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公開日 2022/11/24 10:18
【販売店レポート】ビックカメラ池袋本店、W杯が追い風!有機ELとmini LEDを前面にテレビ買替アピール
周辺商品一番の注目株は「壁寄せスタンド」
■見逃せないスポーツイベントの緊迫感と臨場感
FIFAワールドカップが開幕、ドイツを撃破した日本の勝利に大きな盛り上がりを見せている。臨場感あふれる試合観戦が楽しめる大画面・高画質テレビにも注目が集まるなか、ビックカメラ池袋本店の店頭はワールドカップ一色。行動制限が緩和されたことで、家電量販店にも客足が戻りつつある。
テレビ売り場はサッカー関連の展示物やスタジアムの芝をイメージした緑色の床で雰囲気を盛り上げる。同店3階ビジュアルコーナー・浅野直希氏は「どうせ観るのなら、大画面でもっとキレイに観られるテレビで臨場感たっぷりに楽しみたい。そんな誰もが抱く願望に売り場でお答えすることで、テレビ買い替えを決断できずにいたお客様の背中を押します」と期待を膨らませる。
コロナ禍で在宅時間が増え、“ホームエンタメ” として存在が再認識されたテレビの買い替えが加速。さらに昨年開催された東京オリンピックが拍車をかけた。「東京オリンピックは “地元開催” という大きなアドバンテージがありました。競技の開催が深夜や早朝の時間帯になる心配がありませんし、何より世間の盛り上がりや胸の高まりが段違いでした」と昨夏のテレビ需要の盛り上がりを振り返る。
来年は大リーグ・エンゼルス大谷翔平の参加予定で話題をまくWBC(WORLD BASEBALL CLASSIC)が3月に、ラグビーワールドカップが9月に開催を控える。「感動や興奮を息の抜けないライブでもたらすスポーツのビッグイベントは、テレビの魅力をアピールする最高のコンテンツのひとつ」と躊躇ない買い替えをお薦めする。
これまでもワールドカップサッカー開催時には、テレビの買い替えに悩んで二の足を踏んでいたにもかかわらず、「日本代表の活躍に後押しされ、『まだ間に合いますか』と慌てて店に足を運ばれるお客様が毎回必ずいらっしゃいます(笑)。過去の例からしても、大きく影響するのはグループステージの日本代表の成績。とにかく頑張ってもらいたいですね」。(※取材時はW杯開幕前)
■年末商戦は「有機EL」「mini LED」を前面にアピール
今、テレビのトレンドとして見逃せないのが「ネット動画配信」。テレビ買い替えへの大きな購買動機となっている。「テレビのネット動画配信に関する問い合わせが本当に多いですね。有名なサービスなら対応のテレビにはほぼ搭載されていますが、マイナーなサービスを希望して、搭載されている限られた機種の中から絞り込まれるケースも見受けられます」ともはや必須条件。「テレビ市場に起こった大きな変革と言えます」と指摘する。
タイプ別には、有機ELと液晶とを実際に見比べて、有機ELを選択されるケースが増えており、50V型以上のサイズに限れば、有機ELの販売台数が液晶を上回っているという。「売り場でご体感いただけますので、お客様には実際に自分の目で見て違いを確認することで、納得してご購入いただいています」と語る。
さらに年末商戦では「これまで力を入れてきた有機ELとmini LEDの訴求を一段と強化していきます」と売り場でも前面に押し出してアピールしていく構え。特徴的なのは、「液晶」「有機EL」「mini LED」を横並びにして、同じコンテンツで比較視聴できる環境を随所に整えていること。
「mini LEDは液晶の明るさと有機ELに迫る黒表現で両者の “いいとこ取り” とよく言われます。昨年末商戦はシャープだけでしたが、今年はソニーやTVS REGZAが加わり、昨年はできなかったmini LED同士の比較もできるようになりました。あまり耳馴染みがないようですから、まずは実際に見て違いを実感していただきたい」と拡販へ自信をのぞかせる。
