セイコーエプソンと東京エレクトロン、有機ELディスプレイ製造技術を共同開発

東京エレクトロン（株）とセイコーエプソン（株）は、有機ELディスプレイ製造技術の共同開発契約を締結した。

有機ELディスプレイの製造では、ガラス基板上に有機材料を均一に成膜する工程が不可欠。現在は真空中でマスクを用いて薄膜を形成する「マスク蒸着方式」が一般的という。だが両社では、今後有機ELディスプレイの生産性改善などの課題を克服するには、次世代成膜技術「インクジェット方式」が有利と判断。

「インクジェット方式」成膜技術は、インクジェットプリンターの原理で有機材料を必要な量だけ必要な場所に正確に塗布する方法。セイコーエプソンは「インクジェット方式による有機材料の均一成膜技術」を確立するなど、有機ELディスプレイ製造の核となる技術を数多く保持。また、液晶テレビ用カラーフィルターの大型塗布装置を開発・販売するなど、産業用インクジェット技術についてもノウハウを持っている。

東京エレクトロンは、FPD製造装置事業において、最新の超大型基板サイズまでのドライエッチング装置やコータ／デベロッパなどの製品を開発・販売している。

今回の共同開発は、セイコーエプソンのインクジェットを用いた有機ELディスプレイ製造技術と、東京エレクトロンの装置技術を融合させ、それぞれの強みを活かすのがねらい。両社は今後、次世代有機ELディスプレイ製造技術をトータルパッケージとして提案できるよう、共同開発を進めていくという。