• ブランド
    特設サイト
公開日 2022/06/28 19:49

ファンで路面に吸い付くバットマンカー風ミニ電気自動車、グッドウッドのヒルクライムでコースレーコード【Gadget Gate】

クルマは見かけによらない
Munenori Taniguchi
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

Image:Mcmurtry Automotive
英国で毎年開催されている自動車フェスティバル、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードのヒルクライムイベントで、バットマンカー風の電気自動車McMurtry Speirling(マクマートリー・スピアリング)がコースレコードとなる39.08秒を叩き出した。

これまでの最速記録はフォルクスワーゲンのヒルクライム用電気自動車「ID.R」が2019年に記録した39.9秒だった。ただし、ID.Rの記録は練習走行時のものであったため、公式のコースレコードとしては1999年にまでさかのぼり、F1マシンのマクラーレンMP4/13による41.6秒ということになる。いずれにせよ、McMurtryのタイムはそれらを凌駕する俊足ぶりを示している。



全長3,200mm、幅1,500mmという軽自動車サイズのこのマシンは、まるでティム・バートンが監督した90年代の映画『バットマン』に登場したバットモービルを、寸詰まりのチョロQにしたような外観のシングルシーターEV。60kWhのバッテリーを搭載し、ファニーな外観とは裏腹に、車体下部に搭載するツインファンを回すことで、静止した状態で約2トンものダウンフォースを発生。後輪を駆動する2つのモーターは合計800馬力以上を発生し、0−60mph(96km/h)は1.5秒を下回る、小さな怪物マシンだ。

McMurtry Spierlingは昨年のグッドウッドにも出場したが、マシン調整が最適化し切れていなかったため、高速でコーナリングをする際にマシンがスライドし、タイムをロスしていた。あれから1年、テスト走行とファンの改良を進めてきたMcMurtryは、見事にレコードタイムをかっさらったというわけだ。

これまでプロトタイプカーとして開発を続けてきたSpierlingの詳細なスペックは後日公開される予定だが、カナダ・Molicel製のバッテリーを使用し、カーボンファイバー製の車体にアクティブ昨ペンション、6キャリパーのカーボン製ブレーキ、カスタムスペックのタイヤを装着していることが明らかにされている。車体重量は1000kgに満たない。電気自動車なのでエキゾーストノートは発生しないが、そのかわりに強力なファンのおかげで巨大な掃除機のような音がする。


Image:Mcmurtry Automotive
McMurtryは数台のサーキット用マシンの製作を経て、公道を走れる市販車を開発する意向だ。公道を走行するマシンにはファンで路面に吸い付く特殊機構は必要ないかもしれないが、今回のグッドウッドでのレコードタイムは革新的な電気自動車メーカーとしての活動の弾みになることだろう。

ちなみに、車体下部からファンでエアを吸い出してダウンフォースを強制的に発生するシステムは、発想としては別段新しいものでもない。カリスマ的カーデザイナーのゴードン・マレーが1978年代にF1マシンのブラバムBT46Bで投入し、圧倒的な勝利を収めた(が、1戦の出走のみで後に規定違反扱いとされた)。ゴードン・マレーは現在、自身が設立したゴードン・マレー・オートモーティブでやはりファンを備える最新の高級スポーツカーT.50を開発している。そのほかにも、北米のスポーツカーレースCan-Amシリーズでは1970年にファンカーのシャパラル2Jが登場している。


Image:Mcmurtry Automotive
Source: Goodwood Road & Racing(YouTube)
via: Road&Track



※この記事は、現在プレオープン中のテック/ガジェット系メディア「Gadget Gate」から転載したものです。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 ソニー、第2世代フラグシップ・ミラーレス一眼「α1 II」。画質、操作性を着実に強化
2 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
3 目黒蓮を“もっとそばに”感じられる特別イベント。「レグザミュージアム〜The 6 STORIES〜」11/21から原宿で開催
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 ビックカメラ.com、「2025年新春福箱」の抽選申し込み開始。全66種類、iPadやPS5も登場
6 覚えておくと絶対便利!iPhoneの「計測」アプリでできる、あんなことこんなこと
7 ビクター「HA-A6T」レビュー!5000円切り完全ワイヤレスイヤホンは「価格を上回るクオリティ」
8 高音質と機能性を両立する新たなスタンダード機!AVIOTのANC完全ワイヤレス「TE-V1R」レビュー
9 Meze Audioが打ち出す待望の入門モデル。開放型ヘッドホン「105 AER」&イヤホン「ALBA」の音質に迫る
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/21 10:37 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX