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公開日 2010/01/25 21:09
ロングテイルライブステーション、画像での動画検索機能などを備えたネット配信事業を発表
山科社長「Googleの次を目指したい」
(株)Long Tail Live Station(ロングテイルライブステーション)は、動画検索機能を備えたインターネット動画配信事業についての説明会を開催した。
同社は元バンダイ社長で、日本BS放送社長である山科 誠氏が代表取締役を務めている。社名は「Long Tail」と「Live Station」を合わせたもので、希少な動画コンテンツを再価値することに加え、放送と通信の最先端技術を融合し、ネット配信やライブ中継を行うことを目指している。
■ロングテイルライブステーションのビジネスモデル
■アナログコンテンツのデジタル化/古いソースの修復や3D化など
「2011年のデジタル放送完全移行によって、チューナー非搭載のテレビは放送を見られなくなることは多くの方が知っている。しかし、アナログ制作コンテンツそのものも見られなくなってしまうということは、皆意外と知らない」と語る山科氏。放映そのものがデジタル化される2011年以降、アナログ制作番組はデジタル化しなければ放映できなくなるため、昔の番組が見られなくなってしまうというのだ。しかしアナログ放送をデジタル化するのは、コストも時間もかかる。そこで同社は「価値ある番組を見られるようにするため、原著作者の許諾のもと、低コスト省時間でデジタル化などを行う」という。
古いコンテンツのフィルムなどをデジタルスキャンして修復。修復したフィルムをマスターフィルムとして長期保管したり、スキャンしたデータを利用してカラー化や3D化などを施し新しい付加価値を持つコンテンツとして生まれ変わらせたりすることが可能。修復は自社開発ソフトを使用し半自動で行えるため、時間・コストともに削減することができるとのこと。現在数タイトルのデジタル化作業に入っているという。
本格的な事業化は1〜2年先を予定。この作業に関わる世界最先端の関連技術を世界中から集結させ、約2年強かけて技術を切磋。コストを現状の十分の一から百分の一程度まで抑えることも併せて目指しているとのことだ。
そのほかデジタルデータをDVDやBDなど「出口」の媒体に合わせた最適なフォーマットに変換してコンシューマーの手元に届けることも可能と説明する。
山科氏は「過去の映像資産は、フィルムの劣化により危機的状況にある。こういった再価値化をすることによって、ロングテイルなコンテンツを再度発掘し新たな価値あるコンテンツとして楽しんでもらうことができる。ロングテールの部分の売上アップが、市場成長に寄与すると考える」と展望を語った。
■動画検索で気になる動画を簡単検索
ロングテイルライブステーションのもうひとつの事業の柱が「動画検索/音声検索」だ。
音声検索は、台詞をマイクに向かってしゃべると、その台詞のあるシーンを抽出することができるというもの。名台詞や決め台詞のあるシーンを検索して楽しむことができる。
動画検索は、画像をドラッグ&ドロップするだけで、その画像に当てはまるシーンのある動画を検索・抽出してくれるというもの。これは上で述べたデジタル化の際に行う動画解析技術を活かして実現するものだという。
原理としては、まず動画を上記の自社開発ソフトで解析し、各シーンの特徴を「タグ」として記録しデータベース化。続いて検索元となる画像を色のない線画として捉え、そのフォルムを解析し、タグデータベースと照らし合わせて当該シーンを抽出する。「もしかして」機能のようなものもあり、完全一致でなくても検索できるということ。現在まだ開発中であり、今後更なる発展が予定されているという。
■大手カードポイントで利用できるユニークな動画配信システム
さらに、デジタル化した貴重なタイトルや、ライブ映像を配信するための配信システムも構築する。
配信システムは1,000万以上の同時アクセスに耐えるキャパシティを持っているほか、PCだけではなくテレビやスマートフォン、携帯電話などさまざまな端末へ配信することができる。HDDスルーでBD/DVD/SDカードに直焼きすることが可能なことに加え、動画検索機能を活かし不正コピーや不正アップロードを阻止するという。
