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公開日 2009/09/04 09:35
パナソニックが「3DフルHD」対応試作機を展示 − 映画『AVATAR』の3Dデモも公開
IFA2009レポート
パナソニックは3日に開催したプレスカンファレンスにて「3DフルHD」の戦略強化を宣言。2010年のテレビ、ブルーレイ再生機の3D対応商品投入を発表するとともに、映画『AVATAR』の3Dデモを公開した(関連ニュース)。
はじめにパナソニック・ヨーロッパ社のCEO、チェアマンを務めるLaurent Abadie氏がヨーロッパ市場におけるパナソニックブランドの近況を報告。「09年7月時点でPDPの市場シェア43%、記録ディスク市場で21%のシェアを獲得した。これはヨーロッパ主要5カ国においていずれもNo.1のシェアとなる数値だ。またドイツではHDカムコーダーとブルーレイで、イギリスではDVDレコーダーでそれぞれNo.1シェアを獲得した。ヨーロッパのCE市場を牽引するブランドとしての地位を固めつつある」と自信をのぞかせた。
パナソニックが近年AV市場で実現してきたイノベーションについて触れたAbadie氏は「IFA2008ではヨーロッパ初のBDレコーダーを発表。08年9月には世界初のフルHDプラズマシアターを実現してきた」ことに言及。今後のAV市場の展開については「フルHD 3Dの時代に突入するだろう」との予測を示し、「“ハリウッドから家庭まで”パナソニックがフルHD 3D市場のアプリケーションとソリューションをフルに提供できる強みを活かし、市場をリードしていく」と高らかに宣言した。
続いてパナソニック(株)常務役員 AVCネットワークス社 上席副社長 映像・ディスプレイデバイス事業グループ長 兼 PDP事業担当の宮田賀生氏が登壇。「フルHD 3D」事業の展開に関する詳細を説明した。
宮田氏はテレビがこれまでの歴史の中で遂げてきた成長過程を紹介。カラー化、デジタル化を経て、近年は急激なハイビジョン化と大画面化へシフトを遂げようとしているテレビ市場については、「より人間の視覚世界に迫る映像へ変化を遂げていくという意味では、“3D化”が課題として残されていた」とし、パナソニックが独自のブラックボックス技術もフルに投入しながら、3Dエンターテインメントへ注力していく戦略を発表。「2010年には3Dテレビとブルーレイ再生機器をどこよりも早く商品化する」と宣言した。
宮田氏はさらに、3D市場におけるパナソニックのアドバンテージを紹介。「パナソニックが注力してきたPDPは、優れた発光効率の面からもリアルな3D表示に適したデバイスだ。またパナソニックは3D映像の撮影から、ディスプレイへの表示まで“End to End”のソリューションを提供できるノウハウを持っている。またブルーレイをはじめ、ビデオ規格のスタンダードを牽引してきた実績がある。さらにハリウッドのメジャー・フイルムメーカーとの協業によるコンテンツ制作環境を整えており、プロダクト開発との両輪でシナジーを発揮できるという強みを持っている」と語った。
この日開催のプレスカンファレンスには、パナソニックの3Dビジネスのサポーターを代表して、『AVATAR』のプロデュースも手がけるLightstorm Entertainment Inc. Film Producer COOのJon Landau氏も出席し、挨拶を行った。
「今回実写の映画をはじめて“フル3D”で製作して行く過程は、はじめて月に降り立つ宇宙飛行士のように未開の地を開拓していくような体験だった」と話すLandau氏。3Dの魅力については「単なるアクション映画の“味付け”のようなものではなく、オーディエンスをキャラクターの住む世界に引き込むことのできる、非常にエモーショナルな技術だ。パナソニックと一緒にパートナーシップを組んで、さまざまなノウハウを築くことができたことは、非常に大きな意味があると考えている。3Dは今後私たちの映画体験に変革をもたらせる大きなトピックスと実感し、私も興奮している。ぜひ積極的に多くの作品に採用していきたいと思う」と語り、3Dを採り入れたコンテンツ制作に意欲を示した。
続いて登壇したパナソニック(株)役員 AVCネットワークス社 上席副社長 ネットワーク事業グループ長の吉田守氏は3Dを含むIFA2009の出展内容におけるハイライトを紹介した。
3Dのデモンストレーション展示については、今回のイベントでは09年末に3D/2Dで全世界同時公開が予定されている映画『AVATAR』(アバター)との共同プロモーションを展開。ブース内に2つの「フルHD 3Dシアター」を設け、『AVATAR』の3Dトレーラー映像を含むオリジナルの3D映像が体験できるデモを一般公開する。
