げとしている。液晶画面部の下には煌びやかなLEDを配置し、テレビ画面が消えるとLEDが点灯するゴージャスなデザインが特徴的だ。本機のデザインを担当した(株)東芝 デザインセンター デジタルプロダクツデザイン担当 参事の佐川崇氏に、本機のデザインの魅力について訊ねた。前面パネルの素材にはガラスが使われており、透明感のあるスタイリッシュなデザインに仕上げられている。デザインのコンセプトから実機化する上では「大判のガラスをカットして本機のデザインに仕上げることが実際にはとても難しかった」そうだ。また鏡面仕上げの本体への写り込みが映像に影響を及ぼさないように、全体のデザインにも気が配られているという。パネル最薄部の厚さは5mmとし、側面から本体を見ると、とてもすっきりとしたデザインに仕上げられており、デザインコンシャスなリビングに違和感なく設置ができそうだ。また本体は「立て掛けタイプ」のデザインを採用しているが、実際は奥行きの確保された底部が床面にしっかりと固定されるため、設置の安定性についても問題は無いという。
また、この「立て掛けタイプ」の“REGZA”試作機は、内蔵記憶装置にフラッシュメモリタイプを用いた、64GBのSSD(Solid State Drive)が搭載されている点も注目すべきポイントだ。SSDについては、同社のノートPC「dynabook SS RX1」シリーズにも採用され、既に商品化されているが、今回はプロトタイプの液晶テレビに初めて実験的に採用された。SSDの特徴は、SATAやPCIなど既存HDDとのインターフェース互換が確保されていながら、耐衝撃性能やデータ転送sくど、省電力性能などに優れているところ。同社が半導体ゾーンに出展するブースでは、2.5インチケースタイプやフラッシュモジュールなど様々な小型SSDのラインナップや、最大256GBまでの容量展開などが紹介されている。
なお、今回紹介された試作機について、展示説明員によれば具体的な商品化の計画はまだ決まっていないということだが、薄型モデルの「立て掛け」レイアウトや、SSDの展開など、今後の“REGZA”の進化にも活かされそうな提案には注目したいところだ。
■Cell TVは新しいユーザーインターフェースを紹介
同社が2009年秋の発売を表明している、Cell Broadband Engine(Cell B.E.)搭載の薄型テレビ、通称「Cell TV」については今回のCEATEC JAPANにおいてもデモ機が展示された。
デモの内容については、先頃液晶テレビ“REGZA”の新製品発表会(関連ニュース)で紹介された、「熟成超解像処理」や48個のSD映像を1画面で同時再生する展示など、内容はほぼ同一のものとなっている。一部、地上デジタル放送の超高速チャンネル切り替えについて、アップデートされた新しいユーザーインターフェースが紹介され、高速処理が可能なCell TVならではの機能に注目が集まっていた。
■Wireless HDのコンセプト展示
このほかにも、Wireless HD規格対応の無線伝送装置をユニットを内蔵した液晶テレビの試作機によるホームネットワークシステムのコンセプト展示も特設ブースを設けて紹介されている。今回のイベントでは、ノートPC“Qosmio”に保存したフルHDの映像を60GHz帯対応のワイヤレスネットワークによりテレビに送信するデモ環境が構築され、ワイヤレス環境が実現するスマートなライフスタイルが提案されている。同社が開発しているWireless HD規格ベースのネットワークシステムでは、ワイヤレスで高品位な映像と音が伝送できるだけでなく、レグザリンクのコントロール信号も伝送することが可能になるという。また信号伝送にビーム・フォーミングを利用することで、機器間に人が横切った際にも安定した伝送が実現できる点が特徴だ。今回の展示ではモックアップだが、同社がイメージするメディアサーバーのプロトタイプもお披露目された。
■その他ビデオレコーダーやノートPCの展示
ビデオレコーダー&プレーヤーについては、高画質処理技術「XDE」を搭載するHDD+DVDレコーダー“VARDIA”の新製品やDVDプレーヤー「SD-XDE1」などが展示され、XDEの実力が披露されている。
ノートPCについては超解像技術を搭載し、AVC録画にも対応する「SpursEngine」搭載の“Qosmio G50”を出展。DVDの高品位なアプコン映像を紹介するデモが行われている。またPC向けの「ひかりTV」視聴に対応するアプリケーションのプロトタイプも紹介。こちらについてはまだサービスインの時期は未定であるとのこと(展示説明員)。さらにノートPCに関する参考技術展示には、新型二次電池「SCiB(Super Charge ion Battery)」を電源に搭載したプロトタイプを展示。特徴である急速充電性能や、バッテリー寿命、安全性能に関するメリットに関する紹介が行われている。
その他、半導体ゾーンにはインテグラルイメージング方式を採用した12.1型の3D立体ディスプレイを展示。目の疲労が少なく、自然で視認性の高い3D表示が可能な点や、9つ以上の方向から撮影した画像で3D映像をつくることによって、視点移動で立体映像の側面が見えるリアルな3D映像の特徴などをアピールしている。
(Phile-web編集部)