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公開日 2022/08/24 18:12
デジタル捺染技術の活用で、最先端アートを楽しむ。エプソンが開催するイベント「Sound of Ikebana」
日本の伝統芸能に新たな可能性も広げる
エプソン販売株式会社は、東京・丸の内の「エプソンスクエア丸の内」にて、京都大学 土佐尚子教授の映像アート作品「Sound of Ikebana」をテーマとした共創アートイベント「NAOKO TOSA 展 -Sound of Ikebana Fashion Exhibition-」を開催している。会期は2022年8月23日(火) - 8月27日(土)。
土佐教授が展開する「Sound of Ikebana」は、音の振動によってさまざまな表情を見せる液体をハイスピードカメラで撮影し、目に見えない現象の中に潜む一瞬の美:「Invisible Beauty」を音の花・生け花として捉えたアート作品。「エプソンスクエア丸の内」では、大画面プロジェクションを用いてアート作品をプリントした生地を使ったシルクタイ、カットソー、シャツの展示、さらにファッションショー、トークショーなどのイベントが行われている。
昨日行われていたのは、能楽師の茂山逸平氏らによる狂言や、土佐教授と茂山氏によるトークショー。狂言のパフォーマンスでは、「Sound of Ikebana」のプリントが施された生地で、土佐教授の研究室で学ぶ学生が作成したという “かみしも” が登場。これを着用した茂山氏らが、「つくづくし」の演目を披露した。
トークショーでは、土佐教授と茂山氏の出会いから、日本の伝統芸能である狂言について、そしてこれからのビジョンなどが語られた。2人の出会いは、茂山氏が土佐教授のフェイスブックに投稿された、「Sound of Ikebana」のカットソーに興味を示してメッセージを送ったことがきっかけだという。
土佐教授が2013年から着手したという「Sound of Ikebana」のアートは、透明な液体の中で色づいた液体が音の振動によって形を変えていくさまがハイスピードカメラの動画や静止画で表現されており、「今も予期せぬ形が生まれてくるのが面白い」と語る。「その柄が和のテイストのよう。狂言師が和装以外で着る衣装としてありだと思った」と、茂山氏がメッセージを送ったのだという。
このアートが伝統芸能とつながりをもったことは興味深い。茂山氏は「こういうプリントも魅力的。染め屋さんも縮小している中で、現代科学の力を借りるのもいい。こうした新しい柄もデジタルの力でプリントができれば、新しい魅力として選択肢が増えていく」と、伝統芸能に新たな可能性が開かれることとして期待を寄せた。
土佐教授も「狂言の未来を聞いてみたい」と大きな関心を寄せた。茂山氏は、「室町時代から始まって700年弱、絶えたことはなかったらしいが、それは時代に合わせて変わっていったからではないか。世間の非常識を集めた中で生まれたようなものだから、自分達は非常識なのだ、とわかる程度の常識を我々は持っていないと。ジェンダーや人種の問題にもまだ十分には開かれていないが、これからは受け入れる土壌も必要だと思う」との自論を述べた。
なおイベントでは、「Sound of Ikebana」のスクリーンを用いた大画面でのプロジェクション展示を背景に、エプソンのデジタル捺染技術を使ってアート作品をプリントした生地を用いた、シルクタイ、カットソー、シャツを着用したモデルによるファッションショーも行われた。高度なデジタル捺染技術により、アート作品のさまざまな形や色が、生き生きと鮮やかに再現された様子が印象的だった。
NAOKO TOSA 展
-Sound of Ikebana Fashion Exhibition-
会期:2022年8月23日(火)- 27日(土)
<展示>
時間:11:00 - 18:00
入場:申込不要(無料)
<イベント >
平日:18:10 ー/土曜日:16:10 ー
入場:事前申込制(無料)
会場:エプソンスクエア丸の内(東京都千代田区)
オンライン配信:会場と同時刻にリアルタイム配信あり
申込ページ(下記参照)
■土佐尚子氏プロフィール
芸術家/京都大学防災研究所巨大災害研究センターアートイノベーション産学共同研究部門特定教授
感情・意識・物語・民族性といった、人間が歴史の中で行為や文法などの形で蓄えてきた文化を、先端技術で表現する「カルチュラル・コンピューティング」を提唱し、作品制作・研究を行う。人工知能(AI)による感情音声対話で工学博士(東京大学)。MIT Center for Visual Studies でArtist Fellow終了後、京都大学特定教授。ニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館での招待展示をはじめ、賞歴は、「インタラクティブポエム」でロレアル大賞受賞(1997年)、ユネスコデジタル無形遺産2位受賞コンピュータによる山水禅「ZEN Computer」(2004年)、2012年韓国麗水万博で350m x 30mのメインストリートのLEDスクリーンに龍を泳がせ功労賞受賞、プロジェクションマッピング[サウンドオブ生け花]グッドデザイン賞受賞(2014年)など。京都府事業:琳派400年記念プロジェクションマッピング土佐琳派を実施。近年では、2016年文化庁文化交流使として、ニューヨークタイムズスクエア60台以上のビルボードで[サウンドオブ生け花(春)]を毎夜1カ月間放映し、文化交流を行った。作品は、ニューヨーク近代美術館、国立国際美術館、富山県立近代美術館、名古屋市立美術館、高松市立美術館などで収蔵されている。