本シアタールームの展示は、プレスカンファレンスの日もジャーナリスト向けに公開された。会場にはプロトタイプの3D対応103V型PDP、BDプレーヤーが出展され、一部屋で50人ほどの来場者を一度に収容できるシアタールームで『AVATAR』を含むおよそ10分前後の3Dデモ映像が体験できる。来場者には入場する際にアクティブシャッタータイプの3Dグラスが配布された。実際に『AVATAR』や北京五輪の映像を3D化した素材などを体験することができたが、フルHDの精細な映像ゆえに、飛び出す立体感もさることながら、透明感と奥行き感、そして映像の世界に引き込まれるリアリティに圧倒されるデモコンテンツだった。
またIFA2009のハイライトになる商品として、最新のBDレコーダー「DMR-BS850/BS750」を紹介。上位のBS850は500GBのHDDを内蔵しており、デジタル放送のダブルチューナーを搭載。VIERA Linkのネットワーク機能やIPTV機能のVIERA CASTにも対応する。ハイプロファイル対応MPEG-2 AVC/H.264エンコーダー「アドバンスドAVCエンコーダー」も搭載しており、会場の一角では本機で録画したDRモードとAVC記録のHLモードのフルHDコンテンツが比較視聴できるコーナーも設けられている。
なお、今回発表のBDレコーダーは来年にドイツで発売を予定している。価格はまだ未定だが「上位機種で少なくとも1000ユーロは超える価格帯になりそう」(展示説明員)とのこと。なお発売時にはDLNA対応も予定されており、会場の一角では試作機を使ったDLNA機能のライフスタイル紹介も行われていた。
BDレコーダーのほかに、もう一つ大きなハイライトが当てられていたのがデジタルカメラの「DMC-GF1」。日本国内でも2日に発表が行われた(関連ニュース)新製品だが、ヨーロッパでは10月に発売が予定されている。パンケーキレンズ付属モデルが799ユーロ、標準ズームレンズ付属モデルが899ユーロでの販売を予定している。
その他、会場にはInternational CES2009会場にも出展され注目を集めた(関連ニュース)、薄さ8.8mmの50V型フルHD PDP試作機を展示。次世代プラズマディスプレイの基幹技術として同社が開発した「NeoPDP」の関連技術を大々的に紹介している。
またヨーロッパで発売を開始したBDプレーヤー搭載の“2.1chスリムシアター”「SC-BTX70EG9K」も同社の技術力と独創性が融合する注目機。センターユニット本体にはiPodドックも設けられ、スタイリッシュなデザインも実現している。ドルビーTrueHDやDTS-HD Master Audioのデコーダーも搭載しており、リアチャンネルのスピーカー増設にも対応する。ヨーロッパでの販売価格は700ユーロ。日本国内での販売予定は今のところないそうだが、発売されればBDのエントリー層にも気軽に受け入れられそうな面白い存在になりそうだ。
はじめにパナソニック・ヨーロッパ社のCEO、チェアマンを務めるLaurent Abadie氏がヨーロッパ市場におけるパナソニックブランドの近況を報告。「09年7月時点でPDPの市場シェア43%、記録ディスク市場で21%のシェアを獲得した。これはヨーロッパ主要5カ国においていずれもNo.1のシェアとなる数値だ。またドイツではHDカムコーダーとブルーレイで、イギリスではDVDレコーダーでそれぞれNo.1シェアを獲得した。ヨーロッパのCE市場を牽引するブランドとしての地位を固めつつある」と自信をのぞかせた。
パナソニックが近年AV市場で実現してきたイノベーションについて触れたAbadie氏は「IFA2008ではヨーロッパ初のBDレコーダーを発表。08年9月には世界初のフルHDプラズマシアターを実現してきた」ことに言及。今後のAV市場の展開については「フルHD 3Dの時代に突入するだろう」との予測を示し、「“ハリウッドから家庭まで”パナソニックがフルHD 3D市場のアプリケーションとソリューションをフルに提供できる強みを活かし、市場をリードしていく」と高らかに宣言した。
続いてパナソニック(株)常務役員 AVCネットワークス社 上席副社長 映像・ディスプレイデバイス事業グループ長 兼 PDP事業担当の宮田賀生氏が登壇。「フルHD 3D」事業の展開に関する詳細を説明した。
宮田氏はテレビがこれまでの歴史の中で遂げてきた成長過程を紹介。カラー化、デジタル化を経て、近年は急激なハイビジョン化と大画面化へシフトを遂げようとしているテレビ市場については、「より人間の視覚世界に迫る映像へ変化を遂げていくという意味では、“3D化”が課題として残されていた」とし、パナソニックが独自のブラックボックス技術もフルに投入しながら、3Dエンターテインメントへ注力していく戦略を発表。「2010年には3Dテレビとブルーレイ再生機器をどこよりも早く商品化する」と宣言した。
