• ブランド
    特設サイト
ガジェット 公開日 2022/09/12 13:49

使用済み衛星を軌道から退出させる「5年ルール」米通信当局が提案

増え続ける衛星やデブリに対処が必要との考え
Gadget Gate
Munenori Taniguchi
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
米連邦通信委員会(FCC)は、わずか2年前に制定したスペースデブリに対処するための規則を更新し、軌道上で役割を終えた人工衛星は5年以内に処分しなければならないとする「5年ルール」を提案した。

現状のルールとしては、退役した人工衛星はミッション終了直後に軌道から取り除かれるか、25年以内に軌道から退出させるべきとされている。これは、まだ人工衛星そのものや打ち上げが非常に高価で、実質的に政治的、経済的な大国にしかそれを実行することができなかった1990年代に出されたNASAの勧告だ。

しかし2020年代のいまや、民間企業が一部再利用可能なロケットを頻繁に打ち上げてメガコンステレーションを構築したり、また小規模な団体でも安価なキューブサットを制作したり、クラウドファンディングなどで資金を集めて人工衛星を軌道に投入することが可能になった。

そのため、FCCは提案の中で「地球低軌道(LEO)の使用済み衛星を軌道退出させるまでに何十年も放置することは、もはや持続不可能だと考えている」と述べ、もはや機能していない衛星は可能な限り早急に、また任務終了後5年以内には廃棄を完了するよう求める5年ルールを採用したいとした。

この提案は、NASAの勧告ではなく遵守すべきルールとしてのものであり、採用されれば法的拘束力を持つ。ただし、すでに軌道上にある衛星などは適用除外とされる。また提案された規制を承認するかを決める投票が行われる9月29日から、2年間の施行猶予を設けるとしている(採用された場合)。さらに、特に科学研究ミッションについては、ケースによって5年ルールの適用除外も認めるとのことだ。

FCCがこのような提案をすることになったのは、今後、地球低軌道の人工衛星が劇的に増加することが予想されるからだ。いくつかの民間企業は数千〜数万もの小型衛星を軌道に配置する、衛星コンステレーションの構築を進めており、特にSpaceXのStarlinkは、約1万2000基の衛星を打ち上げる許可をすでに得て、さらに3万基の許可を申請中だ。また衛星通信会社OneWebも、高度約1,200kmでブロードバンド衛星を運用しており、米Amazonも今後数千基の衛星を打ち上げることを計画している。

そしてスペースデブリについても、2021年にロシアが衛星を破壊する実験を行ったことで無数のデブリが軌道上に放出されるなど、近年は問題が顕在化しつつある。ロシアがバラ撒いたデブリは時折、スコールのように他の衛星に接近するなどの問題を引き起こしている。

なお、SpaceXはStarlinkの衛星は自律的に他の物体との衝突を避ける機能を有していると主張し、増加するSpaceX衛星群がもたらす軌道上のデブリのリスクについて反論している。

Source: FCC
via: Space.com, Engadget, Ars Technica

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 「Amazon プライムデー」本セールが7月16日0時からついにスタート!安くなるものを事前チェック!
2 ヨドバシやビック、Amazonプライムデーより安い超特価セール実施中!見比べないと損をする
3 【レビューあり】Amazonプライムセール、JBLの人気サウンドバー「BAR 1000/800」が激安!
4 Amazonプライムデー先行セールで「半額」「半額以下」で買えちゃうイヤホン・ヘッドホン
5 Amazonプライムデー、FireTV Stick 4K/4K Maxが過去セール超えの大幅割引中
6 Amazonプライムデー、オーディオテクニカのTWS、ヘッドホン、マイクが多数お買い得に!
7 Amazonプライムデー、読み放題・聴き放題などサブスクも無料に! 登録すべきキャンペーンまとめ
8 Prime Videoの有料チャンネル「アニメタイムズ」が60日間無料。7/17まで
9 ノジマとオーディオスクエアのシナジーで“テレビの音の最適解”を案内。存在感を増すネットワーク&HDMI対応アンプ
10 <ポタフェス>FIIOやiFi audioに「本邦初公開」多数/Noble Audio「FoKus TRIUMPH」は今夏発売
7/16 10:43 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.193
オーディオアクセサリー大全2024~2025
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2024~2025
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.31 2024 SPRING
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.31(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2023受賞製品お買い物ガイド(2023年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2023年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX