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公開日 2011/12/01 18:17
レッツとQXD、3D映像の“安全性”と“快適性”を評価する「3D映像チェッカー」を開発
3D効果が適正かなどをリアルタイムでチェック可能
(株)レッツコーポレーションと(株)クオリティ エクスペリエンス デザイン(QXD)は、3Dコンテンツの安全性と快適性を評価する3D映像チェッカー「DepthChecker」を12月7日より498,000円(税込)で発売する。
3Dコンテンツを取り扱う映像制作会社などプロユースや、3D映像研究などを行う大学での教育用途などでの使用を想定した機器。本機に接続したモニターを通じて、3Dの奥行き感などを数値として確認したり、サーモグラフィーのような色分けによって3D効果の度合いをリアルタイムでチェックできる。
開発の背景について、レッツコーポレーション 新規事業部 課長 坂口裕介氏は「現在、3Dコンテンツに関して、ガイドラインなどのようなものはあるが、多くは現場スタッフの経験的、定性的、感覚的な評価になっている。定量的な評価が必要ではないかと考えた」説明。開発に協力した早稲田大学基幹理工学部表現工学科の河合隆史教授も「ディスプレイ技術としての3Dは一定水準に達した。現在は普及に向けたコンテンツ技術が課題となっている。良質な3Dコンテンツ拡充のためには、安全性と快適性に配慮した制作理論(ルール)と、それを実現する制作環境(ツール)の整備が急務だ」と言葉を添える。
3D対応のカメラや再生装置より入力された左右の映像信号に、高速ステレオマッチングを用いた画像解析を行い、その結果を視差分布(左右の映像の水平方向のズレ)の度合いとしてリアルタイム表示。視差の許容範囲は任意に設定可能で、逸脱範囲を直感的に把握できるよう視覚化する。
STB本体とコントローラー部からなり、コントローラーのつまみを回すことで各種項目の設定値を簡単に変更可能。例えば映画館の大スクリーンで上映する場合とモバイル端末の小さな画面で3Dを再生する場合では適正な3D効果のかけ具合が異なるため、3Dコンテンツを再生するモニターサイズの値を調整するようなことができる。なお、同項目は2インチから1,000インチまで調整可能で、視聴者がモニターからどれくらいの距離で映像を鑑賞するかも0.2mから30mの間で調整できる。
また、STB本体は電源を入れるだけ、コントローラーは各種つまみを回すだけというシンプルな操作性を採用。河合教授は「制作の現場などで実際に利用する人が操作に慣れるまで半年もかかるようでは意味がない。マニュアルを読まなくてもなんとなく使えるレベルにまで操作方法を分かりやすくすることを意識した」と説明した。
入力はHD-SDI端子で、左右独立したふたつの映像信号、およびサイドバイサイド、トップアンドボトムに対応。出力はDVI-D(Dual Link)端子を備え、ラインバイライン、サイドバイサイド、トップアンドボトムに対応している。なお入力フォーマットは1080iおよび720p、59.94fps。STB本体とコントローラーの接続はUSB端子を利用する。
3Dの効果がちょうど良いのか過度なのかなどといった判断基準には、前述の河合教授による3Dコンテンツ評価技術を利用。早稲田大学によって特許化された技術シーズを移転・活用している。3Dコンテンツ業界団体や放送業界などでこれまでに蓄積されてきた様々な考え方やガイドラインなどを複合的に利用したアルゴリズムなのだという。
3D映像では両眼視差を利用しているが、レッツコーポレーションとQXDの両社では、過度の視差は視聴者の負担や疲労といった安全性を損なうことが危惧され、一方、過小な視差では2Dとの差異が感じられず3Dならではの快適性が損なわれると考えていると説明。そこで、本製品を利用することで両眼視差を視聴環境に応じて定量的に評価し、撮影条件などを適切に補正できるようにするという。
前述のように各項目を数値によってユーザーが認識できるため、例えば日をまたいで撮影するような場合でも機材を同じ設定に保つといったようなことが可能になる。調整した数値をプリセットで記憶させておくような機能はないが「要望が多いような機能については、今後のソフトウェアアップデートなどで対応することも検討したい」(坂口氏)とのことだった。
