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公開日 2019/09/05 20:15
<IFA>ソニー、7000ユーロの超弩級ニアフィールドスピーカー 「SA-Z1」。ヘッドホンの解像感とスピーカーの音場両立
16chアンプをFPGAでタイミング合わせ駆動
ソニーは、独ベルリンで開催されている「IFA 2019」の会場にて、同社の高級オーディオ商品シリーズ “Signature” の新商品として、ニアフィールドスピーカー「SA-Z1」を発表した。価格は7,000ユーロで、欧州では2020年4月に発売予定。日本国内での発売については、現段階でアナウンスされていない。
■高級ヘッドホンの解像感と高級スピーカーの広い音場を両立
SA-Z1は、高級ヘッドホンの高い解像感と、高級スピーカーで得られる広大なステージ感を両立することを目指して開発されたモデルだ。
同社では、高級ヘッドホンユーザーでも「まだステージ感が足りない」と感じているユーザーが多いと分析。一方でハイエンドオーディオシステムを使えば、解像感と音場の広がりを両立できるものの、専用のリスニングルームが必要だったり、システムも数百万円以上になったりなど、実現のためのハードルが高いという課題があると指摘する。
これらの課題を解決するため同社では、ニアフィールドのアクティブスピーカーというスタイルを選択。とことんこだわり抜いた仕様とすることで、「パーソナル空間で究極の解像度とステージ感を実現するパワードスピーカー」(同社)を実現したという。
商品のメインフィーチャーは3つ。ハイレゾ音源を再現する「完全100kHz再生」、空間表現のための「I-ARRAY×TSUZUMI」、そして近距離リスニングで滲みのない音を再現するための「点音源 完全制御」となる。
まず製品の概略を説明すると、左右にアンプ「D.A.Hybrid AMP」とウーファー×2基「Tsuzumi」、そして3トゥイーターからなる「I-ARRAY」システムを搭載している。これをアルミ製の、がっしりとした筐体に入れ込んでいる。
入力端子では、デジタル系がUSB-B、ウォークマン入力端子(充電機能ON/OFF)、光デジタル端子を搭載。アナログ系もXLR、RCA、3.5mmステレオミニ端子を搭載している。電源ケーブルはもちろん着脱式だ。
なお、スピーカーは左右どちらに使うかをスイッチで切り替えられる。これにより、左右どちらに入力端子を持たせるかを決めることができ、セッティングやケーブルの取り回しの状況が変わっても対応できる。
DSDは22.4MHzまで、PCMは768kHz/32bitまで対応。ソニー独自の高音質化機能「DSEE HX」にも、もちろん対応している。出力は106W/1台。外形寸法は199W×207H×326Dmm、質量は10.5kg/1台。リモコンも付属する。
■窒化ガリウム(GaN)を採用した「D.A.Hybrid AMP」
本機に搭載しているアンプ「D.A.Hybrid AMP」は、その名の通りデジタルアンプとアナログアンプを組み合わせたアンプシステム。同じくSignatureシリーズの「TA-ZH1ES」でも使われたものだ。通常、フルデジタルアンプは大出力時に誤差成分が生じるが、アナログ信号の理想波形を使うことで、この誤差訂正信号を生成。デジタルアンプの出力と掛け合わせることで音質を高める、ソニーの特許技術だ。
そしてSA-Z1では、ソニーのフルデジタルアンプとしては初めて、MOS-FETではなく新世代パワー半導体の新素材、窒化ガリウム(GaN)を採用。高速スイッチング時に、MOS-FETでは誤差成分が生じてノイズや歪み、発熱の原因となるところ、GaNを使うことで理想的な波形を実現。これにより音が高解像度化したほか、スピード感やパワー感も上がったという。
■チタンコーティングトゥイーター3基を使ったI-ARRAYシステム
3トゥイーターからなる「I-ARRAY」システムも、非常に凝った仕様を採用している。まずトゥイーターユニットの振動板は、表層にチタンをスパッタリングコーティング。ソフトドームの滑らかさとハードドームの高域特性を両立させたという。
さらにトゥイーターは「バランスドライブ構造」を採用。これは、振動板の重量や空気負荷が均一になる点を駆動することで分割振動をコントロールするもの。重心を駆動することを重視した構造となっている。また、高剛性かつ高音速な接着剤の採用と接着剤の少量塗布化技術により、振動部の軽量化も実現した。ボイスコイルも最適化した。
