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公開日 2020/03/24 16:12

トヨタとNTT、「スマートシティ」実現に向け資本提携。2000億円を相互出資、長期で取り組む構え

提携は「互いの企業価値を高める」
編集部:押野 由宇
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トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ自動車)と日本電信電話株式会社(以下、NTT)は、両社の取締役会において、業務資本提携に関する合意書を締結することを決議し、同日締結したことを発表した。

トヨタとNTTが資本提携

提携は両社間で価値観を共有し社会の発展をめざすコアなパートナーとして、住民のニーズに応じて進化し続けるスマートシティの実現をめざし、スマートシティビジネスの事業化が可能な長期的かつ継続的な協業関係を構築することを目的としたもの。

両社は、2017年3月27日にはコネクティッドカー向けICT基盤の研究開発に関する協業に合意し、コネクティッドカー分野での協業を行ってきたが、自動車産業そのものが大きな変革の時期を迎え、またデジタルトランスフォーメーションが世界的に進む経営環境の変化に対して、これまで培ってきた事業基盤のさらなる強化に努めるだけでなく、両社の更なる協力関係構築により、持続的成長を可能とする新しい価値創造に取り組んでいく必要があるとの考えを示している。

なかでも、先進的技術の活用により、都市や地域の機能やサービスを効率化・高度化し、各種課題の解決を図るとともに、快適性や利便性を含めた新たな価値を創出するスマートシティ事業を、今後注力する重要な領域の一つと捉え、取り組みを始めている。

そして、スマートシティ化による課題解決や価値向上の効果を最大化し、地域力向上、および国家力向上につなげるには、各社が個々のプロジェクトに取り組むだけでなく、両社が一体となり、スマートシティ実現のコア基盤となる「スマートシティプラットフォーム」を共同で構築・運営し、国内外の様々なまちに連鎖的に展開することが必要と考えるに至り、この度、業務資本提携を行うこととなったと発表した。

スマートシティプラットフォームの概要

両社は、スマートシティにおいて、ヒト・クルマ・イエ、また住民・企業・自治体等に係る生活、ビジネスおよびインフラ・公共サービス等の全ての領域への価値提供を行う「スマートシティプラットフォーム」を共同で構築。先行ケースとして、静岡県裾野市東富士エリア(Woven City)と東京都港区品川エリア(品川駅前のNTT街区の一部)にて実装し、その後連鎖的に他都市へ展開を図っていく。

そして今回の合意書に基づき、トヨタ自動車は、NTTが実施する第三者割当による自己株式の処分により、NTTの普通株式80,775,400株(発行済株式総数に対する所有割合約2.07%、総額約2,000億円)を取得。またNTTは、トヨタ自動車が実施する第三者割当による自己株式の処分により、トヨタ自動車の普通株式29,730,900株(発行済株式総数に対する所有割合約0.90%、総額約2,000億円)を取得する。

本日3月24日、両社は共同記者会見を実施。NTT 代表取締役社長の澤田 純氏と、トヨタ自動車 代表取締役社長の豊田 章男氏が登壇し、スマートシティへの取り組みについて発表した。

日本電信電話株式会社 代表取締役社長 澤田 純氏

澤田氏は「トヨタ自動車と連携することで、住民・地域の社会基盤を構成していきたい。スマートシティには8つの要素で形成されると考えているが、そのうちの1つであるモビリティにおいて、トヨタ自動車は世界トップ企業であり、その広がりをサポートしていく」と説明。

トヨタ自動車株式会社 代表取締役社長 豊田 章男氏

豊田氏は「ハードとソフトの一体開発から、それぞれの開発を分けて考えるソフトウェア・ファーストが広がってきている。また、クルマは個人が所有するものから社会システムと結びついた存在へと役割が変化してきている。そうしたなか、社会システムの根幹を担う事業を行うNTTは、社会システムに組み込まれたクルマを最も活用できると考えている。また、トヨタがモビリティ・カンパニーへとフルモデルチェンジするために、NTTとの提携はトヨタに必要不可欠である」と述べた。

また資本提携に至った理由を問われると、澤田氏はスマートシティプラットフォームが長期の取り組みとなることを前提に「資本提携によりお互いが組み合っていく、ということを証明したい。企業価値というものを考えると、トヨタとともに進むことが企業価値を高めると考えている」と回答。

それを受け、豊田氏も「NTTとともに未来を創造するための投資と考えており、社会の発展を目指すには、一方的ではなく、パートナーと競争力を高め合うことが重要となる。双方の企業価値にも確実にプラスになる」と答えた。

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