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公開日 2010/10/05 21:14
【CEATEC】「1枚に1TB超記録できる光ディスク」をTDKが開発 − ワイヤレス充電技術も公開
超高透過率の独自記録材料を開発
TDKのブースでは、16層の記録層を持ち、1枚・両面で1TB超のデータが記録できる光ディスクが参考展示された。ワイヤレス充電に関する同社の取り組みも紹介されている。
多層タイプの大容量光ディスクを研究・開発しつづけてきたTDK。今年はついに、1枚のディスクに16層もの記録層を持たせ、片面512GB、両面で1TB超のデータ記録ができる「超多層記録光ディスク」プロトタイプを完成させた。
ディスクには「95%以上の超高透過率」を持つという、TDKの独自開発による記録材料が使われており、「L0」層から「L15層」まで、データの読み取り/記録を安定して行える性能を実現しているという。
今回のサンプルディスクはBlu-rayの技術をベースに開発されており、読み取り/記録に用いるレーザーの仕様など、BDの延長線上にある技術が応用できる点も特徴。データの記録速度は、現在の時点ではBDディスクの1倍速程度のスピードだが、「今後レーザーパワーや記録感度を調整することでスピードアップは可能」(展示説明員)であるという。ディスクの用途としてはデータアーカイブやAV/IT、放送業務での活用が想定されているという。TDKではこのディスクの商品化も視野に入れながら「超多層記録光ディスク」の開発を続けていく考えだ。
“ワイヤレス充電”に関する技術展示も行われている。同社が今回ハイライトしているワイヤレス充電技術は「電磁誘導型」と「磁場共鳴型」の2種類だ。
「電磁誘導型」は給電コイルを配置したパッドに、受電コイルを内蔵するモバイル機器など端末を置いて、ケーブルやコネクタを用いずにワイヤレス充電を行う技術。TDKでは超薄型のシートコイルを開発し、薄型のポータブルデバイスへの組み込みを容易にしている。また高性能磁気シート素材も開発し、バッテリーパックなどの金属面による影響を少なくし、磁束の確実な伝送を可能にした。
「磁場共鳴型」は、給電デバイスから供給された電力エネルギーを、空間を介して同じ周波数で共鳴している受電デバイスへ受け渡す方式。「電磁誘導型」のように充電時にデバイスどうしを密着させる必要がなく、ある程度離れた距離間でも充電が行えるという特徴を持っている。
同社では今回、本技術を応用した「給電テーブル」を開発した。給電テーブルには給電コイルを内蔵し、受電コイル内蔵のランプをある程度離した距離でも点灯させるデモを公開している。同社では現在、給電/受電コイル間の距離変動影響を受けにくいチューニング技術を開発している段階であるという。
ほかにもQVGAサイズのシースルーディスプレイや、薄く、折り曲げられるフィルムディスプレイなど、「有機EL」に関する新しい技術の参考展示も行われている。シースルーディスプレイは独自技術により、シースルーながら220ppiの高精細化を実現。光取り出し方向を表字面側のみとしたことで、裏面から映像が見えず、プライバシー保護性能を高めている。フィルムディスプレイは0.3mm以下の薄型化を実現。パネル重量が0.05g/平方cmと軽量であり、曲率半径25mmの湾曲部に設置が可能。今回の展示ではリストバンド型ディスプレイの応用事例が紹介されていた。
多層タイプの大容量光ディスクを研究・開発しつづけてきたTDK。今年はついに、1枚のディスクに16層もの記録層を持たせ、片面512GB、両面で1TB超のデータ記録ができる「超多層記録光ディスク」プロトタイプを完成させた。
ディスクには「95%以上の超高透過率」を持つという、TDKの独自開発による記録材料が使われており、「L0」層から「L15層」まで、データの読み取り/記録を安定して行える性能を実現しているという。
今回のサンプルディスクはBlu-rayの技術をベースに開発されており、読み取り/記録に用いるレーザーの仕様など、BDの延長線上にある技術が応用できる点も特徴。データの記録速度は、現在の時点ではBDディスクの1倍速程度のスピードだが、「今後レーザーパワーや記録感度を調整することでスピードアップは可能」(展示説明員)であるという。ディスクの用途としてはデータアーカイブやAV/IT、放送業務での活用が想定されているという。TDKではこのディスクの商品化も視野に入れながら「超多層記録光ディスク」の開発を続けていく考えだ。
“ワイヤレス充電”に関する技術展示も行われている。同社が今回ハイライトしているワイヤレス充電技術は「電磁誘導型」と「磁場共鳴型」の2種類だ。
「電磁誘導型」は給電コイルを配置したパッドに、受電コイルを内蔵するモバイル機器など端末を置いて、ケーブルやコネクタを用いずにワイヤレス充電を行う技術。TDKでは超薄型のシートコイルを開発し、薄型のポータブルデバイスへの組み込みを容易にしている。また高性能磁気シート素材も開発し、バッテリーパックなどの金属面による影響を少なくし、磁束の確実な伝送を可能にした。
「磁場共鳴型」は、給電デバイスから供給された電力エネルギーを、空間を介して同じ周波数で共鳴している受電デバイスへ受け渡す方式。「電磁誘導型」のように充電時にデバイスどうしを密着させる必要がなく、ある程度離れた距離間でも充電が行えるという特徴を持っている。
同社では今回、本技術を応用した「給電テーブル」を開発した。給電テーブルには給電コイルを内蔵し、受電コイル内蔵のランプをある程度離した距離でも点灯させるデモを公開している。同社では現在、給電/受電コイル間の距離変動影響を受けにくいチューニング技術を開発している段階であるという。
ほかにもQVGAサイズのシースルーディスプレイや、薄く、折り曲げられるフィルムディスプレイなど、「有機EL」に関する新しい技術の参考展示も行われている。シースルーディスプレイは独自技術により、シースルーながら220ppiの高精細化を実現。光取り出し方向を表字面側のみとしたことで、裏面から映像が見えず、プライバシー保護性能を高めている。フィルムディスプレイは0.3mm以下の薄型化を実現。パネル重量が0.05g/平方cmと軽量であり、曲率半径25mmの湾曲部に設置が可能。今回の展示ではリストバンド型ディスプレイの応用事例が紹介されていた。