■茂山逸平氏プロフィール
能楽師大蔵流狂言方
京都出身。四歳で初舞台を踏み、祖父四世茂山千作(人間国宝)父二世茂山七五三に師事。狂言の舞台のほかドラマや映画などにも多数出演。新作狂言も手掛け、日本舞踊尾上流家元四世尾上菊之丞と『逸青会』を主宰しエンターテイメントととしての新たな伝統芸能の形を表現する。
土佐教授が展開する「Sound of Ikebana」は、音の振動によってさまざまな表情を見せる液体をハイスピードカメラで撮影し、目に見えない現象の中に潜む一瞬の美:「Invisible Beauty」を音の花・生け花として捉えたアート作品。「エプソンスクエア丸の内」では、大画面プロジェクションを用いてアート作品をプリントした生地を使ったシルクタイ、カットソー、シャツの展示、さらにファッションショー、トークショーなどのイベントが行われている。
昨日行われていたのは、能楽師の茂山逸平氏らによる狂言や、土佐教授と茂山氏によるトークショー。狂言のパフォーマンスでは、「Sound of Ikebana」のプリントが施された生地で、土佐教授の研究室で学ぶ学生が作成したという “かみしも” が登場。これを着用した茂山氏らが、「つくづくし」の演目を披露した。
トークショーでは、土佐教授と茂山氏の出会いから、日本の伝統芸能である狂言について、そしてこれからのビジョンなどが語られた。2人の出会いは、茂山氏が土佐教授のフェイスブックに投稿された、「Sound of Ikebana」のカットソーに興味を示してメッセージを送ったことがきっかけだという。
土佐教授が2013年から着手したという「Sound of Ikebana」のアートは、透明な液体の中で色づいた液体が音の振動によって形を変えていくさまがハイスピードカメラの動画や静止画で表現されており、「今も予期せぬ形が生まれてくるのが面白い」と語る。「その柄が和のテイストのよう。狂言師が和装以外で着る衣装としてありだと思った」と、茂山氏がメッセージを送ったのだという。
このアートが伝統芸能とつながりをもったことは興味深い。茂山氏は「こういうプリントも魅力的。染め屋さんも縮小している中で、現代科学の力を借りるのもいい。こうした新しい柄もデジタルの力でプリントができれば、新しい魅力として選択肢が増えていく」と、伝統芸能に新たな可能性が開かれることとして期待を寄せた。
土佐教授も「狂言の未来を聞いてみたい」と大きな関心を寄せた。茂山氏は、「室町時代から始まって700年弱、絶えたことはなかったらしいが、それは時代に合わせて変わっていったからではないか。世間の非常識を集めた中で生まれたようなものだから、自分達は非常識なのだ、とわかる程度の常識を我々は持っていないと。ジェンダーや人種の問題にもまだ十分には開かれていないが、これからは受け入れる土壌も必要だと思う」との自論を述べた。
なおイベントでは、「Sound of Ikebana」のスクリーンを用いた大画面でのプロジェクション展示を背景に、エプソンのデジタル捺染技術を使ってアート作品をプリントした生地を用いた、シルクタイ、カットソー、シャツを着用したモデルによるファッションショーも行われた。高度なデジタル捺染技術により、アート作品のさまざまな形や色が、生き生きと鮮やかに再現された様子が印象的だった。
NAOKO TOSA 展
-Sound of Ikebana Fashion Exhibition-
会期:2022年8月23日(火)- 27日(土)
<展示>
時間:11:00 - 18:00
入場:申込不要(無料)
<イベント >
平日:18:10 ー/土曜日:16:10 ー
入場:事前申込制(無料)
会場:エプソンスクエア丸の内(東京都千代田区)
オンライン配信:会場と同時刻にリアルタイム配信あり
申込ページ(下記参照)
■土佐尚子氏プロフィール
芸術家/京都大学防災研究所巨大災害研究センターアートイノベーション産学共同研究部門特定教授
感情・意識・物語・民族性といった、人間が歴史の中で行為や文法などの形で蓄えてきた文化を、先端技術で表現する「カルチュラル・コンピューティング」を提唱し、作品制作・研究を行う。人工知能(AI)による感情音声対話で工学博士(東京大学)。MIT Center for Visual Studies でArtist Fellow終了後、京都大学特定教授。ニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館での招待展示をはじめ、賞歴は、「インタラクティブポエム」でロレアル大賞受賞(1997年)、ユネスコデジタル無形遺産2位受賞コンピュータによる山水禅「ZEN Computer」(2004年)、2012年韓国麗水万博で350m x 30mのメインストリートのLEDスクリーンに龍を泳がせ功労賞受賞、プロジェクションマッピング[サウンドオブ生け花]グッドデザイン賞受賞(2014年)など。京都府事業:琳派400年記念プロジェクションマッピング土佐琳派を実施。近年では、2016年文化庁文化交流使として、ニューヨークタイムズスクエア60台以上のビルボードで[サウンドオブ生け花(春)]を毎夜1カ月間放映し、文化交流を行った。作品は、ニューヨーク近代美術館、国立国際美術館、富山県立近代美術館、名古屋市立美術館、高松市立美術館などで収蔵されている。
■茂山逸平氏プロフィール
能楽師大蔵流狂言方
京都出身。四歳で初舞台を踏み、祖父四世茂山千作(人間国宝)父二世茂山七五三に師事。狂言の舞台のほかドラマや映画などにも多数出演。新作狂言も手掛け、日本舞踊尾上流家元四世尾上菊之丞と『逸青会』を主宰しエンターテイメントととしての新たな伝統芸能の形を表現する。