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公開日 2019/02/13 10:59
富士フイルムがプロジェクター市場に参入、世界初の2軸回転レンズ搭載モデル「FP-Z5000」
超短焦点投映が可能
富士フイルムは、世界初の「屈曲型2軸回転機構レンズ」を搭載し、レンズの回転だけで様々な方向へ投射できる超短焦点プロジェクター「FUJIFILM PROJECTOR Z5000(FP-Z5000)」を4月に発売する。DLP方式を採用している。価格はオープンだが、100万円未満(税抜)の販売が予定されている。ブラックモデルのほかにホワイトモデルも用意されるが、こちらは今夏発売予定となる。
昨年9月に開発発表されていた製品(関連ニュース)の発売が正式に発表された格好だ。
本日都内で発表会が開催された。冒頭、「これまで設置したくてもスペースの制約でプロジェクターを置けなかった、あるいは投写できなかった場所に、高輝度・高画面の投写ができる画期的な製品」と、代表取締役社長・COOの助野健児氏は本プロジェクターを紹介。また、「創立85周年を記念して、満を持して出す製品。この製品で世界のプロジェクター市場にゲーム・チェンジを起こしていく」と述べた。
本製品は、富士フイルムのプロジェクター第1号となる製品。6方向の回転機構と幅広いレンズシフト機能によって、ギャラリー、受付、ショッピングモールといった場所に設置することを想定している。なお、さらに高輝度のモデルや、色再現性に注力したモデルなど、市場や顧客の反応を見ながらラインナップを広げていく予定だという。
柔軟な投写を可能にするのは、世界初となる屈曲型2軸回転機構レンズ。これによって上/下/前/後/左/右に向きを切り替えることで、本体を動かさずにさまざまな方向へ投写することができる。また上下82%、左右35%のレンズシフト機能を備える。シフトはリモコンからの操作にも対応する。
壁やスクリーンだけでなく、天井や床などにも映像を映し出せ、映像の向きを縦・横自在に切り替えることも可能。縦長映像を映し出す「ポートレート投写」にも対応している。ズームは1.1倍まで行える。
超短焦点レンズを搭載することで、75cmの至近距離から100インチの映像を映し出すことが可能。他社から発売されている超短焦点プロジェクターはミラーを用いるため、映像が本体から上に投影されてしまうが、本製品ではレンズのみで実現しているため、より幅広い投写方法に対応するとしている。また光源には、耐久性に優れた5,000ルーメンのレーザーを採用する。
レンズは、同社の「70年に渡る光学技術のノウハウを生かして開発した」と、光学・電子映像事業部 事業部長である飯田年久氏は話した。開発には自社の光学シミュレーションソフトウェアが活用されており、40枚ものレンズを同一の光軸上に配置するといった、4K/8K放送用のレンズや、シネマ用レンズなどの技術が活用されているという。
本プロジェクターには20枚以上のレンズと2枚のミラーが搭載されているが、これは製造過程で職人により、1点1点調整が行われているとのこと。具体的には300インチのスクリーンにテストチャートを投影し、回転の6方向すべてで周辺部まで高い解像度が出るように調整されている。またレンズの前玉として搭載され、超短焦点を実現されているという大口径の非球面レンズを量産する成形技術も同社の強みとのことだ。
本体は縦置きと横置きの両方に対応しており、利用環境にあわせて設置方法を選択できる。厚さはクラス最小となる108mmの小型ボディを採用しているとのことで、レンズ収納時には、レンズとプロジェクター本体が直方体に収まる設計。また丸みを帯びたフォルムとすることで、洗練されたデザインを追求したとのこと。
DLPチップには、0.65型でアスペクト比16:9のものを採用。解像度は2,073,600画素(1,920×1,080)となっており、コントラストは12,000:1。70型(約0.5m)から300型(約2.3m)の投写サイズに対応する。
外形寸法はレンズ収納時で、470W×108H×375Dmm、質量は約12kg。入出力端子として、HDMI×3、RJ-45×1、USB TypeA×1備える。また搭載スピーカーの出力は10W×1。
■横ばいのプロジェクター市場に参入する理由
発表会では同社がプロジェクター事業に参入する理由にも触れられた。
