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公開日 2011/06/10 22:41
グレースノート、クラウド音楽向けDBサービスを展開へ − 国内でのジャケ写データ提供も今日から開始
日本法人が説明会を開催
米gracenoteの日本法人であるグレースノート(株)は、6月10日から日本市場向けに提供を開始する新たなデータベースサービスの説明会を開催した。
データベースサービスの進化と現状
本日開催された説明会には、同社代表取締役社長のブライアン・ハミルトン氏が出席。同社のビジネス戦略を紹介した。
1998年、米カリフォルニア州バークレーに創立されたグレースノート社は、今から約10年前に「CD認識」技術を先駆けて開発し、世界初のCDデータベースを確立。音楽情報/ビデオ情報をカバーする世界最大規模のデータベースを構築・運営しながら、世界中の3,000以上のコンテンツパートナーとともに、データベースを基軸にした様々なサービスを提供している。
当初はPC用アプリケーションのメーカーに多く採用された同社のデータベースサービスは、すぐにオートモーティブやコンシューマー・エレクトロニクスのフィールドに展開して行った。カーエレクトロニクス市場で、パイオニアがいち早く同社のHDDナビゲーションシステムにグレースノートの組込み型データベースを採用したのはその一例だ。グレースノートの音楽ライブラリー管理ツール「MusicID」は、パイオニアの現行カーナビにも採用されているという。
その後2003年に日本法人であるグレースノート(株)が設立され、以後は韓国、台湾、ドイツにローカルオフィスを展開しながら、各地域のニーズに最適化したサービスが広げられていった。グレースノートは現在、世界で350名強の従業員数を抱え、財務面でも2007年から2011年まで、年平均40%の安定した成長を堅持しているという。現状のビジネス構成比は、PCが21%、ホーム家電が22%、モバイルが30%、カーエンターテインメントが27%という内訳になる。特許取得件数は米国、および国際特許を合わせて46件を取得する。
同社の今後の展開についてハミルトン氏は「グレースノートの技術は、ユーザーのデジタル音楽/ビデオ体験を劇的に高付加価値化できるものばかりだ。当社の技術を採用した製品は、より直感的な使いやすさを提供できる。デジタル音楽/ビデオ試聴をより快適に楽しめる、豊かな情報と使いやすいインターフェースを提供しながら、eコマースをシームレスに楽しめるナビゲーションや、その市場の活性化を促していくことも私たちのテーマだ。そして何より、ユーザーのデジタル音楽/ビデオ体験をさらに魅力的なものに変革していけるよう、サービスの質を高めていきたい」と意気込みを語った。
さらに先ごろアップルが発表した「iTunes in the Cloud」など、クラウドミュージックのサービスについて言及したハミルトン氏は、「クラウドミュージックサービスについては、昨今アップルをはじめ大きな発表があった。これらのサービスが今後、ユーザーとデジタル音楽との関係性を大きく変えていくものと考えている」とコメント。グレースノートとして、今後クラウド音楽サービスでも魅力的なサービスを提供することに注力すると宣言した。その一つとして、米国では既にスタートしている歌詞情報サービスの展開を検討していることを示唆した。日本国内での展開については、今後有力なパートナーと提携して、歌詞情報に関連する権利処理の課題をクリアしていく必要があるとしながら、本年後半から来年前半ごろの実現を目指して取り組む考えを明らかにした。
説明会では同社の技術が採用された製品やアプリケーションのデモンストレーションも行われた。デモンストレーションにはハミルトン氏のほか、同社Director, Business Developmentの米村知晃氏も登壇。グレースノートの技術を活用したソニー「TrackID」の紹介では、液晶テレビでYouTube動画を再生しながら、動画上で再生されている楽曲を自動認識し、楽曲やアーティスト名、ジャケット写真が画面上で調べられるサービスを紹介。日本ではまだスタートしていないが、「Music Unlimited powered by Qriocity」によるデモでは、音楽情報をベースにしたグルーピング機能「Channels」や、クラウドベースのライブラリ機能「My Library」機能がグレースノートの技術により実現しているとアピールした。
またKDDIのスマートフォンにプリインストールされている音楽認識機能では、端末をラジオなどから流れる音楽の方向に近づけるだけで、楽曲/アーティスト/アルバム名などが検索・表示できるサービスを紹介。他にもグレースノートのMusicID技術を活用したAndroid/iOS向けアプリ「GNT mobion」についても、同様に再生中の楽曲をスマートフォンで自動認識し、楽曲データを表示する機能が披露された。
ライセンス済みジャケット写真をデータベースから提供するサービスを日本でスタート
グレースノートでは、音楽やビデオのメタデータを蓄積した同社のグローバル・メディア・データベースに、ライセンスされたジャケット写真やアーティスト写真のデータを追加し、6月10日から正式に日本市場向けの提供を開始した。
同社のデータベースサービスには現在、米国のメジャーレコードレーベルや、デジタル・メディア配信会社のGetty Image社、ならびに日本の主要レーベルやインディーズレーベルから集められた多岐にわたるコンテンツデータが蓄積されている。
グレースノートが提供する画像データサービスへの情報提供には、今回日本から(株)ソニー・ミュージックエンターテインメント、エイベックス・マーケティング(株)、ビクターエンターテインメント(株)の各レコード会社、ならびに日本国内のアーティスト写真やメタデータを数多く保有する(株)VIPタイムズが新たに契約を締結した。これら国内のコンテンツプロバイダーに加え、同データベースサービスのグローバルパートナーであるワーナーミュージック、ユニバーサルミュージックから提供されるデータも使用可能になるという。
