公開日 2010/06/02 14:49
ソニー “VAIO Pシリーズ”の新機能を使ってみた - PS3リモート機能などの使い勝手は!?
一条真人の体当たり実験室
そのウェアラブルなほどのコンパクトさから登場時にかなりの話題を呼んだ“VAIO Pシリーズ”に新機種が登場した。そんなPシリーズはどんな進化をしたのか?PS3のリモート機能などを中心に色々と試してみた。
■店頭モデルもSSDになり使用感は大きく向上
まずは外観から見ていくと、当初“type P”という名称で登場した前機種と縦横高さのサイズは変わっておらず、画面を閉じた状態では劇的には変化がないようにも見える。
しかし、手にとって開いてみると、すぐに目につく違いがある。液晶ディスプレイの左には2つのボタン、右にはタッチパッドが搭載されているのだ。この新搭載のポインティングデバイスによって、両手で持ったまま操作することができるようになったわけだ。当然、従来通り、スティックポインタも搭載している。これは単に立ったまま操作できるというだけではなく、立った状態で使うと便利な位置情報系のアプリを搭載し、ユーザーに新しい使用環境を提案している。
CPUスペックに関しては、店頭販売モデルは1.6GHzのATOM Z530で、前機種の店頭モデルでの1.33GHzのZ520と比較しても高速化している。さらにハードディスクをやめ、64GBのSSDを搭載したため、ドライブのアクセス速度が向上し使用感は大きく向上した。正直、前機種であるTypePの店頭モデルはややもっさり感があり、オーナーメイドで高速なCPUとSSDを搭載するのがお勧めだったが、今回のモデルでは店頭販売モデルも実用的な速度で動くようになった。ちなみにエクスペリエンスインデックスは2.2となった。
■PS3のリモートコントロールを試す
今回のVAIO Pシリーズは、PS3のリモートプレイが可能な点(関連ニュース)も特徴のひとつ。PS3は、ファームフェア3.3でPSPだけでなくパソコンからのリモートプレイにも対応したが、VAIO Pシリーズでこの機能が使えるわけだ。そこで今回はこのリモートプレイを試してみた。
リモートプレイの手順はPS3の「設定」の「リモートプレイ設定」で、リモートプレイ機器として「パソコン」を選択し、PS3にVaio Pを登録。その後にPS3でリモートプレイを実行し、Vaioで「PlaystationTools」の「リモートプレイ with Playstation 3」を実行すればいい。これでPS3のリモートプレイ画面がVaio Pシリーズの画面に表示される。
リモートプレイモードでは、PS3の画面の隣に対応する操作キーが表示され、これを見ながら操作できるため、慣れなくても、わりとすぐに最低限の操作はできるようになる感じだ。音楽やビデオの再生などはごく普通にできるため、PS3にコンテンツをいろいろ保存している人にとっては実用的だろう。ちなみにブルーレイやDVDなど、著作権保護のかかったコンテンツの再生はできない。操作はスイスイという感じではないが、実用的な速度で動く。
この機能の面白いところは、家庭内のネットワークだけでなく、インターネット経由でも接続できること。この場合、接続にはプレイステーションネットワークのユーザーIDとパスワードが必要になる。さらにリモート起動機能を使えば、PS3の電源が切れた状態からでも、アクセスを検知して自動的に起動してくれる。そして、用が終わったらリモート操作でPS3の電源を切ることもできる。
そして本機にはもう1つのPS3とのネットワーク機能が備わっている。Bluetoothを使ってVAIO PシリーズのキーボードでPS3の文字入力をするというものだ。
これは同じく、「Playstation Tools」の「リモートキーボード with Playstation 3」を使う。PS3にBluetooth機器としてVAIO Pを登録した後にこのソフトを起動すれば、VAIOからキーボード入力ができる。メールなど、長文の入力をする場合に便利に使えそうだ。
■多彩なセンサーで広がる用途