市場の動向について助野氏が述べたところによると、プロジェクター市場はほぼ横ばいで、その理由は「設置済みプロジェクターの買い替えなどが需要のほとんど」だという。これに対し、新たな設置場所・用途を広げる製品を開発することで、新たな製品を創造し、ユーザーを増やしていきたいとのことだ。
本製品の使用用途として、前述の通りギャラリー・回廊などが挙げられた。大きな投写がしたくても出来ない場合が多く、従来は液晶パネルなどが使用されることが多かったという。同社のミラーレスカメラ「Xシリーズ」「GFXシリーズ」のユーザーからも要望が多かったとのことで、これらのカメラで撮影された写真を展示する同社のギャラリーにおいても、今回のプロジェクターを展示に使用する予定があるとのこと。
またホテルなどのフロントでは、投写距離が短く、また天井が高かったりと設置できるプロジェクターは今までなかったが、今回の製品でそのニーズに答えられると説明。さらにショッピングモールでは円柱に広告などを投写できたり、今まで櫓を立て、数メートル離れた場所から投映しなければいけなかった屋外イベントでは、大画面を低い場所・近距離から投映できるなど、超短焦点・幅広いレンズシフトが活かせる場所は多いとのことだ。
■様々な使い方、使用用途のデモを実施
発表会と合わせて、製品内覧会も実施。様々な使い方や、先述した使用用途などのデモが展開されていた。
ホームシアター デモでは、合計450インチ相当となるL字型のスクリーン(約10,400W×2,100Hmm)に、3台のZ5000を用いて投映。アスペクト比は25:9となっており、床置きでも投写できるという設置自由度の高さがアピールされた。
またエントランス デモでは、2台のZ5000を天井と床に平置きで設置されており、天面スクリーン(337インチ相当/約7,600W×4,200Hmm)、床面スクリーン(272インチ相当/約6,000W×3,000Hmm)に投写。こちらではレンズシフトの広さが生かされたデモとなっていた。
フロント・サイネージ デモでは、先述したホテルのフロントが模してあり、アーチ型のスクリーンに映像が投映された。本体が見えないため空間デザインを損なわないほか、カウンターにスタッフが立っても投写イメージに干渉しないという。
そしてこちらも先述した、ギャラリー・美術館をイメージしたデモも実施。天井にZ5000を設置することで、90インチ相当(約1,100W×2,000Hmm)のスクリーンに対して、ポートレート投写と広いレンズシフトが活かされているとのこと。
また技術コーナーでは、試作レンズ、カットモデル、また参考出品としてホワイトカラーの展示も行われていた。
昨年9月に開発発表されていた製品(関連ニュース)の発売が正式に発表された格好だ。
本日都内で発表会が開催された。冒頭、「これまで設置したくてもスペースの制約でプロジェクターを置けなかった、あるいは投写できなかった場所に、高輝度・高画面の投写ができる画期的な製品」と、代表取締役社長・COOの助野健児氏は本プロジェクターを紹介。また、「創立85周年を記念して、満を持して出す製品。この製品で世界のプロジェクター市場にゲーム・チェンジを起こしていく」と述べた。
本製品は、富士フイルムのプロジェクター第1号となる製品。6方向の回転機構と幅広いレンズシフト機能によって、ギャラリー、受付、ショッピングモールといった場所に設置することを想定している。なお、さらに高輝度のモデルや、色再現性に注力したモデルなど、市場や顧客の反応を見ながらラインナップを広げていく予定だという。
柔軟な投写を可能にするのは、世界初となる屈曲型2軸回転機構レンズ。これによって上/下/前/後/左/右に向きを切り替えることで、本体を動かさずにさまざまな方向へ投写することができる。また上下82%、左右35%のレンズシフト機能を備える。シフトはリモコンからの操作にも対応する。
壁やスクリーンだけでなく、天井や床などにも映像を映し出せ、映像の向きを縦・横自在に切り替えることも可能。縦長映像を映し出す「ポートレート投写」にも対応している。ズームは1.1倍まで行える。
超短焦点レンズを搭載することで、75cmの至近距離から100インチの映像を映し出すことが可能。他社から発売されている超短焦点プロジェクターはミラーを用いるため、映像が本体から上に投影されてしまうが、本製品ではレンズのみで実現しているため、より幅広い投写方法に対応するとしている。また光源には、耐久性に優れた5,000ルーメンのレーザーを採用する。