なお、共同開発にあたったQXD社は早稲田大学での研究成果をビジネスで活用することを目的に設立された企業で、3Dコンテンツ制作やソリューション関連事業を展開。河合教授の研究室出身の太田啓路氏が代表取締役を務め、「映画怪物くん」の3D化なども担当している。
3Dコンテンツを取り扱う映像制作会社などプロユースや、3D映像研究などを行う大学での教育用途などでの使用を想定した機器。本機に接続したモニターを通じて、3Dの奥行き感などを数値として確認したり、サーモグラフィーのような色分けによって3D効果の度合いをリアルタイムでチェックできる。
開発の背景について、レッツコーポレーション 新規事業部 課長 坂口裕介氏は「現在、3Dコンテンツに関して、ガイドラインなどのようなものはあるが、多くは現場スタッフの経験的、定性的、感覚的な評価になっている。定量的な評価が必要ではないかと考えた」説明。開発に協力した早稲田大学基幹理工学部表現工学科の河合隆史教授も「ディスプレイ技術としての3Dは一定水準に達した。現在は普及に向けたコンテンツ技術が課題となっている。良質な3Dコンテンツ拡充のためには、安全性と快適性に配慮した制作理論(ルール)と、それを実現する制作環境(ツール)の整備が急務だ」と言葉を添える。
3D対応のカメラや再生装置より入力された左右の映像信号に、高速ステレオマッチングを用いた画像解析を行い、その結果を視差分布(左右の映像の水平方向のズレ)の度合いとしてリアルタイム表示。視差の許容範囲は任意に設定可能で、逸脱範囲を直感的に把握できるよう視覚化する。
STB本体とコントローラー部からなり、コントローラーのつまみを回すことで各種項目の設定値を簡単に変更可能。例えば映画館の大スクリーンで上映する場合とモバイル端末の小さな画面で3Dを再生する場合では適正な3D効果のかけ具合が異なるため、3Dコンテンツを再生するモニターサイズの値を調整するようなことができる。なお、同項目は2インチから1,000インチまで調整可能で、視聴者がモニターからどれくらいの距離で映像を鑑賞するかも0.2mから30mの間で調整できる。
また、STB本体は電源を入れるだけ、コントローラーは各種つまみを回すだけというシンプルな操作性を採用。河合教授は「制作の現場などで実際に利用する人が操作に慣れるまで半年もかかるようでは意味がない。マニュアルを読まなくてもなんとなく使えるレベルにまで操作方法を分かりやすくすることを意識した」と説明した。
入力はHD-SDI端子で、左右独立したふたつの映像信号、およびサイドバイサイド、トップアンドボトムに対応。出力はDVI-D(Dual Link)端子を備え、ラインバイライン、サイドバイサイド、トップアンドボトムに対応している。なお入力フォーマットは1080iおよび720p、59.94fps。STB本体とコントローラーの接続はUSB端子を利用する。
3Dの効果がちょうど良いのか過度なのかなどといった判断基準には、前述の河合教授による3Dコンテンツ評価技術を利用。早稲田大学によって特許化された技術シーズを移転・活用している。3Dコンテンツ業界団体や放送業界などでこれまでに蓄積されてきた様々な考え方やガイドラインなどを複合的に利用したアルゴリズムなのだという。
3D映像では両眼視差を利用しているが、レッツコーポレーションとQXDの両社では、過度の視差は視聴者の負担や疲労といった安全性を損なうことが危惧され、一方、過小な視差では2Dとの差異が感じられず3Dならではの快適性が損なわれると考えていると説明。そこで、本製品を利用することで両眼視差を視聴環境に応じて定量的に評価し、撮影条件などを適切に補正できるようにするという。
前述のように各項目を数値によってユーザーが認識できるため、例えば日をまたいで撮影するような場合でも機材を同じ設定に保つといったようなことが可能になる。調整した数値をプリセットで記憶させておくような機能はないが「要望が多いような機能については、今後のソフトウェアアップデートなどで対応することも検討したい」(坂口氏)とのことだった。
なお、共同開発にあたったQXD社は早稲田大学での研究成果をビジネスで活用することを目的に設立された企業で、3Dコンテンツ制作やソリューション関連事業を展開。河合教授の研究室出身の太田啓路氏が代表取締役を務め、「映画怪物くん」の3D化なども担当している。