さて、今回のPは多彩なセンサーを搭載し、今までとは違う用途に活用できるようになっている。まず、GPSや無線LANによって、自分の位置を把握することができる機能が搭載され、これを利用したエリア検索機能が使える。なお、GPSはオーナーメイドモデルで無線WANを搭載した場合に搭載される。店頭モデルは無線LANだけで位置特定をすることになる。たしかにGPSよりは落ちるが、こちらでもわりと実用的に使えると思う。
また、明度センサーによって周囲の明るさを検知し、ディスプレイの明るさを変化させるギミックによってバッテリ寿命を延ばしている。ほかにも加速度センサーを搭載し、傾きを検知できる。これは操作や表示にも使われており、本体を縦にすると、それを検知して、ディスプレイ表示を縦方向に切り替えてくれる。これによって、縦方向に長いWebページなどを見るときに便利だ。縦持ちでも使いやすいポインティングデバイスがあると、もっと縦持ちスタイルが生きるようになると思うが、これは今後の課題だろうか。
■アクティブ度を増した2代目
今回のPはポインティングデバイスや位置情報を検知するシステムによって、より戸外での使用を意識したモデルとなった。SSDを搭載したおかげで、持ち歩きに神経を使わなくていいため、よりアクティブに使えそうな印象なので、そのような用途にはマッチしている。外出先からPS3内のコンテンツをチェックできたり、外付けキーボード代わりに使えるのも面白いし、縦表示に切り替わるのも面白い提案だ。また、出先からPS3に保存したコンテンツを見られるのも楽しい。
Vaio Pシリーズはそのサイズから常時携帯を意識したモデルだが、今回の新モデルではそのアクティブな性格がより強まり、パソコンをアクティブに使いたい人にとっては、より魅力的な存在となったと言える。
また、ソニースタイルのオーダーメイドモデルであれば、ヘッドホン使用時のノイズキャンセリング機能やワンセグも搭載できるため、これらの機能を使いたい人は直販サイトでのカスタマイズを検討してみるのもよいだろう。
執筆者プロフィール
デジタルAV関連、コンピュータ関連などをおもに執筆するライター。PC開発を経て、パソコン雑誌「ハッカー」編集長、「PCプラスワン」編集長を経てフリーランスに。All Aboutの「DVD ・HDDレコーダー」ガイドも務める。趣味はジョギング、水泳、自転車、映画鑑賞など。
■店頭モデルもSSDになり使用感は大きく向上
まずは外観から見ていくと、当初“type P”という名称で登場した前機種と縦横高さのサイズは変わっておらず、画面を閉じた状態では劇的には変化がないようにも見える。
しかし、手にとって開いてみると、すぐに目につく違いがある。液晶ディスプレイの左には2つのボタン、右にはタッチパッドが搭載されているのだ。この新搭載のポインティングデバイスによって、両手で持ったまま操作することができるようになったわけだ。当然、従来通り、スティックポインタも搭載している。これは単に立ったまま操作できるというだけではなく、立った状態で使うと便利な位置情報系のアプリを搭載し、ユーザーに新しい使用環境を提案している。
CPUスペックに関しては、店頭販売モデルは1.6GHzのATOM Z530で、前機種の店頭モデルでの1.33GHzのZ520と比較しても高速化している。さらにハードディスクをやめ、64GBのSSDを搭載したため、ドライブのアクセス速度が向上し使用感は大きく向上した。正直、前機種であるTypePの店頭モデルはややもっさり感があり、オーナーメイドで高速なCPUとSSDを搭載するのがお勧めだったが、今回のモデルでは店頭販売モデルも実用的な速度で動くようになった。ちなみにエクスペリエンスインデックスは2.2となった。
■PS3のリモートコントロールを試す
今回のVAIO Pシリーズは、PS3のリモートプレイが可能な点(関連ニュース)も特徴のひとつ。PS3は、ファームフェア3.3でPSPだけでなくパソコンからのリモートプレイにも対応したが、VAIO Pシリーズでこの機能が使えるわけだ。そこで今回はこのリモートプレイを試してみた。