この配信システムと動画検索エンジンを活用し、見たいシーンを画像から瞬時に検索するサービスを備えたライブ配信サービスを2010年6月頃からスタートする。スタート時にはスポーツや音楽のライブコンテンツが300本600時間あまり用意される予定だという。
またユニークなのが課金制度だ。山科氏は「広告費の収入に頼る無料配信サービスはビジネスモデルが複雑だし、有償サービスはクオリティの維持や集中アクセスへの対策が難しい。現状、課金サイトでビジネスが成り立っているところは殆どないが、原著作権者の権利を守り、適切なライセンス料が還元されるしくみをインターネットで確立すべきだと考える」と語る。
そこで同社は、これまでのサービスのような現金課金ではなく、「Tポイントなどの既存ポイントを流用」できるかたちとする。「視聴者としては直接懐が痛まないかたちでサービスを享受できるし、死蔵ポイントを活かすこともできるのが利点。レコメンドなどのコミュニティ活動によってポイントが増えるといったサービスも考えている。原著作者にフェアなライセンス料も還元できる」と説明する。なお、この仕組みは現在特許申請中。本格的な展開は2年後を予定しているという。
「現在の検索エンジンはテキスト検索のため、ある程度対象に対する情報がないと、手がかりとなるものさえ調べられなかった。しかし画像で検索できると、簡単に目当ての動画を見つけられ、利便性が高い。インターネットはまだまだ途上段階で、大きく変わっているところ。検索も『文字検索』から『動画検索』へと変わっていくだろう。Googleの次(となる動画検索エンジン)を目指したい」と力強く抱負を述べた。
Q&A
以下、会場で執り行われた質疑応答の主な内容を掲載する。
Q.フィルムのデジタル化や、データのエンコーディング/オーサリングなどの作業も自社で行うのか。
A.そういった作業はさまざまなベンチャーと協力して行う。
Q.映像コーデックや平均ビットレートはどのようになるのか。
A.コンテンツにより様々になると思うので一概には言えない。なお地域によってインフラ整備の差もあるので、回線のキャパシティにより適切なコンテンツを選べるようにできればと考えている。
Q.どのようなパートナーと提携して展開するのか。
A.来月中には提携先を発表する予定だ。
同社は元バンダイ社長で、日本BS放送社長である山科 誠氏が代表取締役を務めている。社名は「Long Tail」と「Live Station」を合わせたもので、希少な動画コンテンツを再価値することに加え、放送と通信の最先端技術を融合し、ネット配信やライブ中継を行うことを目指している。
■ロングテイルライブステーションのビジネスモデル
■アナログコンテンツのデジタル化/古いソースの修復や3D化など
「2011年のデジタル放送完全移行によって、チューナー非搭載のテレビは放送を見られなくなることは多くの方が知っている。しかし、アナログ制作コンテンツそのものも見られなくなってしまうということは、皆意外と知らない」と語る山科氏。放映そのものがデジタル化される2011年以降、アナログ制作番組はデジタル化しなければ放映できなくなるため、昔の番組が見られなくなってしまうというのだ。しかしアナログ放送をデジタル化するのは、コストも時間もかかる。そこで同社は「価値ある番組を見られるようにするため、原著作者の許諾のもと、低コスト省時間でデジタル化などを行う」という。
古いコンテンツのフィルムなどをデジタルスキャンして修復。修復したフィルムをマスターフィルムとして長期保管したり、スキャンしたデータを利用してカラー化や3D化などを施し新しい付加価値を持つコンテンツとして生まれ変わらせたりすることが可能。修復は自社開発ソフトを使用し半自動で行えるため、時間・コストともに削減することができるとのこと。現在数タイトルのデジタル化作業に入っているという。
本格的な事業化は1〜2年先を予定。この作業に関わる世界最先端の関連技術を世界中から集結させ、約2年強かけて技術を切磋。コストを現状の十分の一から百分の一程度まで抑えることも併せて目指しているとのことだ。
