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公開日 2011/09/09 10:25
<IFA>山之内正がみたIFA2011 − 3Dの裾野を広げる東芝の4Kグラスレス3Dテレビ
ブースのデモ映像を体験
スクリーンと対峙する環境では3Dメガネの煩わしさをある程度は我慢できるが、リビングでテレビを見るときは、短時間ならともかく、映画を1本通して見るとなるとストレスがたまりやすい。
画面サイズと周辺環境のバランスや、日常動作との両立の難しさなど、ストレスの原因はいろいろある。メガネなしで自由に楽しめるようになれば、放送、パッケージメディアを問わず、3Dの裾野が大きく広がることは間違いないだろう。
そんな期待を抱かせる意欲的な展示がIFAの東芝ブースで行われた。メガネなしで3D映像を見られる4K2K液晶テレビ「55ZL2」を発表し、大型テレビでストレスなく立体映像を楽しむ視聴スタイルを提案したのだ。
すでに同社は20型のグラスレス3Dレグザを発売しているが、今回は一気に55型まで拡大し、家庭のメインディスプレイとして不満のない大画面化を達成した。パーソナル用途ではなく、複数で見ても最適な3D表示を実現する「フェイストラッキング機能」も搭載している。レンチキュラーシートの構造を工夫することにより、適切な視差の制御に加え、高解像度2D映像との両立も図っていることが技術的な注目ポイントだ。
デモンストレーションは小部屋に置かれた1台の「55ZL2」を一度に3人が横並びで見る方法で行われ、筆者は左端に座って視聴した。
デモに使われた動きの速いダンスの映像は、解像度ではアクティブ方式のフルHD映像に比べて見劣りするものの、違和感のない立体感という意味ではほぼ同等の性能を実現していると感じた。
試作機ではフェイストラッキング機能がまだ正常に動作していないようで、顔を10〜20cmほど横にずらすと輪郭がずれてしまうが、同機能が働くようになれば、この現象は回避できるはずだ。また、かなり近距離で視聴したこともあるだろうが、単色部などでレンチキュラーシートに由来するスリット状の構造が見えてしまう点には改善の余地がある。
いずれにしても、メガネの呪縛から解き放たれた解放感は、多少の画質の不満を補って余りあるというのが正直な感想だ。
質感の高い3D映像で作品に浸るときはプロジェクターを選び、テレビではエンタテインメント感覚でグラスレス3Dを見るという使い分けが、いまの段階では一つの選択肢になるのかもしれない。LGの偏光方式もそれに準じた方向を狙っていると思う。
3Dとは別のコーナーに展示された2Dの4K2K映像は、「Resolution+」を用いてフルHDからアップコンバートした映像を中心に画質を確認した。
写真からもわかるようにディテール再現と質感が緻密さを増し、高解像度パネルらしい精細感を堪能することができる。
オリジナルの4K画像に特有な、現場に居合わせたような臨場感はないが、今後アルゴリズムをさらに追い込んでいけば、アップコンバート映像でも臨場感や空気感を表現できるようになるかもしれない。その可能性を垣間見せるだけの力はそなわっているという印象を受けた。
日本仕様では画質をさらに追い込んでくるはずなので、今年度後半(来春?)の発売がいまから楽しみだ。
画面サイズと周辺環境のバランスや、日常動作との両立の難しさなど、ストレスの原因はいろいろある。メガネなしで自由に楽しめるようになれば、放送、パッケージメディアを問わず、3Dの裾野が大きく広がることは間違いないだろう。
そんな期待を抱かせる意欲的な展示がIFAの東芝ブースで行われた。メガネなしで3D映像を見られる4K2K液晶テレビ「55ZL2」を発表し、大型テレビでストレスなく立体映像を楽しむ視聴スタイルを提案したのだ。
すでに同社は20型のグラスレス3Dレグザを発売しているが、今回は一気に55型まで拡大し、家庭のメインディスプレイとして不満のない大画面化を達成した。パーソナル用途ではなく、複数で見ても最適な3D表示を実現する「フェイストラッキング機能」も搭載している。レンチキュラーシートの構造を工夫することにより、適切な視差の制御に加え、高解像度2D映像との両立も図っていることが技術的な注目ポイントだ。
デモンストレーションは小部屋に置かれた1台の「55ZL2」を一度に3人が横並びで見る方法で行われ、筆者は左端に座って視聴した。
デモに使われた動きの速いダンスの映像は、解像度ではアクティブ方式のフルHD映像に比べて見劣りするものの、違和感のない立体感という意味ではほぼ同等の性能を実現していると感じた。
試作機ではフェイストラッキング機能がまだ正常に動作していないようで、顔を10〜20cmほど横にずらすと輪郭がずれてしまうが、同機能が働くようになれば、この現象は回避できるはずだ。また、かなり近距離で視聴したこともあるだろうが、単色部などでレンチキュラーシートに由来するスリット状の構造が見えてしまう点には改善の余地がある。
いずれにしても、メガネの呪縛から解き放たれた解放感は、多少の画質の不満を補って余りあるというのが正直な感想だ。
質感の高い3D映像で作品に浸るときはプロジェクターを選び、テレビではエンタテインメント感覚でグラスレス3Dを見るという使い分けが、いまの段階では一つの選択肢になるのかもしれない。LGの偏光方式もそれに準じた方向を狙っていると思う。
3Dとは別のコーナーに展示された2Dの4K2K映像は、「Resolution+」を用いてフルHDからアップコンバートした映像を中心に画質を確認した。
写真からもわかるようにディテール再現と質感が緻密さを増し、高解像度パネルらしい精細感を堪能することができる。
オリジナルの4K画像に特有な、現場に居合わせたような臨場感はないが、今後アルゴリズムをさらに追い込んでいけば、アップコンバート映像でも臨場感や空気感を表現できるようになるかもしれない。その可能性を垣間見せるだけの力はそなわっているという印象を受けた。
日本仕様では画質をさらに追い込んでくるはずなので、今年度後半(来春?)の発売がいまから楽しみだ。