リモートプレイの手順はPS3の「設定」の「リモートプレイ設定」で、リモートプレイ機器として「パソコン」を選択し、PS3にVaio Pを登録。その後にPS3でリモートプレイを実行し、Vaioで「PlaystationTools」の「リモートプレイ with Playstation 3」を実行すればいい。これでPS3のリモートプレイ画面がVaio Pシリーズの画面に表示される。
リモートプレイモードでは、PS3の画面の隣に対応する操作キーが表示され、これを見ながら操作できるため、慣れなくても、わりとすぐに最低限の操作はできるようになる感じだ。音楽やビデオの再生などはごく普通にできるため、PS3にコンテンツをいろいろ保存している人にとっては実用的だろう。ちなみにブルーレイやDVDなど、著作権保護のかかったコンテンツの再生はできない。操作はスイスイという感じではないが、実用的な速度で動く。
この機能の面白いところは、家庭内のネットワークだけでなく、インターネット経由でも接続できること。この場合、接続にはプレイステーションネットワークのユーザーIDとパスワードが必要になる。さらにリモート起動機能を使えば、PS3の電源が切れた状態からでも、アクセスを検知して自動的に起動してくれる。そして、用が終わったらリモート操作でPS3の電源を切ることもできる。
そして本機にはもう1つのPS3とのネットワーク機能が備わっている。Bluetoothを使ってVAIO PシリーズのキーボードでPS3の文字入力をするというものだ。
これは同じく、「Playstation Tools」の「リモートキーボード with Playstation 3」を使う。PS3にBluetooth機器としてVAIO Pを登録した後にこのソフトを起動すれば、VAIOからキーボード入力ができる。メールなど、長文の入力をする場合に便利に使えそうだ。
■多彩なセンサーで広がる用途
さて、今回のPは多彩なセンサーを搭載し、今までとは違う用途に活用できるようになっている。まず、GPSや無線LANによって、自分の位置を把握することができる機能が搭載され、これを利用したエリア検索機能が使える。なお、GPSはオーナーメイドモデルで無線WANを搭載した場合に搭載される。店頭モデルは無線LANだけで位置特定をすることになる。たしかにGPSよりは落ちるが、こちらでもわりと実用的に使えると思う。
また、明度センサーによって周囲の明るさを検知し、ディスプレイの明るさを変化させるギミックによってバッテリ寿命を延ばしている。ほかにも加速度センサーを搭載し、傾きを検知できる。これは操作や表示にも使われており、本体を縦にすると、それを検知して、ディスプレイ表示を縦方向に切り替えてくれる。これによって、縦方向に長いWebページなどを見るときに便利だ。縦持ちでも使いやすいポインティングデバイスがあると、もっと縦持ちスタイルが生きるようになると思うが、これは今後の課題だろうか。
■アクティブ度を増した2代目
今回のPはポインティングデバイスや位置情報を検知するシステムによって、より戸外での使用を意識したモデルとなった。SSDを搭載したおかげで、持ち歩きに神経を使わなくていいため、よりアクティブに使えそうな印象なので、そのような用途にはマッチしている。外出先からPS3内のコンテンツをチェックできたり、外付けキーボード代わりに使えるのも面白いし、縦表示に切り替わるのも面白い提案だ。また、出先からPS3に保存したコンテンツを見られるのも楽しい。
Vaio Pシリーズはそのサイズから常時携帯を意識したモデルだが、今回の新モデルではそのアクティブな性格がより強まり、パソコンをアクティブに使いたい人にとっては、より魅力的な存在となったと言える。
また、ソニースタイルのオーダーメイドモデルであれば、ヘッドホン使用時のノイズキャンセリング機能やワンセグも搭載できるため、これらの機能を使いたい人は直販サイトでのカスタマイズを検討してみるのもよいだろう。
執筆者プロフィール
デジタルAV関連、コンピュータ関連などをおもに執筆するライター。PC開発を経て、パソコン雑誌「ハッカー」編集長、「PCプラスワン」編集長を経てフリーランスに。All Aboutの「DVD ・HDDレコーダー」ガイドも務める。趣味はジョギング、水泳、自転車、映画鑑賞など。