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公開日 2012/10/02 17:47
<CEATEC>シャープ、“モスアイ”AQUOSを発売へ/ICC 4Kテレビや音声認識BDレコーダーも
ICC 4Kテレビは近日くわしい発売時期をアナウンス
シャープはCEATECの同社ブースで多数の参考展示や技術展示を行い、充実した内容で注目を集めていた。
■「蛾の眼」を持つAQUOSが近々登場へ
薄型テレビでは、近日中の商品化を見込む「MOTH-EYE(モスアイ)」技術を搭載した液晶テレビ“AQUOS”を展示していた。80V/70V/60V型の3サイズを参考出展しており、商品化が近いものと予想される。
MOTH-EYEとは、蛾(MOTH)の眼(EYE)のこと。一般的にグレア(光沢)パネルはコントラスト感や黒の締まり感が高いが外光反射が多く、ノングレア(非光沢)パネルは外光反射が少ない代わりに光が拡散するためコントラスト感が低下するとされているが、モスアイ構造ではフィルム表面に100nmレベルの凹凸構造を持たせることにより、外光の反射は抑えながら、映像のコントラスト感や鮮やかさは損なわない。
モスアイについて同社説明員は「シャープとしては、低反射性はテレビに必要と考え、これまでグレアパネルは採用してこなかった。だが、一方でノングレアのコントラスト感も魅力に感じていた。今回のモスアイによって、クアトロンの4原色の色再現能力を邪魔せず出すことが可能になる。いわば、パネルのスペックそのものが見えるようになる」と語る。
パネル表面にモスアイ処理を施したフィルムを加える。このフィルムはシャープと大日本印刷が共同で開発したもので、シャープが業界初採用となる見込み。
このほか同社は、90型の液晶テレビも参考出展していた。
■ICC 4Kテレビは2013年に発売
シャープブースでは、アイキューブド研究所とシャープが共同開発するICC 4Kテレビもアピール。同社の近藤哲二郎社長がプライベートブースで実際の映像を見せながら解説を加えてくれた。
なお、ICC 4Kテレビは今年のIFAでもデモが行われ、その際に欧州では2013年第2四半期の発売を目標にしていると説明していたが、国内での発売時期は近々アナウンスするとのこと。また販売される商品の画面サイズは60型のみで、ほかのサイズは用意されない。これは「1mmに走査線が3本入る程度が適正だから」(近藤社長)という理由で、適正な視聴距離は2〜3m。視界に大きく広がる画面サイズと精細感を両立するのが60型だと近藤社長は説明する。
ICC 4Kテレビは、いわゆる超解像処理のように、フォーカスの合っている部分と合っていない部分を高周波成分の分析によって判断し、合っている部分の精細感をさらに高めるという考え方で作られた4Kテレビではない。フルHD信号から4K映像を創造する信号処理技術と、シャープの4K液晶パネル技術を組み合わせたもので、人間が自然の景色や被写体を光の刺激として脳で理解する「認知」の過程を、映像による光の刺激として再現するのが特徴だ。
具体的には、映像内のオブジェクトの奥行き情報などを相対的に判別し、その差分が脳内で適切に認知されるように映像処理を加える。ほかにもLEDバックライトのローカルディミングを活用して映像のユニフォーミティを高めたりなど、独自の工夫を行っているという。
実際に画像を見ると、木の枝が重なり合っているシーンでは、2Kでは全体の遠近感がなくなっているのに対して、ICC 4Kではそれぞれの枝の重なり具合が手に取るようにわかる。また河原を撮影したシーンでは、ICC処理を行うことによって、川の水面や木々、岩肌の精細感が格段に向上するだけでなく、全体の広がりや奥行き感が大きく向上する。なお、デモ映像のような静止したシーンだけでなく、動きの大きい映像であっても適切な処理が行えるという。
■スマホで操作可能なAQUOSブルーレイが登場
AQUOSブルーレイの新モデルも参考出展された。中級機に相当するモデルで、スマートフォンとの連携機能をこれまで以上に高めた点が特徴。年内の発売を見込んでいる。