そのほかデジタルデータをDVDやBDなど「出口」の媒体に合わせた最適なフォーマットに変換してコンシューマーの手元に届けることも可能と説明する。
山科氏は「過去の映像資産は、フィルムの劣化により危機的状況にある。こういった再価値化をすることによって、ロングテイルなコンテンツを再度発掘し新たな価値あるコンテンツとして楽しんでもらうことができる。ロングテールの部分の売上アップが、市場成長に寄与すると考える」と展望を語った。
■動画検索で気になる動画を簡単検索
ロングテイルライブステーションのもうひとつの事業の柱が「動画検索/音声検索」だ。
音声検索は、台詞をマイクに向かってしゃべると、その台詞のあるシーンを抽出することができるというもの。名台詞や決め台詞のあるシーンを検索して楽しむことができる。
動画検索は、画像をドラッグ&ドロップするだけで、その画像に当てはまるシーンのある動画を検索・抽出してくれるというもの。これは上で述べたデジタル化の際に行う動画解析技術を活かして実現するものだという。
原理としては、まず動画を上記の自社開発ソフトで解析し、各シーンの特徴を「タグ」として記録しデータベース化。続いて検索元となる画像を色のない線画として捉え、そのフォルムを解析し、タグデータベースと照らし合わせて当該シーンを抽出する。「もしかして」機能のようなものもあり、完全一致でなくても検索できるということ。現在まだ開発中であり、今後更なる発展が予定されているという。
■大手カードポイントで利用できるユニークな動画配信システム
さらに、デジタル化した貴重なタイトルや、ライブ映像を配信するための配信システムも構築する。
配信システムは1,000万以上の同時アクセスに耐えるキャパシティを持っているほか、PCだけではなくテレビやスマートフォン、携帯電話などさまざまな端末へ配信することができる。HDDスルーでBD/DVD/SDカードに直焼きすることが可能なことに加え、動画検索機能を活かし不正コピーや不正アップロードを阻止するという。
この配信システムと動画検索エンジンを活用し、見たいシーンを画像から瞬時に検索するサービスを備えたライブ配信サービスを2010年6月頃からスタートする。スタート時にはスポーツや音楽のライブコンテンツが300本600時間あまり用意される予定だという。
またユニークなのが課金制度だ。山科氏は「広告費の収入に頼る無料配信サービスはビジネスモデルが複雑だし、有償サービスはクオリティの維持や集中アクセスへの対策が難しい。現状、課金サイトでビジネスが成り立っているところは殆どないが、原著作権者の権利を守り、適切なライセンス料が還元されるしくみをインターネットで確立すべきだと考える」と語る。
そこで同社は、これまでのサービスのような現金課金ではなく、「Tポイントなどの既存ポイントを流用」できるかたちとする。「視聴者としては直接懐が痛まないかたちでサービスを享受できるし、死蔵ポイントを活かすこともできるのが利点。レコメンドなどのコミュニティ活動によってポイントが増えるといったサービスも考えている。原著作者にフェアなライセンス料も還元できる」と説明する。なお、この仕組みは現在特許申請中。本格的な展開は2年後を予定しているという。
「現在の検索エンジンはテキスト検索のため、ある程度対象に対する情報がないと、手がかりとなるものさえ調べられなかった。しかし画像で検索できると、簡単に目当ての動画を見つけられ、利便性が高い。インターネットはまだまだ途上段階で、大きく変わっているところ。検索も『文字検索』から『動画検索』へと変わっていくだろう。Googleの次(となる動画検索エンジン)を目指したい」と力強く抱負を述べた。
Q&A
以下、会場で執り行われた質疑応答の主な内容を掲載する。
Q.フィルムのデジタル化や、データのエンコーディング/オーサリングなどの作業も自社で行うのか。
A.そういった作業はさまざまなベンチャーと協力して行う。
Q.映像コーデックや平均ビットレートはどのようになるのか。
A.コンテンツにより様々になると思うので一概には言えない。なお地域によってインフラ整備の差もあるので、回線のキャパシティにより適切なコンテンツを選べるようにできればと考えている。
Q.どのようなパートナーと提携して展開するのか。
A.来月中には提携先を発表する予定だ。