I-ARRAYシステムは、このような凝った構造のトゥイーターを3基使用したもの。同社のハイファイ用スピーカーでも採用実績があるもので、メイントゥイーターの上下にアシスト用のトゥイーターを配置しながら、3基を1つの音源として機能させるソニーの特許技術だ。
なお本スピーカーにはフロントグリルがなく、トゥイーターは剥き出しとなるが、硬度が高いため、少し押した程度では凹まないという。
■FPGAで計16chのアンプ駆動を制御。ゼロレイテンシーを実現
そして、I-ARRAYシステムとウーファーシステムを同一線上に並べ、同軸システムとして空間軸を揃えた。
ウーファーは、2基を対向配置。前面をメインウーファー、背面側をアシストウーファーとして使用し、互いの振動をキャンセルする構造を採用することで、筐体が振動しないように工夫した。ウーファーユニット2基を横から見たとき、楽器の鼓のように見えることから、「Tsuzumi」という名称にした。なおアシストウーファーの音はスリット上の音道を通り、左右から放出される。
アンプはメイントゥイーター、アシストトゥイーター、メインウーファー、アシストウーファーの4チャンネル分搭載。それぞれがD.A.Hybridであることから、デジタルとアナログ2チャンネルを搭載していることになり、掛け合わせると1スピーカーあたり8チャンネル、左右スピーカーでは16チャンネルのアンプを独立して駆動する。それぞれ独立アンプとすることで、逆起電流の悪影響も最小化させた。
これだけ多くのマルチアンプとユニットを使って、なおかつ時間軸を完全に揃えることを目指し、FPGAでタイミングを制御している。
さらに左右間のレイテンシーを完全に同期することにもこだわり、独自のケーブルを開発。片側の遅延をもう片側にフィードバックし、音の出るタイミングを揃えることで、完全にレイテンシーをゼロにしたという。
そのほかユニークな機能として、D.A.Hybrid AMP、Tsuzumi、I-ARRAYのアシスト方法をスイッチ操作で切り替え、サウンドを調整する機能も装備している。
サウンド調整機能では、D.A.Hybrid AMPはブレンド/スタンダード、アシストウーファーモーションはフィックス/アクティブ、アシストウーファー周波数帯域はナロー/スタンダード/ワイド、アシストトゥイータータイムアライメントはディレイ/シンク/アドバンスを、それぞれ切り替えることができる。
■高級ヘッドホンの解像感と高級スピーカーの広い音場を両立
SA-Z1は、高級ヘッドホンの高い解像感と、高級スピーカーで得られる広大なステージ感を両立することを目指して開発されたモデルだ。
同社では、高級ヘッドホンユーザーでも「まだステージ感が足りない」と感じているユーザーが多いと分析。一方でハイエンドオーディオシステムを使えば、解像感と音場の広がりを両立できるものの、専用のリスニングルームが必要だったり、システムも数百万円以上になったりなど、実現のためのハードルが高いという課題があると指摘する。
これらの課題を解決するため同社では、ニアフィールドのアクティブスピーカーというスタイルを選択。とことんこだわり抜いた仕様とすることで、「パーソナル空間で究極の解像度とステージ感を実現するパワードスピーカー」(同社)を実現したという。
商品のメインフィーチャーは3つ。ハイレゾ音源を再現する「完全100kHz再生」、空間表現のための「I-ARRAY×TSUZUMI」、そして近距離リスニングで滲みのない音を再現するための「点音源 完全制御」となる。
まず製品の概略を説明すると、左右にアンプ「D.A.Hybrid AMP」とウーファー×2基「Tsuzumi」、そして3トゥイーターからなる「I-ARRAY」システムを搭載している。これをアルミ製の、がっしりとした筐体に入れ込んでいる。
入力端子では、デジタル系がUSB-B、ウォークマン入力端子(充電機能ON/OFF)、光デジタル端子を搭載。アナログ系もXLR、RCA、3.5mmステレオミニ端子を搭載している。電源ケーブルはもちろん着脱式だ。
なお、スピーカーは左右どちらに使うかをスイッチで切り替えられる。これにより、左右どちらに入力端子を持たせるかを決めることができ、セッティングやケーブルの取り回しの状況が変わっても対応できる。