レンズは、同社の「70年に渡る光学技術のノウハウを生かして開発した」と、光学・電子映像事業部 事業部長である飯田年久氏は話した。開発には自社の光学シミュレーションソフトウェアが活用されており、40枚ものレンズを同一の光軸上に配置するといった、4K/8K放送用のレンズや、シネマ用レンズなどの技術が活用されているという。
本プロジェクターには20枚以上のレンズと2枚のミラーが搭載されているが、これは製造過程で職人により、1点1点調整が行われているとのこと。具体的には300インチのスクリーンにテストチャートを投影し、回転の6方向すべてで周辺部まで高い解像度が出るように調整されている。またレンズの前玉として搭載され、超短焦点を実現されているという大口径の非球面レンズを量産する成形技術も同社の強みとのことだ。
本体は縦置きと横置きの両方に対応しており、利用環境にあわせて設置方法を選択できる。厚さはクラス最小となる108mmの小型ボディを採用しているとのことで、レンズ収納時には、レンズとプロジェクター本体が直方体に収まる設計。また丸みを帯びたフォルムとすることで、洗練されたデザインを追求したとのこと。
DLPチップには、0.65型でアスペクト比16:9のものを採用。解像度は2,073,600画素(1,920×1,080)となっており、コントラストは12,000:1。70型(約0.5m)から300型(約2.3m)の投写サイズに対応する。
外形寸法はレンズ収納時で、470W×108H×375Dmm、質量は約12kg。入出力端子として、HDMI×3、RJ-45×1、USB TypeA×1備える。また搭載スピーカーの出力は10W×1。
■横ばいのプロジェクター市場に参入する理由
発表会では同社がプロジェクター事業に参入する理由にも触れられた。
市場の動向について助野氏が述べたところによると、プロジェクター市場はほぼ横ばいで、その理由は「設置済みプロジェクターの買い替えなどが需要のほとんど」だという。これに対し、新たな設置場所・用途を広げる製品を開発することで、新たな製品を創造し、ユーザーを増やしていきたいとのことだ。
本製品の使用用途として、前述の通りギャラリー・回廊などが挙げられた。大きな投写がしたくても出来ない場合が多く、従来は液晶パネルなどが使用されることが多かったという。同社のミラーレスカメラ「Xシリーズ」「GFXシリーズ」のユーザーからも要望が多かったとのことで、これらのカメラで撮影された写真を展示する同社のギャラリーにおいても、今回のプロジェクターを展示に使用する予定があるとのこと。
またホテルなどのフロントでは、投写距離が短く、また天井が高かったりと設置できるプロジェクターは今までなかったが、今回の製品でそのニーズに答えられると説明。さらにショッピングモールでは円柱に広告などを投写できたり、今まで櫓を立て、数メートル離れた場所から投映しなければいけなかった屋外イベントでは、大画面を低い場所・近距離から投映できるなど、超短焦点・幅広いレンズシフトが活かせる場所は多いとのことだ。
■様々な使い方、使用用途のデモを実施
発表会と合わせて、製品内覧会も実施。様々な使い方や、先述した使用用途などのデモが展開されていた。
ホームシアター デモでは、合計450インチ相当となるL字型のスクリーン(約10,400W×2,100Hmm)に、3台のZ5000を用いて投映。アスペクト比は25:9となっており、床置きでも投写できるという設置自由度の高さがアピールされた。
またエントランス デモでは、2台のZ5000を天井と床に平置きで設置されており、天面スクリーン(337インチ相当/約7,600W×4,200Hmm)、床面スクリーン(272インチ相当/約6,000W×3,000Hmm)に投写。こちらではレンズシフトの広さが生かされたデモとなっていた。
フロント・サイネージ デモでは、先述したホテルのフロントが模してあり、アーチ型のスクリーンに映像が投映された。本体が見えないため空間デザインを損なわないほか、カウンターにスタッフが立っても投写イメージに干渉しないという。
そしてこちらも先述した、ギャラリー・美術館をイメージしたデモも実施。天井にZ5000を設置することで、90インチ相当(約1,100W×2,000Hmm)のスクリーンに対して、ポートレート投写と広いレンズシフトが活かされているとのこと。
また技術コーナーでは、試作レンズ、カットモデル、また参考出品としてホワイトカラーの展示も行われていた。