今後グレースノートの画像データベースから提供されるのは、アーティストの高精細な画像や、公式のアルバムジャケット写真、またはこれらが利用不可な場合に表示されるジャンル・イメージなどが含まれる。
グレースノートでは今後、豊富な画像データが加わった同社のグローバル・メディア・データベースと、同社独自のメディア認識とレコメンデーション技術の組み合わせとして提案し、BtoBカスタマーを中心に独自の付加価値を提供できる強力なツールとして、採用を呼び掛けていく考えだ。
【問い合わせ先】
グレースノート(株)
TEL/03-3464-7785
データベースサービスの進化と現状
本日開催された説明会には、同社代表取締役社長のブライアン・ハミルトン氏が出席。同社のビジネス戦略を紹介した。
当初はPC用アプリケーションのメーカーに多く採用された同社のデータベースサービスは、すぐにオートモーティブやコンシューマー・エレクトロニクスのフィールドに展開して行った。カーエレクトロニクス市場で、パイオニアがいち早く同社のHDDナビゲーションシステムにグレースノートの組込み型データベースを採用したのはその一例だ。グレースノートの音楽ライブラリー管理ツール「MusicID」は、パイオニアの現行カーナビにも採用されているという。
その後2003年に日本法人であるグレースノート(株)が設立され、以後は韓国、台湾、ドイツにローカルオフィスを展開しながら、各地域のニーズに最適化したサービスが広げられていった。グレースノートは現在、世界で350名強の従業員数を抱え、財務面でも2007年から2011年まで、年平均40%の安定した成長を堅持しているという。現状のビジネス構成比は、PCが21%、ホーム家電が22%、モバイルが30%、カーエンターテインメントが27%という内訳になる。特許取得件数は米国、および国際特許を合わせて46件を取得する。
同社の今後の展開についてハミルトン氏は「グレースノートの技術は、ユーザーのデジタル音楽/ビデオ体験を劇的に高付加価値化できるものばかりだ。当社の技術を採用した製品は、より直感的な使いやすさを提供できる。デジタル音楽/ビデオ試聴をより快適に楽しめる、豊かな情報と使いやすいインターフェースを提供しながら、eコマースをシームレスに楽しめるナビゲーションや、その市場の活性化を促していくことも私たちのテーマだ。そして何より、ユーザーのデジタル音楽/ビデオ体験をさらに魅力的なものに変革していけるよう、サービスの質を高めていきたい」と意気込みを語った。
さらに先ごろアップルが発表した「iTunes in the Cloud」など、クラウドミュージックのサービスについて言及したハミルトン氏は、「クラウドミュージックサービスについては、昨今アップルをはじめ大きな発表があった。これらのサービスが今後、ユーザーとデジタル音楽との関係性を大きく変えていくものと考えている」とコメント。グレースノートとして、今後クラウド音楽サービスでも魅力的なサービスを提供することに注力すると宣言した。その一つとして、米国では既にスタートしている歌詞情報サービスの展開を検討していることを示唆した。日本国内での展開については、今後有力なパートナーと提携して、歌詞情報に関連する権利処理の課題をクリアしていく必要があるとしながら、本年後半から来年前半ごろの実現を目指して取り組む考えを明らかにした。
またKDDIのスマートフォンにプリインストールされている音楽認識機能では、端末をラジオなどから流れる音楽の方向に近づけるだけで、楽曲/アーティスト/アルバム名などが検索・表示できるサービスを紹介。他にもグレースノートのMusicID技術を活用したAndroid/iOS向けアプリ「GNT mobion」についても、同様に再生中の楽曲をスマートフォンで自動認識し、楽曲データを表示する機能が披露された。
ライセンス済みジャケット写真をデータベースから提供するサービスを日本でスタート
グレースノートでは、音楽やビデオのメタデータを蓄積した同社のグローバル・メディア・データベースに、ライセンスされたジャケット写真やアーティスト写真のデータを追加し、6月10日から正式に日本市場向けの提供を開始した。
同社のデータベースサービスには現在、米国のメジャーレコードレーベルや、デジタル・メディア配信会社のGetty Image社、ならびに日本の主要レーベルやインディーズレーベルから集められた多岐にわたるコンテンツデータが蓄積されている。
グレースノートが提供する画像データサービスへの情報提供には、今回日本から(株)ソニー・ミュージックエンターテインメント、エイベックス・マーケティング(株)、ビクターエンターテインメント(株)の各レコード会社、ならびに日本国内のアーティスト写真やメタデータを数多く保有する(株)VIPタイムズが新たに契約を締結した。これら国内のコンテンツプロバイダーに加え、同データベースサービスのグローバルパートナーであるワーナーミュージック、ユニバーサルミュージックから提供されるデータも使用可能になるという。
今後グレースノートの画像データベースから提供されるのは、アーティストの高精細な画像や、公式のアルバムジャケット写真、またはこれらが利用不可な場合に表示されるジャンル・イメージなどが含まれる。
グレースノートでは今後、豊富な画像データが加わった同社のグローバル・メディア・データベースと、同社独自のメディア認識とレコメンデーション技術の組み合わせとして提案し、BtoBカスタマーを中心に独自の付加価値を提供できる強力なツールとして、採用を呼び掛けていく考えだ。
【問い合わせ先】
グレースノート(株)
TEL/03-3464-7785