DSDは22.4MHzまで、PCMは768kHz/32bitまで対応。ソニー独自の高音質化機能「DSEE HX」にも、もちろん対応している。出力は106W/1台。外形寸法は199W×207H×326Dmm、質量は10.5kg/1台。リモコンも付属する。
■窒化ガリウム(GaN)を採用した「D.A.Hybrid AMP」
本機に搭載しているアンプ「D.A.Hybrid AMP」は、その名の通りデジタルアンプとアナログアンプを組み合わせたアンプシステム。同じくSignatureシリーズの「TA-ZH1ES」でも使われたものだ。通常、フルデジタルアンプは大出力時に誤差成分が生じるが、アナログ信号の理想波形を使うことで、この誤差訂正信号を生成。デジタルアンプの出力と掛け合わせることで音質を高める、ソニーの特許技術だ。
そしてSA-Z1では、ソニーのフルデジタルアンプとしては初めて、MOS-FETではなく新世代パワー半導体の新素材、窒化ガリウム(GaN)を採用。高速スイッチング時に、MOS-FETでは誤差成分が生じてノイズや歪み、発熱の原因となるところ、GaNを使うことで理想的な波形を実現。これにより音が高解像度化したほか、スピード感やパワー感も上がったという。
■チタンコーティングトゥイーター3基を使ったI-ARRAYシステム
3トゥイーターからなる「I-ARRAY」システムも、非常に凝った仕様を採用している。まずトゥイーターユニットの振動板は、表層にチタンをスパッタリングコーティング。ソフトドームの滑らかさとハードドームの高域特性を両立させたという。
さらにトゥイーターは「バランスドライブ構造」を採用。これは、振動板の重量や空気負荷が均一になる点を駆動することで分割振動をコントロールするもの。重心を駆動することを重視した構造となっている。また、高剛性かつ高音速な接着剤の採用と接着剤の少量塗布化技術により、振動部の軽量化も実現した。ボイスコイルも最適化した。
I-ARRAYシステムは、このような凝った構造のトゥイーターを3基使用したもの。同社のハイファイ用スピーカーでも採用実績があるもので、メイントゥイーターの上下にアシスト用のトゥイーターを配置しながら、3基を1つの音源として機能させるソニーの特許技術だ。
なお本スピーカーにはフロントグリルがなく、トゥイーターは剥き出しとなるが、硬度が高いため、少し押した程度では凹まないという。
■FPGAで計16chのアンプ駆動を制御。ゼロレイテンシーを実現
そして、I-ARRAYシステムとウーファーシステムを同一線上に並べ、同軸システムとして空間軸を揃えた。
ウーファーは、2基を対向配置。前面をメインウーファー、背面側をアシストウーファーとして使用し、互いの振動をキャンセルする構造を採用することで、筐体が振動しないように工夫した。ウーファーユニット2基を横から見たとき、楽器の鼓のように見えることから、「Tsuzumi」という名称にした。なおアシストウーファーの音はスリット上の音道を通り、左右から放出される。
アンプはメイントゥイーター、アシストトゥイーター、メインウーファー、アシストウーファーの4チャンネル分搭載。それぞれがD.A.Hybridであることから、デジタルとアナログ2チャンネルを搭載していることになり、掛け合わせると1スピーカーあたり8チャンネル、左右スピーカーでは16チャンネルのアンプを独立して駆動する。それぞれ独立アンプとすることで、逆起電流の悪影響も最小化させた。
これだけ多くのマルチアンプとユニットを使って、なおかつ時間軸を完全に揃えることを目指し、FPGAでタイミングを制御している。
さらに左右間のレイテンシーを完全に同期することにもこだわり、独自のケーブルを開発。片側の遅延をもう片側にフィードバックし、音の出るタイミングを揃えることで、完全にレイテンシーをゼロにしたという。
そのほかユニークな機能として、D.A.Hybrid AMP、Tsuzumi、I-ARRAYのアシスト方法をスイッチ操作で切り替え、サウンドを調整する機能も装備している。
サウンド調整機能では、D.A.Hybrid AMPはブレンド/スタンダード、アシストウーファーモーションはフィックス/アクティブ、アシストウーファー周波数帯域はナロー/スタンダード/ワイド、アシストトゥイータータイムアライメントはディレイ/シンク/アドバンスを、それぞれ切り替えることができる。