新機種は、音声認識操作機能「スマートフォン ボイスリモコン」に対応した点が最大の特徴。
本機能は、Androidスマートフォン用の無料アプリを用い、音声で番組表の表示や各種再生操作を行えるほか、キーワード入力も声で行えるというもの。3件までキーワードを連続して話すことで、絞り込みも行える。たとえば「映画」と話すと番組表から映画コンテンツが一覧表示され、さらに「黒澤明」と話すと黒澤明の関連映画のみをピックアップする、といった使い方が可能だ。
なお、音声認識にはGoogleの音声認識APIを利用。iOSにも対応したいと同社では説明しているが、この場合にはニュアンス・テクノロジーなど外部企業のAPIを同社が購入する必要がある。
そのほか外観も変更を加え、中央のサークル部分を変更。これまでのHDD/BDのサークルインジケーターに加え、外部HDDの動作状況を示す「+HDD」インジケーターが加わった。
■4K解像度の32V型IGZO液晶ディスプレイなどを出展
そのほか同社ブースでは、IGZOの紹介に大きなスペースを割いていた。
IGZOは、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)酸化物の略称で、電子の移動度が高く、トランジスターを小さくできることから、開口率が上がり、精細度も高められるのが特徴だ。
32型で4K2K(3,840×2,160ピクセル)を実現した、画素密度140ppiの液晶ディスプレイを参考出展。本ディスプレイは業務用で商品化も視野に入れているとのことだ。そのほか13.3型や10.1型のタブレット用ディスプレイなど、様々な用途に向けたサイズの試作機を展示していた。
さらに昨日発表された、スマホ向け5型フルHD液晶パネルも展示。本パネルは半導体エネルギー研究所と共同開発したCGシリコン技術を用い、画素密度は443ppiに達する。すでに9月末から三重第3工場で生産を開始し、10月から本格生産に入るという。
またアプライアンス関連でAV機器にも関係がある展示としては、COCOROBO向けの外付け赤外線リモコンユニットを出展。このユニットをCOCOROBOに装着することで、外出先からネットワーク経由でテレビの電源を消したり、エアコンの電源を入れたり、といった使い方が可能になる。
■「蛾の眼」を持つAQUOSが近々登場へ
薄型テレビでは、近日中の商品化を見込む「MOTH-EYE(モスアイ)」技術を搭載した液晶テレビ“AQUOS”を展示していた。80V/70V/60V型の3サイズを参考出展しており、商品化が近いものと予想される。
MOTH-EYEとは、蛾(MOTH)の眼(EYE)のこと。一般的にグレア(光沢)パネルはコントラスト感や黒の締まり感が高いが外光反射が多く、ノングレア(非光沢)パネルは外光反射が少ない代わりに光が拡散するためコントラスト感が低下するとされているが、モスアイ構造ではフィルム表面に100nmレベルの凹凸構造を持たせることにより、外光の反射は抑えながら、映像のコントラスト感や鮮やかさは損なわない。
モスアイについて同社説明員は「シャープとしては、低反射性はテレビに必要と考え、これまでグレアパネルは採用してこなかった。だが、一方でノングレアのコントラスト感も魅力に感じていた。今回のモスアイによって、クアトロンの4原色の色再現能力を邪魔せず出すことが可能になる。いわば、パネルのスペックそのものが見えるようになる」と語る。
パネル表面にモスアイ処理を施したフィルムを加える。このフィルムはシャープと大日本印刷が共同で開発したもので、シャープが業界初採用となる見込み。
このほか同社は、90型の液晶テレビも参考出展していた。
■ICC 4Kテレビは2013年に発売
シャープブースでは、アイキューブド研究所とシャープが共同開発するICC 4Kテレビもアピール。同社の近藤哲二郎社長がプライベートブースで実際の映像を見せながら解説を加えてくれた。