宮田氏はさらに、3D市場におけるパナソニックのアドバンテージを紹介。「パナソニックが注力してきたPDPは、優れた発光効率の面からもリアルな3D表示に適したデバイスだ。またパナソニックは3D映像の撮影から、ディスプレイへの表示まで“End to End”のソリューションを提供できるノウハウを持っている。またブルーレイをはじめ、ビデオ規格のスタンダードを牽引してきた実績がある。さらにハリウッドのメジャー・フイルムメーカーとの協業によるコンテンツ制作環境を整えており、プロダクト開発との両輪でシナジーを発揮できるという強みを持っている」と語った。
この日開催のプレスカンファレンスには、パナソニックの3Dビジネスのサポーターを代表して、『AVATAR』のプロデュースも手がけるLightstorm Entertainment Inc. Film Producer COOのJon Landau氏も出席し、挨拶を行った。
「今回実写の映画をはじめて“フル3D”で製作して行く過程は、はじめて月に降り立つ宇宙飛行士のように未開の地を開拓していくような体験だった」と話すLandau氏。3Dの魅力については「単なるアクション映画の“味付け”のようなものではなく、オーディエンスをキャラクターの住む世界に引き込むことのできる、非常にエモーショナルな技術だ。パナソニックと一緒にパートナーシップを組んで、さまざまなノウハウを築くことができたことは、非常に大きな意味があると考えている。3Dは今後私たちの映画体験に変革をもたらせる大きなトピックスと実感し、私も興奮している。ぜひ積極的に多くの作品に採用していきたいと思う」と語り、3Dを採り入れたコンテンツ制作に意欲を示した。
続いて登壇したパナソニック(株)役員 AVCネットワークス社 上席副社長 ネットワーク事業グループ長の吉田守氏は3Dを含むIFA2009の出展内容におけるハイライトを紹介した。
3Dのデモンストレーション展示については、今回のイベントでは09年末に3D/2Dで全世界同時公開が予定されている映画『AVATAR』(アバター)との共同プロモーションを展開。ブース内に2つの「フルHD 3Dシアター」を設け、『AVATAR』の3Dトレーラー映像を含むオリジナルの3D映像が体験できるデモを一般公開する。
本シアタールームの展示は、プレスカンファレンスの日もジャーナリスト向けに公開された。会場にはプロトタイプの3D対応103V型PDP、BDプレーヤーが出展され、一部屋で50人ほどの来場者を一度に収容できるシアタールームで『AVATAR』を含むおよそ10分前後の3Dデモ映像が体験できる。来場者には入場する際にアクティブシャッタータイプの3Dグラスが配布された。実際に『AVATAR』や北京五輪の映像を3D化した素材などを体験することができたが、フルHDの精細な映像ゆえに、飛び出す立体感もさることながら、透明感と奥行き感、そして映像の世界に引き込まれるリアリティに圧倒されるデモコンテンツだった。
またIFA2009のハイライトになる商品として、最新のBDレコーダー「DMR-BS850/BS750」を紹介。上位のBS850は500GBのHDDを内蔵しており、デジタル放送のダブルチューナーを搭載。VIERA Linkのネットワーク機能やIPTV機能のVIERA CASTにも対応する。ハイプロファイル対応MPEG-2 AVC/H.264エンコーダー「アドバンスドAVCエンコーダー」も搭載しており、会場の一角では本機で録画したDRモードとAVC記録のHLモードのフルHDコンテンツが比較視聴できるコーナーも設けられている。
なお、今回発表のBDレコーダーは来年にドイツで発売を予定している。価格はまだ未定だが「上位機種で少なくとも1000ユーロは超える価格帯になりそう」(展示説明員)とのこと。なお発売時にはDLNA対応も予定されており、会場の一角では試作機を使ったDLNA機能のライフスタイル紹介も行われていた。
BDレコーダーのほかに、もう一つ大きなハイライトが当てられていたのがデジタルカメラの「DMC-GF1」。日本国内でも2日に発表が行われた(関連ニュース)新製品だが、ヨーロッパでは10月に発売が予定されている。パンケーキレンズ付属モデルが799ユーロ、標準ズームレンズ付属モデルが899ユーロでの販売を予定している。
その他、会場にはInternational CES2009会場にも出展され注目を集めた(関連ニュース)、薄さ8.8mmの50V型フルHD PDP試作機を展示。次世代プラズマディスプレイの基幹技術として同社が開発した「NeoPDP」の関連技術を大々的に紹介している。
またヨーロッパで発売を開始したBDプレーヤー搭載の“2.1chスリムシアター”「SC-BTX70EG9K」も同社の技術力と独創性が融合する注目機。センターユニット本体にはiPodドックも設けられ、スタイリッシュなデザインも実現している。ドルビーTrueHDやDTS-HD Master Audioのデコーダーも搭載しており、リアチャンネルのスピーカー増設にも対応する。ヨーロッパでの販売価格は700ユーロ。日本国内での販売予定は今のところないそうだが、発売されればBDのエントリー層にも気軽に受け入れられそうな面白い存在になりそうだ。