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公開日 2023/06/02 10:26
【街のでんきやさん探訪】S-LINKモロオカ(川越市)、“お客様在りき”で地域の力に。リフォームをさらに強化
N&Eリニューアルオープン&創業50周年セールを開催
■50周年とN&Eを機に新たな飛躍を期す
地域電器専門店「S-LINKモロオカ」(埼玉県川越市)は、ネットワーク&エコハウス(N&E)へのリニューアルオープンおよびコロナ禍で延期されていた創業50周年を記念したセールを、5月27日(土)・28日(日)の両日にわたり開催した。
オープニングセレモニーであいさつした師岡孝夫社長は「ようやくN&Eという素晴らしい称号をいただきました。タイミングよくコロナで延期していた50周年の感謝祭も迎えることができ、これからも“お客様在りき”で、皆様のお力、お客様のお力を借りて長く続けていきたい」とさらなる飛躍を誓った。
先頃開催された「S-LINKグループ2023年度方針発表会」では、「常に初心を忘れずお客様の立場に立って行動する」「地元密着企業として地域の活性化に貢献する」「お困りごと解消業としてお客様の記憶に残るお店づくりを目指す」という3つのスローガンを掲げた。奥様の美納子さんと二人三脚で地域に根を下ろし、600世帯にのぼるお客様に寄り添っている。
オープニングセレモニーでは、パナソニックマーケティングジャパンの沼倉直樹氏、S-LINKグループの河田哲男氏があいさつ。「師岡社長が方針発表会のなかで述べていらっしゃった『お客様との絆づくり』は根本であり、商いの基本。N&Eと50周年を機にさらに飛躍され、お客様との絆づくりを強化していただきたい」(沼倉氏)、「これまで以上のことをやってもらいたい。よく『変わろう!』と言いますが、実際にはなかなかむずかしいこと。しかし、この機をチャンスとして行動を変え、新たな取り組みで飛躍を遂げてほしい」(河田氏)と激励の言葉が贈られた。
■お客様との絆づくりの大切さを再確認
既存のお客様に対する接点活動のひとつとして、「かわら版」を配布して意思疎通を図っている。「モノを売るためのものではなく、目的はコミュニケーションを深めること。お茶を飲みながら話すような日常のたわいもない話を、ソフトな文面で読みやすくお伝えしています」。
今回のセールは、そんなお客様とのコミュニケーションについて見つめ直す機会になったという。「いままで忙しくてお客様のところへも集中して伺うことができず、かわら版も本来の手渡しではなく、ポストに投函してしまうこともあり猛省していました。そこで改めて、今回のセールのチラシ配布では、夫婦で1軒1軒お客様をお訪ねすることを一番に心掛けました。すると、反応も大きく違って、これまで十分にできていなかったことに改めて気づかされました」と語る。
大きな課題として取り組む新規顧客の獲得でも、「モロオカさんがよかったから、頼んでみたら」と既存客からの口コミや紹介によるお客様が目につくという。しかし、何をしているお店なのか、どんなことに役立つ店なのかを伝える手段としてチラシを活用して取り組むが、一筋縄ではいかない。
方針発表会でもこのテーマについて言及した。「お客様はどんどん少なくなっています。1軒の家が無くなり、そこに新しく家が2軒建つ。しかし、チラシを持って行っても若いお客様で響きません。この状況をどう打開していくのか。そのためにもやはり初心を忘れず、地元密着企業として、お客様の記憶に残る仕事をどんどんやっていきたい」と決意を示した。
LINEの活用も始めているが、こちらは既存客とのやりとりで効果を発揮している。時間や曜日を問わず、お客様から気づいた時点で連絡をもらえる点をメリットとして指摘。さらに、照明の調子が悪くなったというLINEには写真が、エアコンがおかしいという連絡には作動状態の動画が添えられるなど、「大変助かります。もっと数を増やしていきたい」と効率面からも着目する。
中心となるのは“若い”40代のお客様になるが、なかには、暑さが厳しくなってくると「頑張ってくださいね」と70代・80代のお客様から激励のメッセージが届くこともあるそうだ。「コミュニ―ションが活発になります」と顔をほころばせる。
■リフォームの拡大がまずは優先課題
ひまわりスタッフの募集を行っている。チラシの配布、お得意さんへの様子伺いを兼ねた手渡しでのかわら版の配布などを順次任せて、次の成長分野へ時間を振り向けていきたいと話す。
その一番手として挙げるのがリフォーム。現在の売上構成比は家電販売が8割を占めており、2割にとどまるリフォームや工事の伸長を優先課題と位置づける。「今後は大掛かりなものを含めてリフォームの件数をもっと増やしていきたい。過去に手掛けた事例はチラシやかわら版にも掲載して紹介しています。どんなことが頼めるのか。小さなことから大きなものまで、まずは周知が大切」と意気込む。
高齢化が進むことで需要の拡大が見込まれる補聴器も力を入れる商品のひとつ。「“聴こえ”に対するお客様は年々多くなっています。そこを、手助けをしていきたい。お客様の日々の生活にかかわるところで、購入された後もしっかりと責任を持ったサポートが必要です。慎重に対応してかなければなりません」。
創業者である父・秀夫さんが家電の修理から店を起こし、創業53年を迎えたS-LINKモロオカ。「親父の背中、仕事を小さいころからずっと見てきて、自然に後を継ぐことが当たり前だと思っていました」と振り返る師岡社長。高校を卒業して松下幸之助商学院(21期生)へ入学、他店での修業を経て家業を継ぎ、15年前に社長の座を引き継いだ。埼玉県の地域電器専門店が集まる組織ショップとして存在感を示す「S-LINK」には、2017年4月3日の発足時から参加している。大きな節目を迎え、気持ちも新たに、さらなる飛躍へ向けて力強くスタートを切った。