「有機ELの価格が安くなってきたから売り上げが伸びているとう面は確かに否定できません。しかし、少し高価でもいいものであればと手に取っていただくのが理想です。お客様にそういう購買行動を起こしていただけるような、販売店やメーカーからの提案の仕方にもさらなる工夫が求められているのではないでしょうか」。
■周辺機器ナンバー1の注目株「壁寄せスタンド」
周辺機器で注目するのが「壁寄せスタンド」だ。「リビングではできるだけスタイリッシュなレイアウトを好まれる傾向があり、ニーズが俄かに高まっています」と力を入れる。売り場ではレジ前にスペースを割き、ゲーム機やサウンドバーは棚板を使ってコンパクトに設置できることを具体的に展示して案内している。
以前はテレビ台コーナーの端に置いてあった脇役だったが、テレビ台を追いやり主役の座を射止めた。「テレビ側の耐荷重の問題がクリアになるなど需要が顕在化しています。マンションや賃貸物件では壁掛けの工事ができなかったり、また、壁掛けで設置してしまうと模様替えができなかったり、潜在的なニーズはかなりあるはずです」とさらなる需要の拡がりを展望する。
サウンドバーも問い合わせが増加している。テレビと一緒に買われる方が増えるだけでなく、テレビを購入したものの “テレビの音” に満足できずに後付けで買われる方、今のテレビにプラスして買われる方など様々。さらに大型化する画面の迫力に匹敵する臨場感を手に入れるために、テレビへの添付率は確実に高まっている。
「お手元スピーカー」も手堅い人気を見せている。高齢の方の “聴こえ” を解決する商品として、ご両親へのプレゼント需要も目につく。USB-HDDに押され気味の「レコーダー」は、 “推し活” の切り口からアピールする。USB-HDDはテレビと紐づけになり、テレビを買い替えると録画したコンテンツを引き継ぐことができない。タイムシフトよりはむしろコレクション重視の録画派のニーズに訴え、高額の全自動録画タイプも人気を集めている。
■テレビの画質の違いはネットではわからない
コロナの影響で店頭での購買行動に変化が表れているという。「ネットで事前に下調べをされ、商品もいくつか目星を付けて来店されるため、店頭の滞在時間が減りました。お客様の選択がベストの場合もありますし、もっと要望に叶うものがあればもちろんご案内します。以前は何インチのテレビを使用されているかから始まりましたから(笑)」。
安価な小型キッチン家電など、コロナ禍を契機にチャネルがネットに大きくシフトした商品ジャンルも見られるが、テレビはまさに、その対極に位置する商品ジャンルと言えるだろう。
テレビの場合は特に、実際に見ていただかないとわからないところが少なくない。「各メーカーによっても色は全然違いますし、好きな “見え方” も人によって異なります。ネットでは絶対にわからないポイントですから、店まで足を運んでいただければ、どのメーカーのテレビもすぐに見られる状態でスタンバイしてあります。実際に見て、比較していただくのが一番。安くなってきたとは言え、決して安い買い物ではありませんから。後悔のない買い物、納得できるテレビ選びをお手伝いさせていただきます」。
話題を集めるチューナーレステレビの動向を伺うと、「問い合わせはあるのですが、あまり動いていません」とのこと。ネット動画配信を視聴するにあたり、スマホでは画面が小さいので、もっと大きな画面のテレビで楽しみたい。価格は安いほどよく、画質は二の次といったニーズが中心になっていると分析。従って、チャネルもオンラインがメインとなり、店頭まで足を運んで選ぶ人にはあまり視界には入ってこないようだ。
地デジ化で買い替えたテレビをまだ使用しているご家庭も少なくない。「いまだに引き取りで初期の液晶テレビやブラウン管テレビが出てくることがあります」と壊れないと買い替えないケースも決して珍しくない。「まだまだ買い替え予備軍が控えています。そうしたお客様に対し、例えば他の家電の購入で立ち寄られた際に、“テレビの進化” をどれだけ伝えられるかも大事なポイント。五輪やワールドカップサッカーはまさにうってつけ。年末商戦へ向けテレビの価値を大いにアピールして参ります」と力を込めた。