なお、ICC 4Kテレビは今年のIFAでもデモが行われ、その際に欧州では2013年第2四半期の発売を目標にしていると説明していたが、国内での発売時期は近々アナウンスするとのこと。また販売される商品の画面サイズは60型のみで、ほかのサイズは用意されない。これは「1mmに走査線が3本入る程度が適正だから」(近藤社長)という理由で、適正な視聴距離は2〜3m。視界に大きく広がる画面サイズと精細感を両立するのが60型だと近藤社長は説明する。
ICC 4Kテレビは、いわゆる超解像処理のように、フォーカスの合っている部分と合っていない部分を高周波成分の分析によって判断し、合っている部分の精細感をさらに高めるという考え方で作られた4Kテレビではない。フルHD信号から4K映像を創造する信号処理技術と、シャープの4K液晶パネル技術を組み合わせたもので、人間が自然の景色や被写体を光の刺激として脳で理解する「認知」の過程を、映像による光の刺激として再現するのが特徴だ。
具体的には、映像内のオブジェクトの奥行き情報などを相対的に判別し、その差分が脳内で適切に認知されるように映像処理を加える。ほかにもLEDバックライトのローカルディミングを活用して映像のユニフォーミティを高めたりなど、独自の工夫を行っているという。
実際に画像を見ると、木の枝が重なり合っているシーンでは、2Kでは全体の遠近感がなくなっているのに対して、ICC 4Kではそれぞれの枝の重なり具合が手に取るようにわかる。また河原を撮影したシーンでは、ICC処理を行うことによって、川の水面や木々、岩肌の精細感が格段に向上するだけでなく、全体の広がりや奥行き感が大きく向上する。なお、デモ映像のような静止したシーンだけでなく、動きの大きい映像であっても適切な処理が行えるという。
■スマホで操作可能なAQUOSブルーレイが登場
AQUOSブルーレイの新モデルも参考出展された。中級機に相当するモデルで、スマートフォンとの連携機能をこれまで以上に高めた点が特徴。年内の発売を見込んでいる。
新機種は、音声認識操作機能「スマートフォン ボイスリモコン」に対応した点が最大の特徴。
本機能は、Androidスマートフォン用の無料アプリを用い、音声で番組表の表示や各種再生操作を行えるほか、キーワード入力も声で行えるというもの。3件までキーワードを連続して話すことで、絞り込みも行える。たとえば「映画」と話すと番組表から映画コンテンツが一覧表示され、さらに「黒澤明」と話すと黒澤明の関連映画のみをピックアップする、といった使い方が可能だ。
なお、音声認識にはGoogleの音声認識APIを利用。iOSにも対応したいと同社では説明しているが、この場合にはニュアンス・テクノロジーなど外部企業のAPIを同社が購入する必要がある。
そのほか外観も変更を加え、中央のサークル部分を変更。これまでのHDD/BDのサークルインジケーターに加え、外部HDDの動作状況を示す「+HDD」インジケーターが加わった。
■4K解像度の32V型IGZO液晶ディスプレイなどを出展
そのほか同社ブースでは、IGZOの紹介に大きなスペースを割いていた。
IGZOは、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)酸化物の略称で、電子の移動度が高く、トランジスターを小さくできることから、開口率が上がり、精細度も高められるのが特徴だ。
32型で4K2K(3,840×2,160ピクセル)を実現した、画素密度140ppiの液晶ディスプレイを参考出展。本ディスプレイは業務用で商品化も視野に入れているとのことだ。そのほか13.3型や10.1型のタブレット用ディスプレイなど、様々な用途に向けたサイズの試作機を展示していた。
さらに昨日発表された、スマホ向け5型フルHD液晶パネルも展示。本パネルは半導体エネルギー研究所と共同開発したCGシリコン技術を用い、画素密度は443ppiに達する。すでに9月末から三重第3工場で生産を開始し、10月から本格生産に入るという。
またアプライアンス関連でAV機器にも関係がある展示としては、COCOROBO向けの外付け赤外線リモコンユニットを出展。このユニットをCOCOROBOに装着することで、外出先からネットワーク経由でテレビの電源を消したり、エアコンの電源を入れたり、といった使い方が可能になる。