• ブランド
    特設サイト
公開日 2018/07/31 16:57

オンキヨーの桐シリーズ第2弾は「桐ヘッドホン」、約30万円。和楽器の技術と独自ドライバー採用

秋葉原・ONKYO BASEで試聴可能
編集部:成藤正宣
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
オンキヨーは、ハウジングに会津産の桐材、振動板に100%セルロースナノファイバーを採用した「桐ヘッドホン」を、クラウドファンディングサイト「未来ショッピング」で8月1日より先行販売する。価格は、15セット限定のオリジナルヘッドホンスタンドセットが324,000円、ヘッドホン本体のみが302,400円(いずれも税込/送料込)。

オンキヨー「桐ヘッドホン」

同社は本日、東京・秋葉原のショールーム「ONKYO BASE」にて発表会を開催し、商品詳細の説明と試聴会を行った。

秋葉原の「ONKYO BASE」で発表会が行われた

同社は2016年、桐材とセルロースナノファイバー振動板を公開し(関連ニュース)、2017年にはクラウドファンディングにて、その技術を採用した「桐スピーカー」の販売を実施(関連ニュース)。今回の桐ヘッドホンはスピーカーに続く第2弾製品となる。

装着図

特徴的な桐を用いたハウジングは、高級和楽器の素材としても有名な、福島県会津地方の会津桐を採用。内部のドライバー背面にあたる部位には、和楽器の筝(こと)に用いられる技法「綾杉彫り」を施しており、これにより音の響きをコントロールしている。

会津産の桐材をハウジングに採用

内部に和楽器由来の技法を施し、響きをコントロールした

和楽器の要素を取り入れた理由について、開発に携わったヘッドホン技術グループの山本優一氏は、「過去にオンキヨーではアコースティックギターの構造を取り入れた製品開発を行い、楽器の構造から得られるものが多いことを経験していた。今回も“彫り”で響きを制御する和楽器の構造に着目し、試作したところ、きれいな鳴りが実現できた」ときっかけを語った。

ヘッドホン技術グループ 山本氏

以前の経験が、楽器の構造を応用するきっかけとなった

また、材料となる会津桐を提供した株式会社斎藤桐材店の齋藤磐雄氏は、「会津桐はつまった年輪が特徴で、堅さと粘り強さがある木材。今回は取り扱う1,300本のうち、特に筝に向くような材木を選んだ。切り出しから乾燥、アク抜きなど、材木として使えるようになるまで10年かけたものを提供している」と素材の背景を説明した。

桐材を提供した斎藤桐材店 齋藤氏

会津桐は製材まで10年をかけているという

ドライバーユニットは新開発したもので、口径は50mm。振動板の素材には軽量でありながら高強度の「セルロースナノファイバー」を採用。またスピーカーと同じ「フリーエッジ構造」を採用しており、振動板の周囲にリニアリティーが高く、不要共振の少ないエラストマーを配している。

今回採用されたセルロースナノファイバー振動板は、過去発売された製品とは異なりセルロースナノファイバー100%を使用。これは世界で初めての試みという。

100%セルロースナノファイバーで振動板を製品化したのは、今回が世界初という

山本氏は「通常、紙やそれに類する素材を振動板に用いると、キレの良い音と引き換えに高域が弱く、剛性が低いといった欠点があった。100%セルロースナノファイバー振動板ではそれらの欠点をすべて解消している」と説明。その反面、生産コストが高く、限られた生産数だからこそ採用できたという。

ドライバーは背面から抱え込むような「フルバスケット方式」で強固に固定され、ハウジングとハンガーの間にゴム緩衝材を配置。左右のハウジングの干渉や、ヘッドホン全体の共振を低減している。これらによって再生周波数は10Hz〜80kHzの広帯域に及び、クリアな音像と広い音場を実現できたという。

その他、ヘッドバンド・イヤーパッドには高級人工スエードのアルカンターラ、ハンガーは軽量・高剛性の超ジュラルミンを採用。ケーブルは両出しの脱着式で、製品には2.5mmバランスプラグのケーブルも付属する。

ヘッドバンド・イヤーパッドはアルカンターラ製で装着感を高めている

こうして完成した桐ヘッドホンは、太鼓芸能集団「鼓童」の住吉佑汰氏、指揮者の佐渡裕氏の2名に試聴してもらったところ、バランスの良さ、音の距離感、空間の再現力などで高い評価を得られたという。筆者も同社のハイレゾ対応スマートフォン“GRANBEAT”に接続して試聴したところ、高域がとても良く伸びるいっぽうで低域の余韻は深く、音の奥行きを再現しており、このモデルならではの強い個性が感じられた。

著名な音楽家に試聴してもらったところ、高い評価を得られたという

桐ヘッドホンはONKYO BASEでも展示され、試聴が可能となっている。また、同社桐製品の第1弾となる「桐スピーカー」も、8月1日から9月30日の期間限定で展示。3セット限定1,404,000円(税込)で販売も行われるという。

「桐ヘッドホン」だけでなく「桐スピーカー」もONKYO BASEで試聴できる

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 ヤマダデンキ、「ブラックフライデー」セールを11/16より開始。ベスト電器、マツヤデンキでも開催
2 iPhone買い換え、手持ちモデルを手放す際に必ずやっておくべきこととは?
3 ケーブル接続の「バランス/アンバランス」ってつまり何?
4 「ハイエンドオーディオ&アクセサリーショウ」11月23日・24日開催。出展メーカーや連続試聴イベントの内容はコチラ!
5 <Inter BEE>ゼンハイザー、国内未発売製品を初お披露目/NHK、“自由に変形する”ディスプレイ/コルグ「Live Extreme」試聴デモ
6 THIEAUDIO「Origin」は低音好き垂涎!骨伝導搭載・クアッドハイブリッド構成のイヤホンを聴く
7 B&Wの人気シリーズ、トゥイーター・オン・トップ式ブックシェルフ3機種の魅力を探る
8 ビクター“nearphones”「HA-NP1T」速攻レビュー! イヤーカフ型ながら聴きイヤホンを女性ライターが使ってみた
9 MUSE HiFi、真空管搭載ポータブルDAC/AMP「M5 ULTRA」。ESS社と独自回路を共同開発
10 スピーカーの“原音再生”をデジタルフィルターで解決!テレビや車に搭載広がるEilex PRISMの秘密に迫る
11/15 10:43 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX