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公開日 2017/06/01 11:00

ソニー、知育玩具「toio」発表。カートリッジ交換で自由に遊べるロボット工作システム

新規事業創出プログラム「SAP」から事業化
編集部:小野佳希
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ソニーは、手作り工作などで様々にカスタマイズできる知育玩具システム“トイ・プラットフォーム”「toio」を12月1日に発売する。



システムはtoio本体と、同システム用のカートリッジ(ゲーム機におけるソフトのようなもの)とから成り、価格はすべてオープンだが本体にあたる「TA-TO10」が2万円前後、カートリッジ「トイオ・コレクション」が5,000円前後、「工作生物ゲズンロイド」が4,000円前後での販売が予想される。

トイ・プラットフォーム

ゲーム機のようにカートリッジを交換することで様々な遊び方が可能



なお、ソニーのクラウドファンディング&ECサイト「First Flight」では本日6月1日から6月30日までの期間限定で先行予約販売を実施。こちらでは特別価格や一般発売前の発送、レゴ製品付属などの各種特典を用意している。

カートリッジの挿入スロットやtoioコアキューブの収納部などを装備。点数を競うゲームの場合は中央のディスプレイに点数を表示させるなどといったことができる

コントローラーはリング状。片手で操作できるように配慮した結果、このスタイルを採用したのだという

“トイ・プラットフォーム”には、本体にあたる“toioコンソール”、リング状のコントローラー“toioリング”2個、そのコントローラーで操作できる“toioコアキューブ”2個を同梱。toioリングを操作すると、位置センサーとモーターを内蔵したtoioコアキューブがワイヤレスで動き回る、という仕組みだ。toioコアキューブは、リングでの操作に加えて、振動を与えるなどの動きにも反応する。

toioコアキューブ天面の出っ張りはレゴブロックなどにハマるようになっている

toioコアキューブの裏側

このtoioキューブの動きなどを規定するのがカートリッジ。ゲーム機でゲームソフトを入れ替えて様々な作品を遊べるように、toioでもカートリッジを取り替えて色々なコンテンツを楽しめるようになっている。

レゴブロックや身の回りにあるものを使ってtoioコアキューブをデコレーション

そのカートリッジの第一弾のうちのひとつ、「トイオ・コレクション」は、工作やレゴ製品などを組み合わせて遊ぶ基本ゲーム集。自分で飾り付けたコアキューブ同士を相撲のように戦わせたり、おはじきをぶつけてコアキューブの進行方向を反転させることで相手の陣地へキューブを侵入させる遊びなど複数のプログラムを用意している。




なお、「Lyric Speaker」(関連ニュース)や「ジョジョウォール」、CMやミュージシャンのMV制作などを手掛けるクリエイティブ会社「SIX」と、野田洋次郎(RADWIMPS)によるソロ・プロジェクト illion の楽曲特設サイト制作などを行ってきた「dot×dot」が本カートリッジの企画に協力している。

もう一方のカートリッジ「工作生物ゲズンロイド」は、工作と“動きのプログラム”で人工生物を造る工作ブックとのこと。「ピタゴラスイッチ」などで知られる「ユーフラテス」が企画協力している。まさにそのピタゴラスイッチの1コーナー「あたらしい生物」よろしく、尺取り虫のように動く「シャクトリー」、歩いたり寝てしまったりする「足の人」などの人工生物を作り出すことができる。




なお、toioはソニーの新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program(SAP)」から生まれた新たな商品。2013年にソニーCSLオープンハウスで公開された“ロボット×遊び”研究を原点に、第7回のソニー社内オーディションを通過し2016年6月から有志メンバーによって正式にプロジェクトとして活動を開始した。ソニーのロボット技術と遊びの研究が生んだ、互換で遊べる、学べるものだとしている。

toio開発チームのリーダーを務める田中章愛(あきちか)氏(写真左)と、新規事業創出部 統括部長の小田島伸至氏

なお「toio」という製品名は、「Toy」と「I/O(Input/Output)」を組み合わせた造語。リアルとコンピューターが融合したエンタテインメントであるという意味が込められている。また「t」を手に、「oio」を顔(2つの「o」が目で「i」が鼻)に見立てて、「体感で楽しむもの」であるという意味も含んでいる。

toioのロゴ

本商品は、今週末6月3日・4日に一般公開を迎える東京おもちゃショーに出展。先行体験することができる。

そのおもちゃショーのプレスデーに開催された製品発表会では、開発チームのリーダーを務める田中章愛(あきちか)氏が開発の狙いや製品特徴を説明。11時の先行予約受付開始からすぐに売り切れ状態になってしまうほど注目を集めていることなどを紹介した。

田中氏は元々はSAPの各プロジェクトを裏からサポートするメカエンジニア。その一方で長年toioのアイディアを温めていた

toioの開発にあたっては事前に200名以上の子供たちに体験してもらい、その反応など様々な調査を行ったとのこと。子供たちが熱中したことはもちろん、一体型で他機器が必要ないことや手先を使う遊びである点などが親にも好評だったことから、こうした製品に対するニーズがあると判断したという。

少子高齢化になるほど親は祖父母は「子供によい教育を受けさせてあげたい」というニーズが高まっているという

また、「遊んでいるうちに、動き回るtoioコアキューブについつい触りたくなると思う。そのため、コントローラーは片手で操作できるようにした」と、リング状コントローラーを採用した理由などを説明。

そして「『リアルな遊びが未来を造る』というのビジョンを実現したかった」と、toio開発に込めた想いをコメント。「工夫する心に火がつくトイ」だとtoioを表現し、今後も様々な企業からパートナーを募ってカートリッジの拡充などを図っていくとした。

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